
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
古語から現代語への変化を考える時、分かりにくいのは「大きい」(現代語)ですね。
他の形容詞だと、「高し」(古語、連体形は「高き」)→「高い」(現代語、連体形も「高い」)
「遠し」(古語、連体形は「遠き」)→「遠い」(現代語、連体形も「遠い」)
「小し」(古語、連体形は「小き」)→「小さい」(現代語、連体形も「小さい」)
「大(おほし)」と「多し(おほし)」は古語(上代)では同音であった。しかも連体形しか使われなかった。平安時代は「大き」を語幹とする「大きなり」という形容動詞が使われて「大きし」という形容詞は使われずに終わりました。(「大きし」が無かったから「大きき」という 連体形もありませんでした)「大きい」という形容詞ができたのは中世以後でした。したがって、「大きき木」という古語は無く、「大きなる木」(「大いなる木」イ音便)でした。「小(さ)し」はありましたから「小(さ)き」も使いました。「なにもなにも、ちひさきものはみなうつくし」(枕草子)
その影響で、現代でも「大きい木」「大きな木」の二つの言い方が残りました。「大きな」は形容動詞ではなく、「連体詞」です。更にその道連れで、「小さい手」「小さな手」、「細かい粉」「細かな粉」が出来ました。
この回答へのお礼
お礼日時:2015/05/26 14:09
精緻な歴史的経緯を踏まえ、拙問の精髄を捉えた卓抜なる御回答に感嘆頻りであります。
「大きいの正体見たり枯れおほし」であったとは、夢想だにしませんでした。
清新なる叡智の御開闢に対し、心より感謝申し上げます。
No.2
- 回答日時:
お褒めにあずかり恐縮です。
「大きなり」という形容動詞の成立については、「日本文法大辞典」(明治書院)の見解をご紹介したまでであって、わたしにそれほどの洞察力や深い知識はありません。ついでにご紹介しますが、「大きなり」の活用形の一部は現在も生きていて、その連用形「大きに」や(その音便形の「大いに」)は副詞として「おおきにありがとう」(関西弁)「大いに頑張るぞ」などと使われます。また、連体形の「大きなる」の音便形「大いなる」は、「大いなる遺産」のように使われています。もっとも、これらは今では、形容動詞とは呼べず(一部の活用形のみだから)、「副詞」や「連体詞」の中に入れられています。
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