
コトバンクによれば
武鑑の用語解説 - 江戸時代,諸大名の氏名,本国,居城,石高 ,官位,家系,相続,内室,参勤交代の期日,献上および拝領品目,家紋,旗指物,重臣 などを掲載した小型本。
「献上および拝領品目」が記載されていますが、これはどのような目的で載せているのですか。
必要だから、あるいは要求があるから載せているはずですが、どこそこの大名が何を献上し、何を拝領したかを知ることは、大名同士の付き合いでは重要である、ということですか。
それを知って、何をしようとしたいのですか。
この情報はどこで仕入れてくるのでしょうか。
よろしくお願いします。
No.3
- 回答日時:
江戸時代がまだ近代ではなく、私有財産制度が確立していない事がキモです。
私有財産制が確立すると、貰ったものは貰った人がどう処分しようと勝手です。
私有財産制が確立していない場合、貰ったものにはあげた人の権利が残ります。
中世においては、これが当たり前で「悔返」が基本です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%82%94%E8%BF%94
では江戸時代の拝領品はどうかというと、将軍から貰っても将軍が「ああ、そういえばあれ、どうなっている?見せてくれるかな」とか「返してくれない?」と言われたら拒否できません。
拒否することは、一戦構える覚悟が必要です。
大名側の安全保障とすると「武鑑に書いてあるものは、拝領しましたが、他は拝領していません」という保証書となります。
仮に武鑑に書いてない拝領品を見せろと言われても、幕府の公式文章に「拝領していません」とあれば、問題が生じない。
献上品で知っている例では、津軽藩の鷹の献上品で説明すると
基本:将軍への献上品
老中など有力者が「ついでに、僕にもくれ」とおねだりしたそうです。
大名スタンスで言うと「うちんとこで、贈答品に使えるのはこういった品目でございます」というメニュー出しとなっております。
ご回答ありがとうございます。
>大名側の安全保障とすると「武鑑に書いてあるものは、拝領しましたが、他は拝領していません」という保証書となります。
>仮に武鑑に書いてない拝領品を見せろと言われても、幕府の公式文章に「拝領していません」とあれば、問題が生じない。
なるほど、こんな見方もあるのですね。参考になりました。
武鑑の出版者の出雲寺は、幕府の書物方に属し、紅葉山文庫(将軍の文庫)の運営や昌平坂学問所の編纂物の出版にもたずさわったそうですから、公式でなくとも幕府公認と言えるかもしれません。
献上品、拝領品まで暴露しているのに、発禁処分になっていませんから。
他家が何を献上して、何を拝領したのかを知って、では自家ではもっと良いものを贈ろうとしたのか、それが疑問です。
家格でほぼ決まっているとすれば、他家が抜け駆けしていないことをチェックできますね。
しかし、暴露されることが分かっていますから、真の献上品は裏口でこっそりが常識だったのかも。
多くの回答を頂きましたが、どれも皆正解のような気がしています。
No.2
- 回答日時:
武鑑は民間で発行された本で、要はマニア本です。
発行・改訂は年一回で、最新の情報を常に追えていた訳ではありませんでした。
ぶっちゃけ吉原細見と同等レベルの案内本です。
項目は時代が下る毎に細かくなり、知識欲と購買欲を満たす為に努力したのが伺えます。
どの様に情報を入手したかは判りませんが、毎年の発行ですから、出入りの商人等と繋がりを持ち、そこから聞き出したのでしょう。
江戸時代は大名同士の付き合いは公儀から厳しく制限されており、謀反の疑いを避ける為に、個人的に他の大名家を訪問する等の付き合いと言う物は、ありませんでした。
その代わりの情報収集の場として、「江戸留守居役」同士の「寄り合い」が定期的に行われており、ここで互いに自分の知り得た情報と必要な情報交換や交流を行い、公儀への対応を取っていました。
仮にこの寄り合いで八分にされたら、普請役等が回ってくる確立が跳ね上がるので、どの国も必死でした。
こういった現場組にとっては、年一の武鑑の情報スピードでは、公儀への対応には役に立ちません。
あくまでコミケ本です。
ご回答ありがとうございます。
>ぶっちゃけ吉原細見と同等レベルの案内本です。
>項目は時代が下る毎に細かくなり、知識欲と購買欲を満たす為に努力したのが伺えます。
>あくまでコミケ本です。
なるほど、知識欲と購買力を満たすため、つまり“売らんかな”のコミケ本と思えばよいのですね。
献上品、拝領品は、「江戸留守居役」同士の「寄り合い」であれこれと話題にできる格好のネタと言えますね。
No.1
- 回答日時:
kouki-koureisyaさん、こんばんわ。
天下泰平になって、大名の将軍への拝謁はその大名にとって重要な儀礼です。その時に大名が何を献上し、何を拝領したかを知ることは将軍家とその大名家との親近感を感じるうえで重要です。また、そのことを宣伝することで大名家の家格を誇示したのです。だから、どの大名が何を贈ったか知ることは重要でした。また、家格によって献上品や拝領品が決められている場合がありますが、献上品の場合、所領の特産物の場合もありました。
この情報はどこで仕入れてくるのでしょうか。
そのことについては下記のURLを参照してください。
武鑑
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A6%E9%91%91
ご回答ありがとうございます。
>天下泰平になって、大名の将軍への拝謁はその大名にとって重要な儀礼です。
>その時に大名が何を献上し、何を拝領したかを知ることは将軍家とその大名家との親近感を感じるうえで重要です。
ウーン、なんとなく分かりますが、どうもすっきりしませんでした。
申し訳ありません。
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