お世話になります。
お手すきの時に回答いただければ幸いです。

引換給付判決の既判力は、引換給付部分には及ばず、訴訟物にしか及ばないと思うのですが、
仮に前訴で引換給付判決が言い渡されて確定した場合に、無条件の勝訴判決を望む原告が
後訴提起した時に、前訴基準時後に新たな事由の変動が無い場合、
裁判所は、(民事訴訟という学問の理論からは)どのような判決を下すべきなのでしょうか?

例えば前訴の訴訟物が建物明渡請求権で、立退料支払(引換給付)を条件に認容された場合で、
後訴において再度、同一原告が同一被告に建物明渡請求権を提起した場合の、
後訴の裁判所の判決内容について、どうすべきかご教示ください。

宜しくお願い致します。

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A 回答 (2件)

 話はちょっとややこしいですが、引換給付判決を受けることによって確定される権利は、例えば売買代金債権では、当該債権が同時履行抗弁の付着した債権であること、建物の明渡請求権であれば、それが立退料の提供を受けることによって発生する条件付き権利(正確に言えば、立退料を提供することによって初めて有効になる解除の意思表示をすることによって生じる建物明渡請求権)であることです。

既判力の内容は、このようなものとして生じるわけです。

 ですから、質問の場合において、後訴において建物明渡請求権の発生原因として前訴と日時態様において同じ解除の意思表示を主張するのであれば、後訴(仮にそれに訴えの利益があるとされた場合)においても、証拠調べの必要のある場合であっても、前訴の判決書のみを取り調べて、当然引換給付判決がなされます。これが、前訴の判決による既判力の意味するところです。

 しかし、前訴の既判力の基準時以後において新たに発生した解除原因によって生じた建物明渡請求権を主張して後訴を提起した場合には、訴訟物が異なりますので、改めて審理がされることになります。

 既判力を論じる場合に、しばしば抽象的な権利の名前をもって論じることがありますが、それは正確ではありません。既判力の生じる権利とは、具体的な事実関係に基づいて発生する個別具体の権利関係だということになります。

 既判力と、特に旧訴訟物理論においては、それと表裏一体をなす訴訟物とは、個別具体の訴訟において、一体その訴訟の訴訟物は何なのか、既判力の範囲はどこまでなのか、を見極めることは、通常はそれほど意識されませんが、実は、そんなに容易ではない場合があるのです。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
非常に分かり易かったです。

お礼日時:2015/01/10 21:29

なぜ既判力は引換給付の部分には及ばないと思うのですか?理論上、いくつかの考え方がありますが、引換給付判決の引換給付の部分には「当然に」既判力が及ばないなどという話は聞いたことがありませんが。



時間がないので以下は、理論的な回答ではなくて単純に判例に従った回答です。

判例に従えば、既判力に準ずる効力があると解するべきです。
恐らく質問に対するほぼ直球の回答となるのは、最判昭和49年4月26日でしょう。これは最高裁の判例検索で見つかります。事件番号昭和46(オ)411です。
この事例では、引換給付ではなくて限定承認による相続財産の限度内での弁済義務という内容ではありますが、留保付き判決の主文に掲げられた留保部分にも「既判力に準ずる効力がある」としています。
そして、
「右のように相続財産の限度で支払を命じた、いわゆる留保付判決が確定した後において、債権者が、右訴訟の第二審口頭弁論終結時以前に存在した限定承認と相容れない事実(たとえば民法九二一条の法定単純承認の事実)を主張して、右債権につき無留保の判決を得るため新たに訴を提起することは許されないものと解すべきである」
と述べています。
つまり、留保付き判決に対して、基準時以「前」の事実を理由として無留保判決を求める後訴は認められないと明言しています。

よって、これに反する後訴は訴えの利益を欠くものとして訴え却下になるはずです。もちろん例外的に前訴と同じ内容の判決が出るということはあり得ますが。


以下は私見。
元々既判力がなぜ認められるかということとそれが明文の規定で主文にしか認められないこととを併せて考えると、判決において引換給付部分を「わざわざ」主文に書くのは既判力または既判力に準ずる効力を及ぼすためだと思います。
つまり、給付判決に付した条件等に対して既判力(あるいは既判力に準ずる効力を及ぼすべきであるならば主文に書いてしまえば良いし書かなければならないと裁判所は考えているのだろうということです。
これは極めて合理的かつ直截的で巧い方法だと思います。

なお、参考として最判平成5年11月11日(平成2(オ)170)では、「不執行の合意」という訴訟物でない法律関係についても「訴訟物に準ずるものとして審判の対象になるというべきで」「主文に書くべき」だとしています。
この理由は一応、「執行段階における当事者間の紛争を未然に防止するため」となっており、既判力の問題とは一見して関係はありません。
しかし、この背景にある裁判所の考え方は、既判力(あるいは既判力に準ずる効力)を及ぼす必要がある、ひいては紛争解決の実効性を高めるために必要有益な内容は主文に書き、そうでないものは手続き保障及び訴訟経済上の要請から主文に書かないという発想ではないかと推測します。

以上
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この回答へのお礼

詳細丁寧に解説してくださいまして、
ありがとうございました。非常に勉強になりました。

特に参考としてシェアして頂きました判例について、私の理解促進に役立ちまして、非常に助かりました。

ありがとうございました。

お礼日時:2015/01/10 21:28

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Q引換給付判決について

※つぎのように理解しています。
~~~
※引換給付判決:給付の訴え(「お金払え」という訴え)に対して、被告から同時履行の抗弁権(「『お金払え』と言のなら、商品をよこせ。」という抗弁)や、留置権の主張(「修理代金を支払わなければ、修理に預かった時計を返さない。」という主張)が出された場合に、原告の請求権を認めるものの、同時に、被告に対して給付をするよう(「原告は、被告へ商品を引き渡す」ように)、原告に命じる判決のことを言いい、原告にも一定の義務が課されており、原告の一部敗訴判決となる。
※〔例〕
A〔原告(買主)〕がB〔被告(売主)〕からテレビを10万円で買った。
しかし、B〔被告(売主)〕はA〔原告(買主)〕にテレビを引き渡さない。

◆A〔原告(買主)〕はB〔被告(売主)〕に対し、「B〔被告(売主)〕は私A〔原告(買主)〕にテレビを引き渡せ。」といった請求の趣旨の訴訟を求める。
◆B〔被告(売主)〕は、「代金を受け取っていないので、テレビ渡さない。」と抗弁する。

※引換給付判決がない。→A〔原告(買主)〕は敗訴。…(ァ)
※引換給付判決がある。→「A〔原告(買主)〕のB〔被告(売主)〕に対するテレビの引き渡し請求権は認めるが、その代わり、A〔原告(買主)〕は、テレビの代金をB〔被告(売主)〕に支払いなさい。」という判決を出す。
~~~

※以下につき、ご教示よろしくお願いいたします。

上記の〔例〕で、
(1)そもそも、どうして(どのような場合に)、A〔原告(買主)〕は、テレビの代金をB〔被告(売主)〕に支払っていないのにもかかわらず、「B〔被告(売主)〕は私A〔原告(買主)〕にテレビを引き渡せ。」といった請求の趣旨の訴訟を求めるのでしょうか。
(2)(ァ)の場合だと(引換給付判決がないと)、どのような不具合が生ずるのでしょうか。

※つぎのように理解しています。
~~~
※引換給付判決:給付の訴え(「お金払え」という訴え)に対して、被告から同時履行の抗弁権(「『お金払え』と言のなら、商品をよこせ。」という抗弁)や、留置権の主張(「修理代金を支払わなければ、修理に預かった時計を返さない。」という主張)が出された場合に、原告の請求権を認めるものの、同時に、被告に対して給付をするよう(「原告は、被告へ商品を引き渡す」ように)、原告に命じる判決のことを言いい、原告にも一定の義務が課されており、原告の一部敗訴判決...続きを読む

Aベストアンサー

 そもそも、判決の主文では何が示されるかを理解しておく必要があります。

 それは、その訴訟で争われている実体法上の権利義務関係において、原告が被告に対してどのような権利義務を有しているか、ということですね。

 そうすると、判決の主文では、原告の有する権利義務の内容が、実体法に沿ってできるだけ正確に表現される必要があります。

 たとえば、売買契約では、目的物の引渡しと代金の支払いは、特段の約定をしない限り同時履行の関係にありますので、原告が、売買契約の目的物の引渡しを求める権利は、原則として同時履行の抗弁(この抗弁権は、訴訟法上の抗弁権ではなく、実体法上の抗弁権です。)が付着した権利だということになり、それを、判決主文の上で正確に表現するための方法が、引換給付判決だということになります。

 まあ、そういう抽象的な話は措くことにしても、もしあなたが、テレビを買って、代金もいつでも支払えるように準備しているのに、テレビを渡してもらえないという状況を考えます。テレビなら、別の電気屋に行って同じ物を買えますので、話が分からなくなりますが、伝統的な設例では、骨董品、今風にいえば、1点しかないビンテージ物くらいですかね。売買契約の対象が、そういう物だとします。

 その場合、あなたの権利は、どのようにして実現するのが公平でしょうか。

 単純に、物を引き渡せという判決をすると、売主は、代金の支払いを受けずに、物を持って行かれる危険を負います。そのような状況は公平ですか。また、代金を支払っていないから請求棄却にしますか。それなら、あなたの権利を実現する方法がなくなりますね。代金を先払いしないと、物を引き渡せという判決は受けられないことにしますか。それは、代金を支払ったのに、物の引渡しを受けられない危険を負うことになります。

 こういうと、これは実体法上の同時履行の抗弁の説明と同じことですね。

 このような、実体法上の同時履行の抗弁を、訴訟の上でも実現する方法が、引換給付判決ということになるのです。

 そこで質問に対してですが、(1)は、「代金を支払う用意があるのに、目的物を引き渡してもらえない場合」です。債権総論で履行遅滞の要件を勉強したことと思いますが、同時履行の抗弁が付着している場合に、相手を履行遅滞に陥れるための要件は、「代金(反対給付)の支払い」ではなく、「代金の提供」ですね。

 この場合には、いったん代金を提供して相手を履行遅滞に陥れたとしても、なお、同時履行の抗弁はなくならないとされていますので、物の引渡しを受けるためには、代金を現実に支払う必要があります。ですから、少なくとも口頭の提供を継続する必要があります。そのような状況下で、買主の権利である目的物の引渡しが、引換給付判決によって実現されることになるのです。

 (2)については、上の同時履行の抗弁の説明にあるとおりです。買主としては、「代金を払っていなければ物の引渡しを受けられない」というのでは、自分の権利の実現に不具合が生じます。売主としては、「代金の支払いを受けていないのに物を持って行かれる」というのでは、やはり自分の権利の実現に不具合が生じます。

 そういうことです。

 そもそも、判決の主文では何が示されるかを理解しておく必要があります。

 それは、その訴訟で争われている実体法上の権利義務関係において、原告が被告に対してどのような権利義務を有しているか、ということですね。

 そうすると、判決の主文では、原告の有する権利義務の内容が、実体法に沿ってできるだけ正確に表現される必要があります。

 たとえば、売買契約では、目的物の引渡しと代金の支払いは、特段の約定をしない限り同時履行の関係にありますので、原告が、売買契約の目的物の引渡しを求める...続きを読む

Q債務不存在確認訴訟で棄却判決が出された場合の既判力が生じる範囲

債務不存在確認訴訟で棄却判決が出された場合、それだけでは直ちに債権債務の存在が既判力をもって確定されるわけではなく、債権債務の存在が既判力をもって確定されるには、理由中で債権債務の存在が認定されなければならない、との説明を受けました。

この説明が正しいとすると、以下の点が疑問です。
①債権債務が存在することは理由中の判断に過ぎないのに既判力が生じるのでしょうか。
②給付訴訟で棄却判決が出されれば、債権の「不存在」が既判力をもって確定されると思います。債務不存在確認訴訟は給付訴訟の反対形相だとして、これとパラレルに考えるならば、債務不存在確認訴訟の棄却判決によって、債権の「存在」が既判力をもって確定されると考える方が自然ではないでしょうか。

それとも、上の説明がそもそも間違っているのでしょうか。

よろしくお願いします。

Aベストアンサー

>私が、請求棄却判決を出すべきだと考えるのは、
「XのYに対する、○年×月△日に成立した金銭消費貸借契約に基づく100万円の債務は、100万を超えては存在しないことを確認する」
では、体裁としては一部認容判決なのに(「原告は請求を棄却する」ではない)のに、原告の請求は全く認容されていないわけですから、わけがわからないことになってしまうと考えたからです。
間違ってますかね、、、?

 いいと思います。

Q【面接】一般企業は「御社」、では法律事務所は?

現在転職活動中です。
今度、法律事務所の面接に行くことになりました。
一般企業(株式会社)だったら「御社」ですが、
法律事務所や特許事務所などに対してはなんと言えば良いのでしょうか?
「御所」は聞いたことがありません。
「○○法律事務所様は~・・・」という言い方をしても
問題ないのでしょうか?

ベストな呼び方を教えて頂ければ幸いです。
よろしくお願い致します。

Aベストアンサー

こんなのありましたよ

参考URL:http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1016120595

Q抗告と準抗告の違い?

抗告と準抗告のの違いがもう一つはっきりしません。なぜ、準抗告ののほうが上訴なんですか?言葉遣いの問題ですか

Aベストアンサー

刑事訴訟法の話ですか、それとも民事訴訟法の話ですか。刑事訴訟法で言えば、決定(裁判の主体は裁判「所」)に対する不服申立が抗告、命令(裁判の主体は裁判「官」)や検察官,検察事務官、司法警察職員のなした処分に対する不服申立が準抗告です。

Q既判力と理由中の判断

民訴の既判力(114、115条)について教えて下さい。

(1)114条1項について
既判力の客観的範囲は、原則として、主文に包含するもの(訴訟物)にのみ及び、理由中の判断(先決法律関係や事実認定)には及ばないとされています。

例えば、売買契約に基づく売買代金請求訴訟(訴訟物は、売主による売買代金債権の存否)において、請求認容判決が出た場合、理由中の判断に既判力が生じない以上、売買契約の成立、及び代金債権の発生(555条)自体には既判力が生じないことになります。

そうだとすると、後訴において、買主が売買契約無効確認訴訟を提起しても、既判力に遮断されないことになり、仮に、その訴訟において請求認容判決が出てしまえば、既判力の趣旨である「裁判の安定」は害されることになるように思います。

そして、この場合に、例えば、信義則によって妥当な結論を導くとすると、一体何のために、既判力は理由中の判断に及ばないとしているのか私には分からなくなります。
初めから、既判力は理由中の判断に及ぶとすれば、こんな面倒なことにならないと思うのですが、この点についてご教示頂けないでしょうか?


(2)114条1項について(その2)
上記と同様の事例(売買契約に基づく売買代金請求訴訟)において、裁判所が、契約の無効を認定して、請求棄却判決が出た場合でも、同様に、売買契約の成立、及び代金債権の発生(555条)自体には既判力が生じないことになります。
つまり、契約の不成立によって棄却されたのか、それとも、弁済等の抗弁によって棄却されたのかは既判力が生じないことになります。

そうだとすると、後訴において、買主が、契約の有効を前提として、例えば建物明渡請求訴訟を提起しても、既判力に遮断されないことになり、仮に、その訴訟において請求認容判決が出てしまえば、既判力の趣旨である「裁判の安定」は害されることになるように思います。

そして、この場合も同様に、信義則を用いるとすると、一体何のために、既判力は理由中の判断に及ばないとしているのか私には分からなくなります。
この点もご教示頂けますでしょうか?

(3)114条2項について
上記と同様の事例(売買契約に基づく売買代金請求訴訟)において、裁判所が、相殺の抗弁を認定して、請求棄却判決が出た場合は、既判力は、相殺の自動債権(被告側の債権)にまで及ぶとされています。

確かに、訴訟物は異なるとはいえ、被告側の債権が審理されている以上、「裁判の安定」「手続保障」の観点からも納得がいく結論です。

むしろ、なぜ、相殺だけ、既判力が理由中の判断に及ぶとしているのかが分かりません。
民訴が、相殺だけ特別扱いをしている理由をご教示頂けますでしょうか?

以上、質問が多岐に渡りますが、ご回答よろしくお願い致します。

民訴の既判力(114、115条)について教えて下さい。

(1)114条1項について
既判力の客観的範囲は、原則として、主文に包含するもの(訴訟物)にのみ及び、理由中の判断(先決法律関係や事実認定)には及ばないとされています。

例えば、売買契約に基づく売買代金請求訴訟(訴訟物は、売主による売買代金債権の存否)において、請求認容判決が出た場合、理由中の判断に既判力が生じない以上、売買契約の成立、及び代金債権の発生(555条)自体には既判力が生じないことになります。

そうだとすると、後訴...続きを読む

Aベストアンサー

基本書読みましたか?基本書を読んでも理解できないのなら、ここでの紙幅と時間と知識と表現力ではるかに基本書に劣る回答を読んで理解できるとはとても思えないのですが。

それはともかく、疑問はもっともです。その通りだから争点効って話があるんです。
既判力の客観的範囲をどこまで認めるのかは、究極的には立法政策の問題でしかありません。
広ければ紛争の解決は一回で図れますがその代わりに既判力の及ぶ範囲全体について不利益を受けないように当事者は慎重かつ徹底的な争いをすることになるので間違いなく訴訟に時間が掛かります。訴訟経済という観点からは争点は絞り込んだ方がいいに決まってます。
一方で、狭ければ当然既判力の及ばない部分について別訴による蒸し返しができるし、判決の矛盾抵触のおそれも出てきます。更に何度も蒸し返せば全体としてみると訴訟経済的にも不利になる可能性はあります(実際にそう細々と訴訟を起こす暇人は滅多にいませんが。既判力が及ばない範囲ごとに個別の訴訟をやるなんてのは相当金と暇をもてあましている人だけ)。まあそういうのを防ぐために中間確認の訴えがあるわけですけどね。
そこで、どこまで既判力を認めるのが法制度として妥当かという立法政策の問題に帰着するわけです。
要するにトレードオフの問題です。完璧な答えなどないんですよ。それを求めるのなら、ご自分で理想と考える理論を構築するとよいでしょう。新堂先生の争点効理論をとりあえず学んでみればよいでしょう。もとより、新訴訟物理論とか争点効というのは判例通説に対して、紛争解決の一回性を重視して出てきたくらいですから、紛争解決の一回性を強調するなら争点効理論によることになります。ただし、判例通説実務じゃありませんけどね。そして紛争解決の一回性という点で弱いし矛盾抵触を避ける必要がある場合があるからこそ判例はいわば“仕方なく”信義則を使って後訴を制限したわけですよ。

この辺は、有斐閣大学叢書の新民事訴訟法講義の既判力の説明のところに詳しく載ってます(他の基本書でも載ってると思いますけど)。後はご自分でお読みください。
誤謬はあるかもしれませんが、既判力を原則として主文に限定するのはいろんな意味で“その訴訟の解決”ということを最優先したからと考えるのが妥当でしょう。その上で、相殺については起こりうる問題が容易かつ具体的に予想できるし、そもそも反対債権の主張というのが実質的に反訴のようなものなので例外として既判力の範囲を“立法的に”必要最小限の範囲で拡張しただけと考えていいと思います。新堂先生なんかはそれをもっと拡張して争点効を認めるべきだと主張しているわけです。
まあ、ここは難しい話ですよ。

で、傍論について少々言いたいことがあるのですが、眠くなったのでまたいずれ。傍論なんで余談みたいなものですから締め切っても構いません。

基本書読みましたか?基本書を読んでも理解できないのなら、ここでの紙幅と時間と知識と表現力ではるかに基本書に劣る回答を読んで理解できるとはとても思えないのですが。

それはともかく、疑問はもっともです。その通りだから争点効って話があるんです。
既判力の客観的範囲をどこまで認めるのかは、究極的には立法政策の問題でしかありません。
広ければ紛争の解決は一回で図れますがその代わりに既判力の及ぶ範囲全体について不利益を受けないように当事者は慎重かつ徹底的な争いをすることになるので間...続きを読む

Q引き換え給付判決と処分権主義

AがBに商品Xを売買を原因として引き渡せと訴えたとき、Bが代金が未払いであることを抗弁しなくても、証拠上それが分かった場合、裁判所は、売買代金と引き換えでの給付判決をできますか?
また、この裁判後、Bは、売買代金を支払うよう提訴できますか?

Aベストアンサー

Bが、Aの代金未払いを理由に、同時履行の抗弁権を主張して引渡しを拒めば、引き換え給付判決がされますが、その抗弁をしなければ、「BはAに対してXを引き渡せ」というB敗訴の判決がなされるだけです。つまりこれも処分権主義の表れと言うわけです。なお、その後BがAに代金支払いを求めて、代金支払請求訴訟を提起できるのは当然の事です。

Q明示的一部請求の既判力

5000万の債権のうち明示的一部請求として2000万請求 被告が相殺として反対債権を主張した場合で、その反対債権が3500万のケースと1000万のケースでの違い。

判例は外側説なので、まず総額5000から一部請求分2000を控除し3000、反対債権は3500万なので余剰の500万分が内側である一部請求の2000万から相殺され、反対債権については3500万のうち500万についてのみ、又一部請求については2000万のうち相殺分を控除した1500万について既判力が及ぶ・・・という理解でよろしいでしょうか?
反対債権が1000万の場合は、3000に対して反対債権が1000万なので内側で相殺される部分がなく、反対債権については既判力がないとおもいきや1000万について既判力が及ぶ? 反対債権の方が多ければ、まず外側部分にあてて余剰部分を内側にあてそれに既判力が及び、反対債権の方が少なければ外側部分にあてずに全額一部請求にあて既判力を及ぼす・・・?
混乱しております。 お教え下さい。

Aベストアンサー

追記

 問題集における見解は、200万円のうちの100万円の一部請求に対して、150万円の反対債権で相殺の抗弁を提出した場合、外側説により一部請求の範囲と対抗するのは、100万円を越えた部分、50万円であることから、その部分の不存在に既判力が生じるという見解と思われます。
 すなわち、仮に150万円全額の反対債権の存在が裁判所により認められた場合、50万円の一部認容判決が出され、反対債権については、内側で対抗した50万円の反対債権の不存在に既判力が生じます。それと同様に、反対債権が50万円と認定された場合も、内側で対抗しようとしたけれども、存在が認められなかった、内側で対抗しようとした50万円の部分についての不存在に既判力が生じるという見解ですね。
 つまり、仮にこの事案で、裁判所が反対債権の存在は0円であると認定した場合においても、既判力は反対債権50万円の不存在に生じることになります。
 いずれの説をとるかは、質問者さんの好みになりますね。

Q非訟事件とはどんなものですか

法律に関する検定試験を受けようと学習中なのですが、いくら調べても自分の納得いく回答が見つからないのです。
非訟事件の定義と非訟事件の具体例(判例)
について調べているのですが、「非訟事件」で検索しても「非訟事件手続き法」しかヒットせず定義や具体例がわかりません。
非訟事件の定義と具体例を教えていただけませんでしょうか。あるいは、それらが紹介されているサイトでも結構です。
よろしくお願いします。

Aベストアンサー

非訟事件=裁判所が後見的立場から、合目的的に裁量権を行使して権利義務関係の具体的内容を形成する裁判。
具体例としては、夫婦の同居義務に関する審判を非訟事件とした判例(決定ですが)→最大決S40.6.30


純然たる訴訟事件と対比して考えるとわかりやすいと思います。

純然たる訴訟事件=裁判所が当事者の意思いかんにかかわらず終局的に事実を確定し、当事者の主張する実体的権利義務の存否を確定することを目的とする事件。

つまり、訴訟事件は、当事者の主張してきた権利があるかないかという形で最終的に判断をくだすもの、これに対し、非訟事件は実体的権利関係自体を確定するものではなく、裁判所が当事者の主張に拘束されずに行うアドバイスであって、終局的に権利関係を確定するものではない、という感じでいいと思います。

Q予備的反訴について教えてください。

予備的反訴について教えてください。
 
どうすればそういったことが出来るのか?
どういうときに有利なのか?
など、よろしくお願いいたします。

Aベストアンサー

予備的反訴と云う法律用語はないです。
「予備的請求」「予備的申立」「反訴」と云うのはあります。
「予備的請求」又は「予備的申立」とは、主たる請求に対して二次的に請求するものです。
例えば、建物明渡請求事件で「仮に、明渡が認められなければ毎月○○万円支払え」と云うような場合です。
反訴とは、例えば「被告は原告に対して金100万円支払え」との訴訟で、被告からの反訴で「反訴被告(本訴原告)は、反訴原告(本訴被告)に対して金150万円支払え」と云うような請求です。

Q債権者代位訴訟について

債権者代位権に関して質問させてください。
債権者代位訴訟が提起され、その旨の告知を受けた債務者は、代位された債権について処分権を失い、債権者は、目的たる債権について管理権を取得することになるとされます(非訟事件手続法76条2項参照)。
そこで、すでに債権者代位訴訟が提起された後に、他の債権者が債権者代位訴訟を提起することは可能なのでしょうか。
最初に債権者代位訴訟を提起した債権者にすでに管理権が移転していることからすれば、他の債権者が別途代位訴訟を提起することは不可能なように思えます(また、記憶違いでなければ、この場合は共同訴訟参加によるべきと教わったような気もします)。
しかし、自分が見た解説では最判45.6.2を根拠に、他の債権者も代位訴訟を提起できるとしています。自分が持っている資料では、最判45.6.2を確認できませんでした。
どなたか教えてください。よろしくお願いします。

Aベストアンサー

風邪引いて寝込んでたものでして、と言い訳をしてみたり。実はまだ治っておりませんが。
決して忘れているわけでも忘れたフリをしているわけでもありませんということをお伝えするために、未完成なのですが、途中まで回答しておきます。

最初に本題からすると余り重要でない話を一つ。
>特に共同訴訟的補助参加が解釈によって明確に認められているにもかかわらず、
>なぜ立法に踏み切られないのか
平成8年の全面改正の際に、「判決の効力が及ぶ第三者がする補助参加については、法45条2項の規定を適用しない」という明文の規定を置くことを検討したが見送りになったという経緯があります(司法協会刊 民事訴訟方講義案(再訂版)P.316参照)。
例えば寄託者のために目的物を預かる受寄者は「判決の効力が及ぶ第三者」であっても固有の利益を有しないので共同訴訟的補助参加を認める必要はないなどという話があります。
結局、要件として「判決の効力が及ぶ」というのが適正かどうか検討の余地がまだまだあるということのようです(要件の明文化が困難というのは、有斐閣の新民事訴訟法講義に記述があります。)。


では本題の方へ。
正直言うとちょっと甘く見ていたのですが、結構横断的な知識の必要な問題なので、見通しを付けるために問題を前提からきちんと整理し直してみました。司法試験の論文でもこのレベルの問題は出ないんじゃないですか?ってくらい(債権者代位訴訟の問題なんてせいぜい当事者適格と二重起訴くらいで済むレベルだと思います。)。

判例通説では、債権者代位訴訟における代位債権者は、法定訴訟担当である。
債務者は、債権者代位訴訟の提起により、被代位債権について管理処分権を失う結果、当事者適格を失う。
債務者は、当事者適格を失った結果、別訴を提起することができない。
債務者は、当事者適格がないが訴訟参加することができる。代位訴訟の判決効の拡張を受けるので共同訴訟的補助参加になる。
債務者は、代位債権者の当事者適格を否定する目的であれば当事者適格を有し、独立当事者参加ができる。
ここまではいいでしょう。

さて問題は、別の債権者の立場はどうなるのかという議論ですが、これを二つに分けて考えてみます。
一つは、複数の債権者が共同して代位訴訟を提起する場合。
もう一つは、既に代位訴訟が提起されている場合に、それに関わっていない他の債権者が採りうる手段。

まずは複数の債権者が共同して代位訴訟を提起する場合からです。
これが類似必要的共同訴訟になるというのが通説(争いありますけど。)。おや?類似必要的共同訴訟における共同訴訟人は「個別の当事者適格を有する」んじゃないの?個別の当事者適格を有するからこそ、原始的に共同訴訟が可能であり、更に共同訴訟参加もできて当然じゃないの?共同訴訟人間における判決合一確定の要請は判決の効力の拡張を受ける者であることに由来するんだから、各債権者は判決の効力の拡張を受けるの?という疑問が出てきますね。ああ、話が面倒になりそうです。
類似必要的共同訴訟の要件論その他は本題ではないので、ここでは、複数の債権者が共同して代位訴訟を提起することは可能だし、その場合に類似必要的共同訴訟になると考えるのが通説ということだけ押さえておくことにします。後で必要に応じて触れます。


さてここからが本題の代位訴訟係属中に他の債権者による代位訴訟の提起は可能か?という議論です。
この議論の最初にして最大の問題は、他の債権者に当事者適格を認めることができるのかどうかということなのは既に判っています。

そして、判例通説の考え方からすれば、「被代位債権に対する代位債権者の管理処分権は、債務者の処分権に由来し、代位訴訟提起により債務者の処分権が喪失する限りは、他の債権者が管理処分権を得ることはできず、当事者適格を有することはない」と考えるのが理論的には素直であるということは言えます。こうなると、他の債権者は当事者適格を有しないということになり、債務者自身と同じく、補助参加か独立当事者参加を考えるしかないことになります。
なお、当事者適格を欠く者に共同訴訟参加を認める説も実はあるらしいのですが(新堂「新民事訴訟法 第4版」弘文堂P.754によれば桜井「共同訴訟的参加と当事者適格」に記述がある様子。)……すると参加と補助参加の区別はどうなるんでしょうねぇ?これまで考えると収拾が付かなさそうなので、理論上、共同訴訟参加の可能性が全くないとまでは言えないが、当事者適格がない以上は、やはり共同訴訟参加はできないと考えるべきであるとすべきでしょう。
そういうわけで、当事者適格がないから共同訴訟参加はできず、ただ、共同訴訟的補助参加あるいは独立当事者参加ができるということになります。

……つづく。

風邪引いて寝込んでたものでして、と言い訳をしてみたり。実はまだ治っておりませんが。
決して忘れているわけでも忘れたフリをしているわけでもありませんということをお伝えするために、未完成なのですが、途中まで回答しておきます。

最初に本題からすると余り重要でない話を一つ。
>特に共同訴訟的補助参加が解釈によって明確に認められているにもかかわらず、
>なぜ立法に踏み切られないのか
平成8年の全面改正の際に、「判決の効力が及ぶ第三者がする補助参加については、法45条2項の規定を適用しない」と...続きを読む


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