生まれて間もなく捨てられていた猫(♀)を拾って、10年近くになります。
住宅事情から、不憫に思いつつ1年後に避妊手術。
屋内でのみの生活です。
母猫から引き離されて捨てられたのが早かったのも原因か、食べなかったり、又食べてもすぐにもどしてしまう事が多く、湿疹がよくできる子(特に首から上)でした。
病院で検査しても湿疹の原因が特定できず、知人から教えてもらったドライフード「ナチュラルチョイス」と、よく飲んでくれる特定のミネラルウォーターを与えていました。
「ナチュラルチョイス」以外にも、無添加と表示のあるフードを与えてみたのですが、食べるのはこれ以外「アボキャット」だけでした。
昨年の秋頃までは、たまに湿疹が出ても、割と短期間で自然に治まっていたのですが、今回はずっと痒い(不快?)らしく、掻きはじめると深い傷になるまで掻いてしまう為、留守番中と夜間はアニマルネッカーを付けています。
(家族がいて目が届く時には外して、強く掻きはじめると制止させて軽く掻いてやっています)
アレルギーの出にくかったフード&水ですが、10年たつと加齢の影響もあり、「合わなくなった」のでしょうか?
これから気温が上がる中、アニマルネッカーを付けているのも、大きなストレスなんだろうなと思うと、何とかしてやりたいのです。
後足の爪切りはしていますが、強く掻くので「靴下」でも履かせたい気持ちです。(~_~;
同じような経験を克服された方、又はアニマルネッカーに代わるアイデアをお持ちの方、いらっしゃいましたらアドバイスをお願い致します。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
aryy_kさんもおっしゃるように、皮膚病というのは、実は獣医療の中でも大変に難しい分野のひとつなのです。だからこそ、私は知識と経験のしっかりした獣医の受診をお勧めいたします。私も言わんとすることはだいたいarryさんとほとんど同じです。もちろん、攻撃だなんて受け取りませんし、質問者の利益のために意見を出し合うことは非常に大切だと思います。また、そうした回答者が出てくることは私にとっても嬉しいことです。
私が言いたいのはつまり、「病気の本質は何か」これをきちんと理解して治療することが、とても大切だ、ということです。食餌に対する過敏症・アレルギーの場合、確定診断には除去食試験しか無いわけですが、家族構成や飼育環境によっては飼い主さんには相当な期間と労力を強いることになりますから、これを完了するのはそれほど簡単なことではありません。こうした場合はやはりなるべく原因を絞り込んで、食餌アレルギー・過敏症が「非常に疑わしい」という証拠を得ることがまず大切だと思います。
病気の正体としてアレルギーが非常に疑わしいと言うことになれば、自信を持ってアレルギーに対する検査、治療を行うことができます。当然一つの選択肢として、ステロイドも自信を持って処方できます。もちろん、安全に十分配慮して処方することが大前提なのはいうまでもありません。しかし万が一にも疥癬みたいな初歩的な問題を取りこぼしている可能性が残されている状況では、不安を抱えながら治療することになりますから、判断も苦しくなるでしょう。少なくとも排除すべき問題は確実に排除するべき、というのが私の考えです。それはなにもお金のかかる検査を全て行うべきだと言っているのではなく、掻爬試験など、最低限必要な検査を確実に行うべきだと言うことです(既に行っていれば、もちろん何もいうことありません)。
厳密な除去食試験は、たった一つの銘柄のフードしか口にしては行けないと言うことですから、いざ行うとなると飼い主さんにとって結構ストレスになる場合が多いものです。やはりそれなりに前もって証拠を集め、アレルギーの可能性を確認しておくことが、モチベーションを保つ上では大切だと考えます。
日本で行えるアレルギーの血清診断は、やはり特異性に関しては曖昧な部分を持っており、いろいろな検査項目の中で、あくまでも支持的なデータに過ぎません。稟告、皮内反応、血清診断、そして最終的には除去食試験の全てを総合して初めて診断するものです。
今回のご質問のケースに関して、食餌のアレルギー・過敏症の関与がかなり疑わしいことは、わたしも同意です。しかしいくつか抑えておかなければならない点を抑えるのが、次のステップへ進むためには必要でしょう。
そして主治医と納得行くまで相談し、獣医任せではなく、一緒になって検査・治療方針を決めていくことも大切だと思います。そのためには、飼い主さんもある程度病気について勉強することも必要でしょう。
掻く問題に関して、ネイルカバーは私も一つの選択肢としてお勧めします。参考URLをご参照ください。
参考URL:http://softclaws-jp.com/
nyanzowさん、はじめまして。
早々にアドバイスいただいて、ありがとうございました。
nyanzowさん、arry_kさんとお二方の(それも獣医師さん!)のアドバイスを頂けて、本当に嬉しかったです。
獣医師さんのお立場からのご意見、とても参考になりました。
除去食試験では、ボイルしたササミ、各メーカーのキャットフード等、一口も食べてくれずに途方に暮れた事を思いだしました。(T_T)
縁あって家族になった猫ですから、できるだけ快適に、最後まで一緒に暮らして行く為にも、飼い主がもっともっと勉強しなければと改めて思いました。
お二人が教えて下さったネイルカバーの存在は、全く知りませんでした!
是非取り寄せて、問題の根本解決までの補助として使わせていただきます。
ありがとうございました!
No.3
- 回答日時:
No.1でアドバイスさせて頂いた獣医師です。
今回はromano1213さんへのコメントではなくNo.2のnyanzowさんのコメントへの私なりの意見を書かせて頂きます。
(管理者さんに消されちゃうかも知れませんね・・・)
nyanzowさんの回答ももちろん正しいと思うのですが、今回のようなケースの場合、
(1)以前からフードによっては嘔吐が見られる
(2)腰背部や腹部、四肢端ではなく、頚部より頭側での湿疹・痂皮がメイン
(3)屋内のみでの飼育歴
以上の3点から考えてもやはりまずは食物による過敏反応を第一に考えて療法食による除去食試験を実施すべきではないでしょうか?
もちろんアレルゲンの特定は重要な事ですが、現段階での血清学的なアレルゲンテスト自体の信憑性が議論されている以上、皮内テストまで突き詰めて行わない限りはアレルゲンの特定は不可能に近いと私としては考えています。
ノミ、カイセンの除外も当然行うべきですが、先程も書いたように室内飼育であるということ、頚部が主病変であることを考えると、第一に疑うべきものと言えるでしょうか?(しかし、この点については病変部を見てないのでどちらが正しいとはいえないですね・・)
ノミアレルギーの影響を可能な限りなくすためにフロ○トラインは使用すべきだとは思います。
様々な検査を行って最終的に食物アレルギーが「疑わしい」程度にまでしか絞り込めないのであれば、むしろ飼主さんにとって検査費用というとても大きな労力が発生する方針を第一に選択するよりは、今回のケースのような場合は除去食試験を行って効果が出ない場合は皮内反応まで含めた精査を予定する、といったプログラムの方が現実的であるし、わざわざ高度医療機関に足を運ばなくてもどこの町医者にでも出来る汎用のきく治療プランではないかと考えますがどうですか?
nyanzowさんが経験されたような症例を私も多数見ていますが、その反対にどうしてもステロイドが切れない症例があることも事実ですよね。どこの病院もそのような症例を抱えています。飼主さんの主訴が「痒み」である以上は痒みに対するアプローチを外すわけにはいきません。とにかく痒みを止めない事には治療が先に進まないのではないでしょうか?「検査結果が出る間、痒いのは我慢して」では飼主さんの治療に対するモチベーションを維持する事は出来ないと思います。
皮膚科の場合、何が「正しい治療」なのかいつも悩んでしまいます。結果的に治ればそれは正しい治療と言えるのかも知れませんが、難治性の症例などは飼主さんと正面から向き合いながらあれこれ試行錯誤していく事も珍しくありません。獣医学的に正しい方法でも現実的には金銭的な問題やその他諸々の事情でそれ以外の治療を選択せざるを得ないケースも多々あります。
結局は大学病院に行ったり、高額な検査を実施する事が常に正解ではなく、獣医師と飼主が納得行くまで話し合えるかどうかに掛かってくるのではないでしょうか?
romano1213さん、貴重なスペースを私的に使用してゴメンナサイ。獣医師が二人集まっただけで2通りの考えが出てきてしまうのですから、多くの飼主さんが誰を信じていいのか分からなくなるのは当然ですよね。
(他の獣医さんの意見も聞きたいところですね。)
nyanzowさん、個人攻撃(そんなつもりは全然ないんですよぅ・・・)みたいになってしまってスイマセン・・。獣医学的な意見の相違でディベイトする事は必要ですよね?今回は一番大事な「飼主さん、患者さん本位」というルールを若干無視してしまった点については深く反省しています。これからもどこかで意見が分かれる事もあるかも知れませんが、よろしくお願いします。
長々と失礼致しました。
この回答への補足
arry_kさん、はじめまして。
早々にアドバイスいただいて、ありがとうございました。
arry_kさん、nyanzowさんとお二方の(それも獣医師さん!)のアドバイスを頂けて、本当に嬉しかったです。
獣医師さんのお立場からのご意見、とても参考になりました。
ひとつお聞きしたいのですが・・・。
「フロ○トライン」の使用について。
私も使用を考えたのですが、「高齢の猫には負担になる事もありますしね~」と言われて、使っていません。
負担がかからないのなら、是非使いたいのですが・・。
本当の所、こういう物で「負担のかかるもの」「かからないもの」という区分けがあるのでしょうか?
No.2
- 回答日時:
こんにちは。
まずは皮膚のかゆみの原因を特定するところから考えてみるべきでしょう。10年前と現在では、獣医学の水準も段違いに変わっています。特に皮膚科に知識と経験の豊富な獣医師を探されて受診されるといいと思いますよ。大学病院の紹介を受けるのもひとつの手段だと思います。
状況からするとやはりアレルギーの関与はありそうな感じましますが、大事なのは、本当にアレルギーなのかということと、他には何か病気が隠れていないのか。そこをはっきりさせてから治療を考えた方が間違いがないでしょう。また、アレルギーの関与が分かった場合でも、アレルゲンが何であるかをできるだけ特定することが欠かせません。食事やハウスダストなど、闇雲にアレルゲンを排除しようとするのは、飼い主さんにとって労力がかかり、ストレスも大きいものです。できるだけターゲットをはっきりさせたほうが、長い目で見た場合に効果が上がると思います。
顔のあたりを特に痒がる様子ですが、このばあい、まず考えなければならないのはノミとかいせんです。かいせんは皮膚の奥の方に潜り込む寄生虫ですから、検査に引っかかりにくいため、3回は調べる必要があります。そのいずれにも陰性だった場合は、食餌に対するアレルギー・過敏症をふくめて、そのほかの皮膚病が疑われます。近年発売された処方食には、アレルゲンを徹底的にカットした食餌もあります。
私の患者さんでの経験ですが、今まで顔がボロボロだったネコさんが、いろいろな検査の結果最終的に食餌アレルギーが疑われましたので、食餌をその処方食へ変えたとたんにうそみたいにきれいになったことがあります。このように、皮膚病は、できるだけ原因をはっきりさせること、そしてその原因をしっかり見据えた治療をすることが解決のためにとても大切なのです。闇雲にあれこれ手を変えても、なかなか正しい治療へはたどりつきません。
No.1
- 回答日時:
獣医師です。
症状から推測すると「食物アレルギー」の可能性は高いと思われます。
アレルギーである以上「完治」という状態に持っていく事は困難なケースが多いのですが、色々な手段を使って「コントロール」する事は可能です。以下にいくつかその方法を列挙してみますと
(1)フードの選択(動物病院で使用される療法食も含める)
(2)薬剤の使用(抗ヒスタミン剤やステロイドといったいわゆる「痒み止め」です)
(3)食べ物以外のアレルギー物質を可能な限り排除する(具体的には確実なノミ予防など)
(4)後ろ足の爪で傷を作ってしまう場合はゴム製の「ネイルカバー」を使用したり、時として爪を手術で抜いてしまう処置をする
などが考えられます。
いずれにしても皮膚科に関心がある獣医師と相談しながら方針を決定していった方が良いと思います。
皮膚病は慢性経過をとっているケースが多いので、気持ちをゆったりと構えてじっくり治療していかれてはどうでしょうか?
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