チョコミントアイス

 日本語を勉強中の中国人です。本日、「似つかわしい」という新しい日本語単語を習得しましたが、その語感はいまひとつよくわかりません。「ふさわしい」という言葉は知っております。お伺いしたいのですが、「似つかわしい」と「ふさわしい」の違いは何でしょうか。「いかにもハンブルグに似つかわしい黒ずんだビル」のなかの「似つかわしい」を「ふさわしい」に変えたら、ニュアンスが変わるでしょうか。一回質問させていただきましたが、よく理解できませんでした。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8036444.html

 「似つかわしい」は自分では積極的に使えない表現です。もう少し例文をいただけないでしょうか。

 下記は中村明の「日本語の語感の辞典」からの引用です。「この感覚はあっている、ここはちょっと違ってあっていない」のようなご意見をいただけないでしょうか。
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・ふさわしい
釣り合いや適性や能力などの点で条件にぴったり合っている意で、会話にも文章にも広く使われる日常の和語。
地位に~人
役に~俳優
自分に~相手
場に~服装
「似つかわしい」に比べ、外から客観的に判断している感じが強い。

・似つかわしい
好みや性格などの点でよく合っている意で、会話にも文章にも使われる、いくぶん古風な感じのある和語。
自分に~仕事を探す
そのポストに~人物
比較的客観的な感じの「ふさわしい」に比べ、この語はそう判断する主体を意識させやすい感じがある。
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 また、質問文に不自然な表現がありましたら、それも教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

A 回答 (5件)

その書物の説明は、日本人にもむつかしく感じられるかもしれないと思います。



「自分に~仕事を探す」 というのが 「似つかわしい」 の場合の例として出ていますが、これは 「ふさわしい」 でもおかしくないし、むしろ 「ふさわしい」 の方が適切である場合が多いのではないかと思います。

「自分にふさわしい仕事」 とは、言い換えると 「自分の能力に見合った (自分の能力を十分に発揮できる) 仕事」 ということになります。しかし、「自分に似つかわしい仕事」 というと、「自分の性格に合った (あるいは好みに合った) 仕事」 というニュアンスを帯びてくるように感じます。

また、「そのポストに~人物」 というのも 「似つかわしい」 の方の例としてあがっていますが、これも 「ふさわしい」 方に入れてもおかしくない。「そのポストにふさわしい人物」 とは、その人物をそのポストにつかせたとすると、その人物はそのポストに求められる働きをするだろうという意味合いを持ち、つまりその人物はそのポストに見合う能力や才能を具えている、ということになります。他方 「そのポストに似つかわしい人物」 となると、もう少し主観的な要素が入ってきます。本当にそのポストにつかせてもいいだけの能力を持っているのかどうかははっきりしなくても、そういうポストについている人は大抵がある特色を持っているという前提になる主観があって、その人もそういう特色を持っているから、そのポストにつけてもいいのではないだろうかとか、あるいは既にそのポストについているのであれば、そのポストについている人の特色を持っているということを再確認して 「似つかわしい人」 という評を与えるという場合が考えられます。

「役に~俳優」 の場合は、「○○という役にふさわしい俳優」 という例を考えると、ある役柄があって、その役をこなす才能・能力のある俳優のことを述べていると理解することができます。「○○という役に似つかわしい俳優」 という言い方も出来ないわけではありませんが、「その役を演じるだけの能力があるのではないかと期待してもよいと思われる俳優」 のようなニュアンスを帯びてきて、話者の主観が入る余地が出てきます。

「自分に~相手」 の場合も、両方の表現がありうると思います。「自分にふさわしい相手」 という時、たとえば男女の場合を考えます。「相手」 というのは、「結婚する相手」 と考えてみるのが分かりやすいかもしれません。その場合、「自分にふさわしい相手」 とは、自分と結婚して、その結婚生活が相手も自分も満足のいくものに出来る可能性のある相手、という意味に取れます。この場合には 「能力」 というより 「可能性を持つ」 ということになるかもしれません。日本人の感性では 「釣り合いが取れる」 という表現が用いられることもあります。どちらかが社会的な地位が高く、他方が低い場合、生活環境がまるで異なった生活を送ってきた者同士ということになると、結婚後の生活がうまくいかない可能性がある、とみなすのです。その場合、片方が相手のことを 「自分にはふさわしくない相手」 であると見るかもしれません。「自分に似つかわしい相手」 という場合は、「ふさわしいと判断される相手」 というニュアンスを帯びますから、主観的な判断が入っていることが分かります。

それから 「場に~服装」 の場合ですが、これは大抵は 「場にふさわしい服装」 という形で用いられることが多いと思われます。なぜなら、あるところに出かける場合、たとえばパーティに出かけるのに、葬式に出かける時と同じ服装であるとは考えにくいです。この場合、ある 「条件」 を満たす服装ということになります。ある条件が前提としてあって、それに適合するかどうかの問題になります。

「自分にふさわしい仕事」 という場合も、「自分の能力に適合する仕事」 という見方もできそうです。「自分に似つかわしい仕事」 となると、「自分の能力に適合していると自分では思う、そういう仕事」 ということになり、主観が入ります。

これだけで2つの表現の違いが理解されるものかどうかは分かりませんし、説明する人によって違う説明の仕方になるかもしれません。理想的には具体的な場の中で、実際に使われる場に立ち会って理解するのが一番なのですが、そうもいかないので言葉による説明を試みることになります。するとこんなに長くなって、しかもまだ分からないと言われるかもしれませんが、とりあえず私の説明はこれくらいで切り上げることにいたします。
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この回答へのお礼

 ご親切に教えていただきありがとうございます。いろいろ大変参考になりました。とても難しいですね。なんとなくわかりました。詳しく説明していただきまして誠にありがとうございました。

お礼日時:2013/05/01 16:56

#4です。

すいません、追加です。

「ふさわしい」は「ふさう」という動詞から派生した形容詞だそうです。「ふさう(相応う)」が現在では使われない古語なので、たまたま辞書を調べていて知ったのですが、意味は「似合う。釣り合いが取れる。気にいる」と説明されています。

「気にいる」という当事者の主体性、能動性に比べると「似つかわしい」には第三者的な視線を感じます。

前の回答で「目上の人には……」と言いましたが、第三者的な視線で上司にしろ、先輩にしろ目上の人を論じることに違和感があるということです。


「ハンブルク……」は北ドイツの暗い冷たいイメージがあるので「黒ずんだビル」が(イメージに)似つかわしいので、一般的にハンブルグに暗いビルがふさわしいという意味ではありません。その情景を描写するさいに、「ふさわしい」より「似つかわしい」のほうが情感がこもります。


質問にある辞書の解説例で、「似つかわしい」「ふさわしい」を入れ替えると微妙な差異を感じます。
「ふさわしい」の解説例の人、俳優などの前に「立派な」、「似つかわしい」の仕事、人物の前に「その程度の」と入れてみればより明確になります。もっとも、この操作は私が自分に都合の良い例ばかりを考えた結果なので、適切だとは言い切れませんが。


例文は、「似つかわしい」「ふさわしい」をそのまま検索すればたくさんhitすると思います。
私は「似つかわしい」だけを検索しました。
「似」と「に」の両方、「しい」とか「しく」の語尾の変化もhitして数を多くするため「つかわし」だけで検索しました。「遣わして」の意味までhitしてしまいますが、有用と判断できたものだけ内容を開けるか、あるいは検索結果からコピーすれば手間は省けます。

微妙なニュアンスは単語の意味として理解するより、文例での実践を数多く体験するほうが効率的だと思います。
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この回答へのお礼

 何度もご親切に教えていただきまして本当にありがとうございました。とても参考になりました。

お礼日時:2013/05/01 17:32

電子辞書(大辞林)では「ふさわしい」には「似つかわしい」、「似つかわしい」には「ふさわしい」と説明されていてどうどうめぐりなのですが、「似つかわしい」には類語に分相応、応分などがあります。

「ふさわしい」には類語としてはそれらはありません。

分相応は能力、地位にふさわしい、応分は身分、能力にふさわしいさま、と書かれていますから目上の人には使わないと思います。

「ふさわしい」は一般的な表現。目上の人に対して使うこともできる。
「似つかわしい」は目上の人には使えない。

いくつか、文例もあたりましたが、自信があるわけではありません。

日本語にかぎらず、英語でも、おそらく中国語でも、同じ単語の使い方ひとつで印象が違って伝わるのでしょう。”No thank you”の回答をみて感じました。


awayuki_cnさんには物足りないかもしれませんが、文章のなかでの意味を考えるほうが使われ方での意味合いもはっきりすると思います。
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この回答へのお礼

 ご親切に回答していただきありがとうございます。やはり具体的な文に置いて見たほうがいいですね。いろいろ参考になりました。

お礼日時:2013/05/01 17:24

他の方の回答に解説や用例が沢山ありますが


別の観点で整理すると理解が深まるかもしれません。
すでにご承知のことが重複すると思いますが
      既知のことはskipしてください。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
ふさわしい・・・・漢語 “相応" の熟字訓 和語
につかわしい・・・にの音に 意の通じる 似 を充てた和語
言い換えは 好適/適任/ ちょうどよい/うってつけ/好都合/ピッタリ など。

国語辞典の範囲では明確な違いはありません(なさそうです)。
実用上は差異がありますが 論理的な区分けはできそうにありません。
ご自分で使う場合は ふさわしい に統一すれば大失敗はないでしょう。

につかわしい は現代日本語では使用頻度は少ない。
ふさわしい  が不都合な場合はほとんどありません。
  につかわしい に出遭ったら何らかの意図的な背景があると考えても良いくらいです。
   ・話者の好悪や評価の心情が反映されている
   ・語を覚えたばかりで使ってみたい
   ・出自を誇るご婦人がわざとらしく使う
   ・語をもてあそぶ 文体を飾る・・・咬文嚼字に通じるかも
   ・高齢者で使い慣れている
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ふさわしい につかわしい は
A と B を対照して相互の(関係や相性の)適否を言う語。
   ・意味は何れも(辞書の範囲では)決定的な差はない。
   ・AとBの相互の関係や特性によりどちらを使うか選択する。
   ・話者の意図(客観的か否か/相手への心情/)により使い分ける。
   ・特に につかわしい は A及びBに対する聞き手の知識 により
                聞き手の理解が異なる場合がある。
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さて
上記において につかわしい は
  ・話者の好悪や評価の心情が反映されている としましたが
【個人や個別の物 の特性に 立ち入って意識している表現】です。
・地位にふさわしい人   地位が要求する条件を満たしている人
・地位ににつかわしい人  求められる条件を充分満たしていないが
               あの人の性格/実績etc.ならば充分対応できるだろう

・自分にふさわしい相手  条件を満たしている相手
・自分ににつかわしい相手 条件的に最適ではないが
               お互いのバランスが取れている(欠点を補い合えるetc.)相手
          or  自分のような高貴な者に最適の相手
      この例は 話者の意図や態度により意味が大幅に変わる
                    会話や文章の文脈で判断

・自分にふさわしい仕事  仕事の要求条件が自分の能力に合っている
             自分がやりがいを感じる仕事             
・自分ににつかわしい仕事 自分は条件を充分満たしていないが
               自分の特性に合っている仕事/やりがいを感じる仕事
          or  自分のような実力ある者に最適の仕事
      この例は 話者の意図や態度により意味が大幅に変わる  
                    会話や文章の文脈で判断

・ハンブルグにふさわしい黒ずんだビル  聞き手は ハンブルグの街並みは黒いのかな? と思う
                         ビルよりも街並みが黒いことに注目
・ハンブルグに似つかわしい黒ずんだビル 黒ずんだビルこそがハンブルグの街並みに似合う
                         話者の主観に準拠した発言
 --------------------------------
*ふさわしい を使えないかもしれないが 実用上通用する:
要求条件を明らかに満たしていない場合
・山村にふさわしい茅葺屋根(辞書の文例より)・・・△ 田舎の条件は他にも多い
・ハンブルグにふさわしい黒ずんだビル・・・△ 行政は要求していないので客観的には不適当?

*につかわしい が馴染む用法:
個人や個物の能力・人柄などに着目して意図的にその特性を強調する場合

以上 充分な説明ではありませんがご参考まで。
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この回答へのお礼

 ご丁寧に教えていただきありがとうございます。難しいと感じておりますが、なんとなくわかりました。要するに、現代で「ふさわしい」を使えば、基本的に大失敗がないのですね。いろいろとても参考になりました。詳細にわたってご親切に説明してくださり、誠にありがとうございました。

お礼日時:2013/05/01 17:20

awayuki_cnさん,こんにちは。


ひさしぶりに,このサイトにアクセスしたら,なつかしいお名前を発見し,なんだかうれしくなりました。
まだまだ日本語を勉強中なのですね。熱心さに頭が下がる思いです。
 
 
わたしも,手元の辞書(古語例解辞典)を引いてみました。

・につかはし[似付かはし](=につかわしい):
(意味=)似合っている。ふさわしい。
 
・ふさはし[相応し](=ふさわしい):
(意味=)似つかわしい。似合っている。つりあっている。

と,なっていました。
つまり,「似つかわしい」は「ふさわしい」という意味で,「ふさわしい」は「につかわしい」という意味だ。
という説明です。
早い話が,「どちらも同じ意味で,使ってよい。」と思えばよいようです。
 
ただ,わたしの個人的な印象ですが,
現代話し言葉としては,「ふさわしい」は使われろことがありますが,「につかわしい」は,あまり使われない気がします。
「につかわしい」のほうがやや古風な響きを感じます。
 
同じ意味だ,
と言ってもまだ,awayuki_cnさんの探求心を満足させることができないなら,
あえて,いえば,
「ふさわしい」のほうが,両者を対等に比べて客観的な評価をしている。
「似つかわしい」は"ハンブルグ"が主で,それに対して自分(話者)の印象として"黒ずんだビル"が合っている。
と言っているような印象を受けます。
 
あ,「日本語の語感の辞典」と同じことを言っているかな?
 
例に挙げられたものについて,私の語感では,
自分に~仕事を探す → 自分にふさわしい仕事 と言ってもまったく問題なし。
そのポストに~人物 → そのポストにふさわしい人物 と言っても全く問題なし。

です。
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この回答へのお礼

 ご無沙汰しております。古い時代からのお知り合いですね^^。日本語の勉強はたぶん一生続くのではないかと思います。とてもおもしろいです。わかりやすく説明していただきどうもありがとうございました。大変参考になりました。

お礼日時:2013/05/01 17:06

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