大学で建築構造を専攻しています。
構造力学の教科書ならまずのっている部材剛性マトリクスですが、弾性の場合は以下のようになりますよね。
軸力の項は省略します。(汚くてすみません)
|Qi|.....|...12EI/L^3 6EI/L^2 -12EI/L^3 6EI/L^2 | | ui |
|Mi|.....|.................................. 4EI/L -6EI/L^2 2EI/L | |θi |
|Qj|=|..............Sym. ...............12EI/L^3 -6EI/L^2 | | uj |
|Mj|.....|................................................................. 4EI/L | |θj |
ふと、疑問に思ったのですがこの梁の一端もしくは両端が塑性化した場合、この剛性マトリクス内の各項はどのようになるのでしょうか。
塑性ヒンジが生じるので、塑性化した部分をピン接合するようなトラス材で考えるのでしょうか。
何冊か構造力学の本を参照したのですが、塑性化後の処理を書いてある本を見つけることができませんでした。
できれば、ひずみ硬化係数K≠0の場合について教えて頂けないでしょうか。
よろしくお願い致します。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
塑性変形は、非線形変形なので、マトリクス法で直接計算することはできません。
>塑性ヒンジが生じるので、塑性化した部分をピン接合するようなトラス材で考えるのでしょうか。
そのとおりですが、建物の変形を、直線とみなせる範囲で分割して、それぞれピンあり架構として解いて、足し算します。
>何冊か構造力学の本を参照したのですが、塑性化後の処理を書いてある本を見
「弾塑性解析」や「保有水平耐力」の本を読めば載っています。
お勧めは
星睦廣 著/建築技術者のための 保有水平耐力入門-精算法へのアプローチ-/建築技術
手計算から始まって、いろいろな解析法の原理を、図解で説明しています。(式は最小限しか出てきません。)
間違えてはいけないのは、塑性解析は一般的には答えが一つに定まりません。塑性域では、ある変形に対して応力が1つに定まらないからです。
前記の本でも、手計算の解説中、計算の順番によって答えが何通りも出てくる、という説明が出てきますが、これは解法が悪いのではないのです。
この回答への補足
>塑性変形は、非線形変形なので、マトリクス法で直接計算することはできません。
マトリクス法による釣合式(運動方程式)を数値的に解くような形になるんでしょうか?
>星睦廣 著/建築技術者のための 保有水平耐力入門-精算法へのアプローチ-/建築技術
今度、大学の図書館で探してみます!
No.4
- 回答日時:
>>塑性変形は、非線形変形なので、マトリクス法で直接計算することはできません。
>マトリクス法による釣合式(運動方程式)を数値的に解くような形になるんでしょうか?
マトリクス法は「線形解析」のひとつで、入力(外力)と出力(変形または応力)の関係が直線になっている現象しか解けません。
塑性変形は、フックの法則が成立する(直線変形する)範囲の外の現象なので、線形解析では解けないのです。
で、マトリクス法を使った弾塑性解析では、個々の部材の変形も2~3本の直線で近似表現して、建物全体の変形も・・・(以下、前の解答に書いたことと同じ)
ニュートンの運動方程式を使った解析は動解析(振動解析)になって、基本はマトリクス法ですが、これまでに書いただけのことでは解けません。これは難しいので、ここで回答できる範囲ではないと思います。
No.1
- 回答日時:
弾性応力解析の場合、片端ピンの場合のマトリクスが
教科書に載っていると思います。
さて、塑性化後の取り扱いについてはいろいろな方法があります。
ここでは増分解析を前提として話します。
簡単な完全弾塑性タイプであれば、端部が塑性化した次の
ステップでは、ピンとしたマトリクスに置き換えて、
応力計算します。
この方法の欠点は、軸力を含めた降伏曲線を設定している場合
片側ピンにしただけでは、軸力が増加して降伏局面の外側に
出てしまうことがあり得ることです。
建築では、基本的に梁降伏なので、この問題は無視している
プログラムが普通です。
補正するために増加した軸力によって本来減少するはずの
曲げモーメントを別途計算しイテレーションする方法が
あります。一部のプログラムで愛用されていますが、
計算時間が増えるという問題があります。
単純にピンにするのではなく降伏曲面(2次元なら曲線)をたどる
マトリクスに置き換えるプログラムもありますが、結構発散するので
あまり人気はないようです。
あと端部に回転バネをつけた端部弾塑性ばねモデルなどもあります。
この回答への補足
トラス材を用いるという認識は合っていたんですね。ありあとうございます。
>補正するために増加した軸力によって本来減少するはずの
これは、一般化塑性ヒンジ法と呼ばれる方法のことでしょうか?
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