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試薬の添付書やネットの資料など検索してみたのですが、原因不明の直接ビリルビンの低値に困惑しています。溶血や分析器の設定など見直したのですが、0.00の頻出に戸惑っております。なにとぞヒントをください。勉強不足をお許し頂いた上で、お手伝いお願い致します。

A 回答 (1件)

【T-Bil】が低値で疑うべき疾病には少なく、鉄欠乏性貧血が上げられる程度で、健診などでも低い場合には問題は無いとされています。

しかし最近では、【T-Bil】の低値が好ましくない影響を及ぼすことを指摘する、下記等のレポートが報告されています。
2型糖尿病か心血管疾患の可能性があるようです。

○ 2型糖尿病患者における細小血管障害や大血管障害合併との関係〔*1〕◾糖尿病性網膜症が見られなかった100人では総ビリルビン値が0.81±0.38mg/dLだったのに対し、
網膜症が見られた71人では0.70±0.23mg/dLと有意に低かった。
◾糖尿病性腎症が見られなかった104人では総ビリルビン値が0.81±0.38mg/dLだったのに対し、
腎症が見られた67人では0.70±0.28mg/dLと有意に低かった。
◾脳梗塞の既往がない144人の総ビリルビン値が0.79±0.34mg/dLだったのに対して、
脳梗塞既往例27人では0.62±0.17mg/dLと有意に低かった。
◾末梢血管障害の既往がない155人では0.78±0.34mg/dLだったのに対して、
末梢神経障害既往例では0.58±0.17mg/dLと有意に低かった。
◾冠動脈疾患の既往がない100人では0.78±0.34mg/dL、
 冠動脈疾患既往例71人では0.69±0.24mg/dLで、
有意ではなかったものの既往例で低い傾向にあった。
◾糖尿病性網膜症と糖尿病性腎症に関する多変量解析を行った結果、
性(女性)がオッズ比〔*3〕 4.419、
糖尿病罹病期間がオッズ比 1.089、
収縮期血圧がオッズ比 1.026、
喫煙歴がオッズ比 3.643 とともに、
総ビリルビン値はオッズ比 0.290 と、
有意な発症に関わる因子として見いだされた。
◾大血管障害に関する多変量解析を行った結果、総ビリルビン値だけが有意な因子として見いだされ、オッズ比は0.235だった。
◾「ビリルビンは抗酸化作用があると考えられており、ビリルビンが少なくなることで血管障害につながる可能性が考えられる。ただ神経障害と総ビリルビン値に相関が見らず、神経障害の発症は網膜症や腎症とは違う機序かもしれない」と考察した。

○ 心血管疾患〔*2〕◾ビリルビン濃度の最低レベル層の男性に比べると、最高層では虚血性脳卒中の相対危険が低下している。
◾血清ビリルビンの0.1 mg/dL(1.7 μmol/L)の増加は、末梢血管疾患(PAD)の6%の減少に結びつく。
◾ビリルビンの0.1 mg/dL(1.7 μmol/L)の増加は、頚動脈プラークの3.7%の減少になることが示されている。
◾血清ビリルビンの1.0 μmol/L(≒0.06 mg/dL) の増加は、心血管疾患(CVD) リスクを6.5%は低下することを示している。

http://gpatalks.blog.so-net.ne.jp/2012-11-15-MD
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この回答へのお礼

大変詳しいデータありがとうございました。こんなに早く、また専門的なお答えをいただいてとても嬉しいです。原因究明の参考にさせていただきます。機会がありましたらまたいろいろ教えて下さい。

お礼日時:2013/12/19 08:38

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