私は共産主義と宗教、両方とも詳しく知りませんが、共産主義をつくったマルクスが「宗教は麻薬だ」というようなことを言ったと聞きました。
もともと共産主義は宗教を否定する考えなのでしょうか?
ソ連の時代、キリスト教が弾圧されたと聞きましたが本当でしょうか?少しだけネットで調べたのです
がそのようなことがあったと書いてありました。
中国でも政府がチベットを弾圧するブラッドピットの映画をDVDで観たことがあります。
私は現在のところ、特定の神様や仏様を信じていませんが、初詣のときなど、神社やお寺に行ったときは拝んでしまいます。
神様や仏様を信じるかどうかは自由だと思うのですが、共産主義は、なぜそれを否定するのでしょうか?
すみませんがお教えいただけましたら、助かります
よろしくお願いいたします。
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
マルクスの思想の中で最も誤解されている言葉の一つですね。
この言葉は,『ヘーゲル法哲学批判・序説』の中の一節で次のように書いています。
「宗教上の不幸は、一つには現実の不幸の表現であり、一つには現実の不幸にたいする抗議である。宗教は、なやめるもののため息であり、心なき世界の心情であるとともに精神なき状態の精神である。それは民衆のアヘンである」
因みに,マルクスが生きていた当時は「アヘン」は別に麻薬ではありませんでした。(今の日本で言えばタバコみたいなもの)
その中毒性などが指摘され,危険性の警鐘が鳴らされていましたが,未だに医療用として使われたりしていました。(あと,「宗教はアヘン」という表現は,ヘーゲル主義者の常套句だったそうです)
宗教(特にキリスト教)は現実の困難に対して忍耐を求めます。
そして,国家権力の基に民衆を縛り付ける道具に成り下がっていました。(政治的に保守勢力と宗教は緊密な関係にあった)
その一方で,人々は宗教を精神的な支柱として縋っていました。
そうした宗教の有り様が,民衆を(慰めはしているが)革命を妨げているとして,当時その中毒性や危険性の声が高まっていた「アヘン」という比喩を使ったわけです。
マルクスは無神論者でした。
ですが,宗教の持つ一定の役割については理解を示していました。
そして,批判すべきは宗教ではなく,宗教というフィルターによって見えにくくしている「実態=人間疎外の状況」についてであると述べています。
そしてこの人間疎外の状況を脱するため,プロレタリアート(無産階級)という(経済)階級に注目します。
この階級が革命(必ずしも暴力革命ではない)によって他の階級から自らを開放し,同時に他の階級の人々もそこから開放させなければならないとしました。
こうした一連の革命は,主に仏英からは若干遅れていたものの,資本主義経済が発展しはじめた独によって行われるべきと考えていました。
ロシアなんてド田舎は,まだまだ後進国なんだから革命の段階になんか来てないよ~とも思ってました。
というわけで,マルクスは無神論者であり,宗教に対して積極的な評価は行っていませんが,逆に積極的に排斥したわけでもありません。
ただ,宗教というものを心の拠り所としなければならない民衆に一種の哀れみのようなものを持っていました。
マルクスが宗教を批判した時,それは保守政治勢力に取り込まれた政治的宗教勢力であって宗教そのものではありませんでした。
ところが,これを盛大に誤解・曲解をなされたレーニンさん。
レーニンは幼少の頃より権力側と癒着していたロシア正教会が堕落しているのに憤慨していました。
そんな背景から、革命で打ち倒す先を政府とロシア正教会に定めたわけです。
これは仕方ないんです。
だって,マルクスが仮想敵視ていた(資本主義で肥え太った)ブルジョワジーがロシアには居なかったのですから。
レーニンさん,マルクスをもじって「宗教は毒酒である」ってのを残しています。
こっちは敵意むき出しですね。
で,これがマルクスが言った「宗教はアヘン」という表現と混ざってマルクスは宗教弾圧したという誤解に繋がってます。
宗教弾圧には必ず「政治的意図」が絡んでいます。
それは別に共産主義者の専売特許ではありません。
例えばイスラエルのユダヤ教はイスラム教や他のキリスト教を弾圧していますし,イスラム原理主義の濃い地域では他の宗教が禁止されたりしています。
日本だって,歴史を見れば織田信長や徳川家康に取り潰されたお寺や神社なんかも沢山ありますしね。
長文・乱筆失礼しました。
参考になれば幸いです。
ご回答、ありがとうございます。
マルクスが生きていたころのアヘンは、たばこのようなものだったのですね。
知りませんでした。
「宗教はアヘンである」という言葉は、もしかしたら、その時の共産主義を邪魔だと考えた支配者が意図的に民衆が誤解するように喧伝したのでしょうか。
キリスト教は国家権力のもとに民衆を縛り付けつる道具に成り下がっていたのですね。民衆に忍耐を求めるために。現実が理想通りになってないのは、共産主義だけではないと思えてきました。
マルクスは無神論者だったのですが、積極的に肯定はしていませんが積極的に否定はしていなかったのですね。
これを誤解・曲解したのはレーニンだったのですね。「宗教は毒薬」という言葉は、たしかに敵意むき出しという感じがします。
よくマルクス・レーニン主義という言葉を聞きますが、一緒にしてはいけないような気がしました。
だけど、権力と癒着していたロシア正教もかなりひどいことを、もしかしたらしていたのでしょうか?
ロシアにはその当時、ブルジョアはいなかったのですね。かなり遅れていた国だったということも知りませんでした。
宗教弾圧は、確かに共産主義者の専売特許ではないと思いました。
日本も豊臣秀吉がキリスト教を弾圧したこと、織田信長が一向宗だったでしょうか?弾圧したことを歴史の時間に習いました。
共産主義国に関係なく政治的に宗教が邪魔だと思えば弾圧するのですね。
いろいろお教えいただきありがとうございました。
心から感謝いたします。
No.9
- 回答日時:
「前衛党の無謬(むびゅう)」あるいは「無謬の党」といいます。
池上彰氏が要約した言葉ですが、以下が解りやすいかと思います。
「マルクス・レーニン主義は科学的社会主義である。科学的ということは、正しいということである。ゆえにマルクス・レーニン主義の党は正しい。正しい党が選出したリーダーは、もちろん正しい。リーダーは正しいのだから、その指示や命令によって行われることも正しい。」
「正しいんだから正しいんだもん」と言っているだけで、なんでこんなレトリックが通るのか理解できないかと思いますが、日本の共産党や新左翼も以前は同じ事を言っていたのです(最近はさすがに恥ずかしいと見えて言いませんが、撤回はしていないはずです)。
絶対的に正しい党にとって、もうひとつの絶対的価値である神や信仰は相克する存在です。ですから、積極的に認めることはあり得ませんし、弾圧に出るのもその文脈で言えば当然のことです。
ご回答、ありがとうございます。
前衛党の無謬、無謬の党という言葉、初めて知りました。
自分の党だけが正しい、よく言われる独善的という感じは、そこから生まれるのでしょうか。
絶対的に正しいと思っていれば、絶対的価値である神や信仰は相克する存在になるということなのですね。
確かに、この文脈でいけば弾圧に出ると思います。
いろいろお教えいただき、ありがとうございます。
No.8
- 回答日時:
厳密に言うと判りにくくなるので大まかに説明します。
というか固まった定義など無いと私は思っているんですけどね。共産主義というのは絶対的平等を主張する物です。でもそんなのは理想論でしかなく、その実態は一部の権力者の専横ということに尽きます。一権力者の下での全体主義です。しかしこれは宗教も同じですね。ローマ法王の下での全体主義がキリスト教の基本です。しかし民主主義や自由主義の台頭によってそれが崩れているだけです。
共産国家において宗教の存在は双頭の蛇になってしまいます。なので宗教を弾圧したに過ぎません。
その結果ソビエトでは政治とは関わりのない部分での信仰だけを許されました。初期には完全に抹殺される可能性もありました。日本でも鎖国は諸外国との摩擦を防ぐためであり、その大きな理由はキリスト教による双頭の蛇状態を防ぐための物です。だから信長は政治に関わらない事とを条件に布教を認めたわけです。でも生き方に対する姿勢が違うので結果てきに禁止されたわけです。
さらに中国では儒教と共産主義が一緒になりました。儒教では偉い人以外は考えてはいけない。逆に偉い人は働いてはいけないというのが教えです。だから偉い人は歩く事ともほとんどしませんでした。だから朝の洗顔も着替えもお付きの人がするんです。つまり農民は働くので身分が低いわけです。自分達身分の高いものだけが考えればよく、他の者は考えずに働けばよい。
共産主義は本来はすべてが平等ですが、中国に入ってきたときには既に一部の権力者の下での平等という形になります。
つまり権力者は自分であり他の者は考えてはいけない。権力者以外の農民にとってはみんなが等しく平等であるという甘い蜜でもあるわけです。だから農業国や貧しい国で共産主義が広まったのです。
ところが学者は身分が低いのに考える。これは儒教の教えに反します。変貌した共産主義にも反します。いつ誰が長になるか判らないのは困る。台頭されては困る。
また宗教も生き方や自分のあり方を知るための教育ですし認めればもう一つの共産主義の台頭になりますから、共産主義者の権力者にとっては自分を脅かす敵になります。だから共産国家では学者と宗教を弾圧したのです。
ご回答、ありがとうございます。
共産主義は、絶対的平等を主張するものなのですね。でも現実は北朝鮮などをみても一部の権力者の専横という気がします。確かに全体主義です。
宗教が民衆に広がると双頭の蛇になってしまうのですね。双頭の蛇という言葉、初めて知りました。とても分かり易い言葉ですね。
だから、弾圧したのですね。
日本もキリスト教を禁止したのは、双頭の蛇状態を防ぐためだったのですね。
私は儒教の教えを全然知りませんが、中国は共産主義と儒教の教えを一緒にして、権力者の都合のいいように変えてしまったのですね。中国って日本より格差があって不平等のように見えます。
いろいろお教えいただき、ありがとうございます。
心から感謝いたします。
No.6
- 回答日時:
”もともと共産主義は宗教を否定する考えなのでしょうか?”
↑
そういう傾向はあります。
1,私を動かすのは誰だろう。
それはなにあろう、自分自身だ、という考えもありますが
ヘーゲルは、それは結局は神だ、とした訳です。
しかし、マルクスは、ヘーゲルを基としながらも
それは神ではなく、人間間の力関係
に過ぎないとしました。
社会主義、共産主義がマルクスを基本にしている限り
この時点で、宗教とは相容れないということになります。
2,宗教というのは支配者が人民を統治する技術と
して利用してきた、という歴史があります。
その支配者というのは、王侯貴族であり、資本家で
あったのです。
だから、王侯貴族や資本主義を否定する社会主義、
共産主義では、宗教を排斥しようとするのです。
”ソ連の時代、キリスト教が弾圧されたと聞きましたが本当でしょうか?”
↑
はい、本当です。
ただ、ソ連も、宗教を押さえ切ることは出来ず、
渋々認めていた感はあります。
ご回答、ありがとうございます。
私を動かすのは、ヘーゲルは結局神だと言ったのですね。そして、マルクスは、私を動かすのは神ではなく人間間の力関係にすぎないと言ったのですね。マルクスの人間関係の力関係にすぎないという意味は難解で少し私には難しいです。
宗教は支配者が人民を統治する技術として王侯貴族や資本家が利用してきたのですね。
こちらも本来の宗教が目指すべきものとは違うような気がしますが、王侯貴族や資本家が統治するために利用した宗教を共産主義が宗教を排斥するということは、なるほど・・・と思いました。
ソ連は宗教を抑えきれず、渋々認めていたのですね。
いろいろお教えいただきまして、ありがとうございます。
心から感謝いたします。
No.5
- 回答日時:
誤解です。
マルクスは確かに「宗教は麻薬(アヘン、毒酒)だ」と言いましたが、それは宗教否定や宗教への攻撃を目的としたものではありません。
2つ意味があります。
1つは、「宗教は民衆にとって必要不可欠なものだ」という意味です。
当時、アヘンは現在のたばこのような扱いでした。今では厳しく制限されてますが、当時はみんな普通にたしなんでいたのです。酒やアヘンやたばこは、摂取しても何も体にいいわけではないが、それを取り上げられると民衆は憂さ晴らしの手段を失い、かえって悪い状況になる。宗教のそのような存在だと指摘したのです。
2つめは「宗教は民主主義を阻害している」という意味です。
「アヘンは摂取しても体にいいわけではない」という意味にもつながるのですが、当時カソリックやプロテスタントの思想的民衆支配は民主政治や選挙にも大きく影響していました。
現在のアメリカでもキリスト教原理主義が政治や選挙に大きくからんでいることと同じです。「共産主義は、高度な民主主義と資本主義の発展の上に築かれる」と考えていたマルクスにとって、こうした教会の支配は邪魔だったのです。
乱暴に要約すれば、「宗教は個人や家族で信じるのなら素晴らしいものだが、社会や経済に口をだすのが害悪にすぎない」とマルクスは「宗教は麻薬(アヘン)だ」という表現で説いたのです。
ところがロシアや中国や北朝鮮では、そうした意味を改ざんし、文字通り「信仰心は罪悪だ」と宣伝し、宗教を弾圧、排除し政治思想と個人崇拝を強要したのです。
しかし、ロシア正教と儒教は当時確かに権力者とつるんで民衆を支配していたので、共産主義者の宗教排除は彼らの目的達成のためにはしかたのないことでした。
ここに「マルクスの理想(机上の空論)」と「ロシアや中国の現実(アジア的慣習)」の分裂が起きたわけです。
理想的な平等社会をめざすマルクス主義は、言い換えれば全ての宗教が目指す社会でもあるのですが、その両者とも実際に人間が実行しようとすると、とんでもなく醜悪な状況になっていくのは皮肉なものです。
ご回答、ありがとうございます。
宗教はアヘンだという言葉は、宗教へ否定や宗教への攻撃を目的とした言葉ではないのですね。
当時、アヘンは煙草のようなあつかいだったということを知りませんでした。
マルクスは宗教は煙草やお酒のようなものだといったのですね。
宗教が民主主義を阻害することがあるというのは、現在の中東の状況をみるとわかるような気がします。
マルクスもそのようなことをいったのでしょうか。
宗教が政治や経済に必要以上に口を出すのは、確かに害悪にすぎないと思います。
私はマルクスがロシア、中国、北朝鮮のように信仰心は罪悪だというような意味で言ったのだと思っていました。そして、共産主義という思想を強要したものだと思っていました。
もしかしたら、ロシア正教も権力者とつるんでいて、ひどい状態だったのでしょうか。
マルクスの理想とロシアや中国の現実との分裂なのですね。
マルクス主義とは、共産主義は高度な民主主義と資本主義の発展の上に築かれて、理想的な平等社会を目指していたものなのですね。
だけど主教と同様、共産主義も、現実には人間が実行すると現状のように醜悪なものになってしますのですね。
とても考えさせられました。
いろいろお教えいただきありがとうございました。
心から感謝いたします。
No.4
- 回答日時:
こんにちは。
共産主義は主張を基にしています。
主張は論理的に裏打ちされたものでなければ主張になりません。
各宗教に於いての主張はマチマチで論理性のある裏打ちもマチマチ
ですが、論理的にとても耐えられるものではありません。
そこを、政治を邪魔する恐れの宗教を弾圧する事に使用して、
全て排除することは当然な事として行われたのです。
ロシア正教はロシア国家の為の宗教ですから、弾圧はされません。
話は飛んでしまいますが、
日本人のほとんどの方はご自分が論理的であり、主張はしている
と思っていますが、両方出来ていません。苦手なのですが気付いて
居ません。
科学的共産主義とは無縁な旧ソ連、今中国はご質問の骨格を成しては居ない
と思ってください。
宗教はその人の心の問題です、論理的である必要はないと私は思っています。
ご回答、ありがとうございます。
ロシア正教はロシア国家のための宗教なので弾圧されなかったのですね。
私は自分を論理的と思っていない方だと思います。とても苦手です。
いろいろ勉強して、論理的になれたらいいなと思います。
宗教は、その人の心の問題で、論理的である必要はないというご意見、とても論理的でいいなと思います。
いろいろお教えいただきまして、ありがとうございます。
心から感謝いたします。
No.2
- 回答日時:
マルクスの真意がどうだったのかは解りませんが現代の宗教という物を見て頂ければ解る通り本来宗教が進むべき道を逸脱していると考えたのではないでしょうか?
信者は精神の苦痛を和らげるために信仰に頼るが教えを唱える側はどうでしょう?
立派な洋服を来て立派な寺院を建てて
あまりにもマルクスの考える平等とは程遠いと思われませんか?
それでも信者は宗教にすがり心の安らぎを求める
ただ現実には完全否定には至っていないようです
ロシアにはロシア正教というかなり権力の有るキリスト教が有りイスラム教も盛んです
中国も仏教が消滅したわけでもなくキリスト教すら存在します
数少ない現存する共産国のベトナムはどうでしょう?ほとんどの国民が仏教徒ですし
かつて共産主義だったラオスに至ってはタイやチベットに匹敵するほどの仏教大国です
その事実を見る限り宗教の弾圧はされていないようです
あなたの言うチベットですが
あれは宗教の弾圧というよりチベットの坊主がチベットの政治に対する力が大きいからで、宗教の弾圧ではありません。
政治的圧力と考えた方が良いでしょう
ご回答、ありがとうございます。
確かに共産主義だけではなく、宗教も進むべき道を逸脱している宗教が多いのかもしれません。
お葬式に出たことがありましたが、お坊さんにすごく高いお金が必要だったとか聞きました。
精神的に苦しんでいる人は、苦しみを和らげるために宗教に頼る気持ちはわかるような気がします。
教えを唱える方が立派な洋服を着て、立派な寺院を建ててというのは、私も少しおかしいような気がします。
ベトナムは、ほとんどの国が仏教徒なのですね。
チベットは、宗教の弾圧ではなく、政治的な圧力なのですね。
チベットのお坊さんは、チベット政治に対する力が強いから弾圧されたのですね。
いろいろお教えいただき、ありがとうございました。
心から感謝いたします。
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