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電磁気学勉強中の初心者です。
トランスのコアが直流磁化した場合、高域が減衰する場合と低域が減衰する場合があるとよく見るんですが、誘導リアクタンス2πfl〔Ω〕で周波数が高いほどインピーダンスが高くなるから高域が減衰するのはわかるんですが、なぜコアが直流磁化して低域が落ち込むことがあるんでしょうか?原理を教えてください。

それと、コアの磁束飽和や直流磁化、それによるトランス巻線部分のインダクタンス、リアクタンス変化の関係性も教えて下さい。

A 回答 (4件)

> 出力トランスだけでなく、ライントランスなどにテスター(直流)当てたら問題になるという事が疑問の発端でした。


ライントランスで使用時に直流印加が無ければ、テスターによる直流磁化なんか使用中に消磁されるから問題ありません。
使用時に直流印加があるライントランスだったら、最初から対策されているんで問題ありません。
問題は使用中に消磁されないヤツで、昔のブラウン管式カラーテレビのシャドウマスク等です。
シャドウマスクが磁化されると色ずれが起きるため、昔のブラウン管式カラーテレビには必ず消磁器が組み込まれていました。

> 難しいですが頑張って勉強します。
問題はどのように勉強するかです。
お勧めは、こんな測定器を使って実際にトランス使った回路を組んで実験することです。
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-07738/
もし学生だったら、$159.00で入手できます。
http://www.digilentinc.com/Products/Detail.cfm?N …
これ使えば、周波数特性(ネットアナ使用)、歪み率(FFT使用)も測れます。
また、トランスのB-Hカーブはこんな風に測れます。
http://hirachi.cocolog-nifty.com/kh/files/200708 …
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この回答へのお礼

ありがとうございます。オシロは持ってますが、この測定器も良さそうですね、興味あります。ちょっと高いですが(笑)。

お礼日時:2014/11/10 09:02

> 高域が減衰というのは磁化云々関係なくコイルの性質でした。


コイルは高域が減衰するわけではなく、インピーダンス(正確にはその絶対値)が上昇するだけです。
出力トランスのように等価的に負荷と並列に入る場合は、出力電圧(電力)の高域は上昇し減衰しません。

「ヒステリシス特性」云々とゆう人もいるようですが、これはB-Hカーブ上に動作軌跡を描けば一発でわかります。
回路設計では、鉄芯入りトランスやコイル等の場合、B-Hカーブ上に動作軌跡を描きます。
そうするといろんなことがわかってきて、設計に役立ちます。
ここにはトランスの歪み特性が載ってますが、100Hz以下で極端に悪化していることがわかります。
http://www.op316.com/tubes/lpcd/trans-dac.htm

この理屈は、電磁気学の教科書に載ってる式
rotE=-∂B/∂t または ∇×E=-∂B/∂t
により理解することができます。
上式をトランスの動作に当てはめて簡単にすると(電磁気学の教科書とは方向が逆)、
V=-d(SN)/dt
ただし、S:鉄芯の断面積、N:巻き数
∴ΔB=(1/SN)∫Vdt
ただし、ΔB:磁束密度の変化範囲
ここでVを正弦波とすると、
V=√2Vsin(2πft)
ただし、f:周波数
∴ΔB=V/(√2πfSN)≒V/(4.44fSN)
このことから、磁束密度の変化範囲ΔBは、周波数が低いほど、鉄芯の断面積が小さいほど、巻き数が少ないほど高くなることがわかります。
磁束密度の変化範囲をB-Hカーブ上に描けば、動作軌跡がわかります。
上記実測特性で、周波数が低いほど歪みが多くなるのはこれが理由です。
なお、春日無線変圧器や東栄変成器は鉄芯が珪素鋼板で、他はパーマロイと思われますが、鉄芯が異なればB-Hカーブも異なるから、低域で低歪みのトランスを作るときは鉄心の材質にも注意が必要です。
なお、上記実測特性には直流磁化が載ってませんが、直流磁化のレベルを変えて歪み率を測定すれば、面白いことがわかるかも知れません。
とゆうのは、コイル型磁気センサの場合、直流バイアス(直流磁化のこと)を加えることも行いますから。
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この回答へのお礼

大変参考になりました。出力トランスだけでなく、ライントランスなどにテスター(直流)当てたら問題になるという事が疑問の発端でした。難しいですが頑張って勉強します。

お礼日時:2014/11/09 18:07

 電磁気に詳しいわけではないので、定性的なことだけ。



>周波数が高いほどインピーダンスが高くなるから高域が減衰するのはわかるんですが

 これは「リアクタンス」の特性そのものであって、それを設計に使う以上、設計で想定していない「高域での落ち込み」とは意味が違います。

 「トランスのコアが直流磁化した場合」には、要するに設計で想定していない「ヒステリシス特性」が発生する訳で、入力に対する出力特性が想定しない「非線形特性」になるということです。
 通常、高域には「高調波成分」が乗ることになると思います。これは「減衰」とも「増幅」とも異なる「雑音」や「歪」ということです。
 低域には、新たな成分が付加されるというよりは、入力に対して正規の出力が得られないという意味ではやはり「減衰」なのでしょう。「非線形特性」ですから、解析的には求まりません。

 また、回路においては、その素子を「直列」に接続するか(通過型)、並列に接続するか(バイパス型)によって、回路全体では「特定の周波数を通過させる」ように働くか、「特定の周波数をカットする」ように働くか、ということですから、「特定の素子のインピーダンスが高くなる」ことと「回路全体のインピーダンスが高くなる」ことはイコールではありませんので、要注意です。
(ご質問の場合は、アンプの出力トランスを対象にしているものと想像しますが)
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この回答へのお礼

ありがとうございました。勉強になりました。

お礼日時:2014/11/09 13:24

> トランスのコアが直流磁化した場合、高域が減衰する場合と低域が減衰する場合があるとよく見るんですが、



「高域が減衰する場合」って見たことがないんですが、どこにありますか?

「低域が減衰する」のは次の理屈です。
トランスに直流を流すと、B-Hカーブ(電磁気学の教科書読んでね)上で、HはI(電流)に比例するから、動作領域がゼロ中心から右上(左下でも可)に移動し、飽和(H増えてもB増えない)領域にかかるようになります。
B=μH(電磁気学の教科書読んでね)だから、μ(透磁率)が低下したことになります。
ところでインダクタンスLはΦ=LI(電磁気学の教科書読んでね)で、Φ=BS(電磁気学の教科書読んでね)だから、Iの変化に対して、BつまりΦの変化が小さくなるとゆうことは、Lが小さくなったとゆうことになるわけです。
トランスのインダクタンス(正確には励磁インダクタンス)は負荷RLと並列に入るから、低域では電流がLに流れRLに流れなくなって出力が低下するわけです。
ここに低域等価回路での説明があります。
http://ayumi.cava.jp/audio/pbw/node1.html
出力トランスについてはこちらをどうぞ。
http://ayumi.cava.jp/audio/pctube/node22.html
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この回答へのお礼

ありがとうございました。高域が減衰というのは磁化云々関係なくコイルの性質でした。
低域が減衰する理由が知りたかったです。大変参考になりました。

お礼日時:2014/11/09 12:52

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