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テンソル積が係数環を拡大・縮約するときに使われることに関する質問です。
「環と体の理論」酒井文雄著、p92を参照すると、テンソル積が係数環を拡大・縮約するときに使われることに関する説明が載っています。

そこにある説明文には、
「R加群Mに対して、M (R上のテンソル積) SはS加群の構造をもつ」ことから、テンソル積が係数環を拡大・縮約するときに使用できる
という趣旨の内容が記載されています。
(ただし、ここでのR、Sは可換環とし、「M (R上のテンソル積) S」でMとSのR上でのテンソル積を表すものとします。)

このことから私は、係数拡大に関しては、例えば
「Rを実数体、M=R[x]とし、Sとして複素数体Cをとれば、R上のテンソル積をとることによってC[x]を得る」などのように、理解ができますが、係数の縮約に関していまひとつ理解できません。
具体的には、
1、例えば、「Rを実数体、M=R[x]とし、Sとして有理数体Qをとれば、R上のテンソル積をとることによってQ[x]を得る」は、「Sとして有理数体Qをとると、R上のテンソル積を定義上とることができない」のでまずい。
2、例えば、「Rを実数体、M=R[x]とし、Sとして有理数体Qをとれば、Q上のテンソル積をとることによってQ[x]を得る」は、「テンソル積の結果としてR[x]が得られる」のでまずい。
と思っています。

係数の縮約に関して、お教えいただければ幸いです。

A 回答 (1件)

係数の縮約を知らない者が書きます。

間違いがあるかもしれないので、ちゃんと確認してね。

係数の拡大ときたら「制限」を思い浮かべます。
係数の制限といえば、係数体が複素数体なのを実数体として見るというのを私はよく見ましたが、それは単純に、実2次元に見直すイメージのものでした。調べてみると、「係数の制限」を数学的に表すには Hom を使うようです。
しかし質問にはテンソル積でしか書かれてないので、制限の話ではなさそうですね。
では、係数の縮約とは何なのか。

と、その前に、質問中の例ですが、何かおかしくないですか。
1は Q が R-加群になっていますが、いいんでしょうか?

次に2では、Q 上のテンソル積をとる時点で M は Q-加群としているわけですが、Q とテンソル積をとっても、Q-加群 M のまま(同型)ですよね。テンソル積をとる前から Q-加群扱いなら、テンソル積をとる意味ないんじゃないですか?

どちらも制限のイメージが漂っていますし。


さて、本題の縮約ですが、たぶん係数環の拡大が、拡大のイメージに合わない場合を言っているのではないかと思います。

例を挙げると、Z を整数環、M=Z[x]、m を整数とするとき、Z のイデアル mZ や商環 Z/mZ は自然に Z-加群になりますが、

ここで M と mZ のテンソル積には、mZ に積があるので自然なかたちで mZ が作用して mZ-加群と見なせます。

同様に、M と Z/mZ のテンソル積には自然に Z/mZ が作用します。これで Z/mZ-加群と見なせます。

そして mZ は Z の真部分集合だし、Z/mZ だと環準同型の像(Z の代数構造が折り畳まれている感じ?)なので、こういう場合は「拡大」より「縮約」がふさわしいのかな、と思いました。
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この回答へのお礼

大変わかりやすくお教えいただき、有難うございました。
謎が解けました。

(質問中の例は、よろしくない例として入れたつもりでしたが、書き方にも問題があり、失礼いたしました。)

とても勉強になり、理解が深まりました。

お礼日時:2015/09/27 12:32

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