
Ω⊂R^2を有界領域とし、以下のポアソン方程式を考えます。
Δu=f (x∈Ω)--------*
ここでG(x)=1/2π・log|x|は基本解です。
-----------------------------------------------------------
このとき、以下の定理が成り立ちます。
「fはR^2でヘルダー連続でsuppfは有界ならば
U(x)=∫[R^2]G(x-y)f(y)dyはR^2でC^2級で、Δu=f (x∈R^2)である」
この定理の証明はできたのですが、
「この定理はそもそも何故成り立つのか」
というのを基本解などの性質などから簡潔に説明せよという課題が出ました。
抽象的でよく分からずにいます。
この定理はそもそもどのような根拠から成り立つのでしょうか。
そして、なぜこの定理なのでしょうか。
よろしければどなたか解説をお願い致します><
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
たぶんグリーン関数法のイメージをつかめ、という課題だと思います。
以下の説明は、結局、定理の証明を、言葉にしただけになる恐れはありますが・・・。基本解G(x)=1/2π・log|x|は、x=0に特異点を持つデルタ関数δ(0)と、R^2全体に対する、
Δu=δ(0) (1)
の一般解だという事は、良いでしょうか?。同様に、G(x-y)は、x=yに特異点を持つデルタ関数δ(y)と、R^2全体に対する、
Δu=δ(y) (2)
の一般解です。
デルタ関数は、その特異点yを内点として含む任意の領域Sで(y∈S’,S’はSの開核)、
∫δ(y)ds=1 (積分領域はS) (3)
を満たすので、(1)や(2)のu(x)を発生させる「単位の点源(点Source)」だとみなせます。この性質を、基本解の積分定数を決める時に、使ったはずです。
ところでポアソン方程式は線形です。いくつかの点源k1・δ(y1),k2・δ(y2),・・・があった場合、
Δu=k1・δ(y1)+k2・δ(y2)+・・・ (4)
の解は、
u(x)=k1・G(x-y1)+k2・G(x-y2)+・・・=Σki・G(x-yi) (i=1,2,・・・について和をとる) (5)
になります。ここでk1,k2,・・・は適当な実数です。
次にSourceが連続分布する場合です。連続Sourceであるf(x)のx=yの一点の近傍を想像するとそれは、微小点源、
f(y)・δ(y)ds
が、そこら中に並んでる状態だとみなせます。何故なら、
∫f(x)・δ(y)ds=f(y) (積分領域はS) (6)
だからです(デルタ関数の性質)。だとすれば、(5)の伝で、
Δu=f (7)
の解は、そこら中に並んでる微小点源の基本解(のf(y)倍)をかき集めて(i=1,2,・・・,∞について和をとる)、
u(x)=Σf(yi)・G(x-yi)ds=)=∫f(y)・G(x-y)dy (8)
だろう!、という話になります。(8)の積分領域は、fが定義されてる領域Ωです。たぶんΩの外では、f=0という前提があるんだと思います。その場合は、積分領域はR^2でかまいません。
(8)は、数学に厳しい方々からはお叱りを受けそうですが、以上がグリーン関数法の基本的な発想だと思います。デルタ関数がなかった時には、こんなに簡単な説明はできませんでした。標準的な物理数学の本などを読むと、今でもデルタ関数の発想のない証明が、けっこう見られますので、質問者様は、そういう方式の「証明」を行ったのかな?、と想像しました。デルタ関数を使わない証明が、Originalですから・・・。
ちなみに、
U(x)=∫[R^2]G(x-y)f(y)dy (9)
には、留意点が一つあります。それはG(x-y)が、R^2全体に対する基本解である事です。これはΩの境界∂Ωで、境界条件を与えないのと同じです。でも普通は、∂Ωでの境界条件を考慮せざる得ません。
そのためにΔu=f (x∈Ω)に、ガウスの発散定理を適用して部分積分し、境界積分方程式へ変形します。uを境界積分方程式で表すと、∂Ωの境界条件の影響を、陽に扱えるようになるからです。
境界積分法は、今風にアレンジされたグリーン関数法だと思います。
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