絹だって、みんな深く考えないで着物にして着ているかもしれないけど、あれは、繭をつくった蚕が、繭のなかでまだ羽もはやさずにいるうちに、糸を採るんだからね。世間では、見た目のきれいな蝶を好むっていうけれど、よく観察してみれば、羽がはえたらおしまいだってことが、わかるでしょうよ。
(『虫めづる姫君 堤中納言物語』蜂飼耳訳 光文社古典新訳文庫65ページ)
*** *** *** *** ***
世の中の多くの人が「けがらはしい」「まちがひだ」「わるいこと」としてゐるものにこそ真実があるのではないでせうか。物語のなかで虫めづる姫君の述べるかずかずの理屈はどれも正当な主張に思はれます。
先日も下記の回答番号41のコメント後半でそのことを記載しました。運営側から削除を受ける投稿にこそ真の価値があるのではありませんか。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/9083393.html?pg=1&is …
No.16
- 回答日時:
#6です
===>>> #6 お礼欄
>「そういった表裏概念」と、「価値観の概念」とは、個人的には分けて考えてしまいます。
これも両方必要なことだと思ひます。
<<<===
少し説明が足りなかったかもしれません。
表裏概念ないし択一問題は、人知が世界と関わりあいを持つときに、知的にどちらかを選択するという行為になります。
選択する側、される側
どちらか片方のみを切り出して考えることは、実のところ不可能です。
両方(全体)があってこそ、それぞれの側(個)があり、それぞれの側(個)があってこそ、両方(全体)がありうる。
もともと表裏のないところ(全体)に表裏という区別が生じるとき、一枚の紙が挟み込まれる、あるいは切断面が生じると考えます。
私は、この「切断面」が「知」によって生じるため「知的切断面」と命名しました。
知は物事ないし全体を切り分ける(全体と相互作用する)ことで、二面ないし多面を形成することができます。
さらに、そこに「価値観」という切断面をどのような方向にて切り加えるのかどうかは人それぞれですし、切り口のどちら側に価値を見出すのかも人それぞれです。
さらに言えば、どちらがオモテなのか、ウラなのかも、「知的切断面」の段階では決定されていません。
切断面のどちら側を選択するのか? あるいはどちら側を好むのか? といった方向性の問題は、意志や情動に深く関与する事項となるでしょう。いや、もともと情動が先行し、後付的な理由を加えるために切り方を選択し、自らにとって切断面の好ましい方を、他者から見ても好ましく見えるような「知的な説明」を加えることが多いはずです。
そういった後付的な「知」の利用を好んで行う人々には、「知」が「情」よりも優れていると声高に叫び続けようとする人々が多いように感じています。
したがって、そういった人々が混在する状況では、「どちらがオモテかウラか」といった思考ないし論争は、結局のところ「どちらを好むのか」といった嗜好の問題が背景に潜んでいることが多くなり、永遠に終わらない論争と化してしまうのだと思っています。
追加回答をありがたうございます。内容につきましては、まつたく同感でございます。
>人知が世界と関わりあいを持つときに、知的にどちらかを選択するという行為になります。
御指摘のとほりと存じます。人間社会においては、境界線のないところに便宜的に区分を設けます。そのほうが都合がよいことが多くあります。Q&Aサイトのカテゴリ分けもそのひとつです。それを絶対視して、自分の好みのカテゴリ概念を他の人におしつけて強制的にカテゴリ移動がなされてゐます。
>「価値観」という切断面をどのような方向にて切り加えるのかどうかは人それぞれですし
これもおつしやるとほりです。意見としてそれぞれが述べることは有益ですが、強制力を発動するやうになることはどうかと思ひます。Q&Aサイトでいへば、先ほどの質問者の意図を無視したカテゴリ移動などです。
>意志や情動に深く関与する事項となるでしょう。
これもそのとほりです。多くの場合個人的な好き嫌ひです。
No.15
- 回答日時:
>世の中の多くの人が「けがらはしい」「まちがひだ」「わるいこと」としてゐるものにこそ真実があるのではないでせうか。
世の中には絶対的な善と絶対的な悪があるんだね。これは、私の言い出した事じゃなくって、人の言っていた事の受け売りなんだが、あたしにゃ、
「自分が共鳴できたら、それは聞きかじりだろうが誰が言い出そうが、最早自分の意見だ」
っちゅう大原則がある。
んで、これは、かの有名な戸塚ヨットスクールの創始者戸塚宏が言っていたことだ。訓練中に生徒が死亡して傷害致死の有罪判決を受け、6年間服役した後、いまではまたスクールの現場に復帰している。戸塚氏曰く、
「生物の進化に馴染む行為は善、それに反する行為は悪」
これって本当だね。けがらわしいか、けがらわしくないか、知らんが、それが進化になじむ行為や形態だったら、それは絶対的な善なんで、そんなもの人間の浅はかな分際でとやかく言っても始まらんのだ。進化に馴染んでいたんなら、受け入れなくちゃならん。それだけだ。
生物だから生き残りのために死闘を免れられないのは当たり前のことだ。他の植物を喰って生きている訳ではない植物だって、日当りの取り合いや水分の取り合いで、互いに殺し合っている。その死闘で殺されないように進化して来たんだ。
そもそも、野原の草っだって途轍もなく消化しにくいように進化して来た。その証拠に、それを消化するには4つの胃がなくちゃなんない。これも、殺されるか生き残れるかの死闘で、生き残りのために進化して来たんだ。
んで、何が進化に馴染んだ行為や形態かっちゅうのを見抜くのはその人の天賦で決まっちまうんだろうな。
つづけての御回答をありがたうございます。
>自分が共鳴できたら、それは聞きかじりだろうが誰が言い出そうが、最早自分の意見だ
ごもつともです。自分の意見をぱくられると怒る人もゐますが、私の場合は自分の意見を広めてくれるありがたい行為だとみなします。「世の中には絶対的な善と絶対的な悪があるんだね。」といふ点には、納得しかねます。
>生物だから生き残りのために死闘を免れられないのは当たり前のことだ。
これはまつたくおつしやるとほりです。
>何が進化に馴染んだ行為や形態かっちゅうのを見抜くのはその人の天賦で決まっちまうんだろうな。
選択肢は多いほうがいいと思ひます。さまざまな状況に対応できます。
「適者生存」への批判としてしばしば取り上げられるのは、結果論にすぎない、といふ見解です。最終的に生き残つた者が適者です。生き残つた形態を見て、それを「適者」だと言つてゐるにすぎない。適者だから生き残るといふ説明に意味はない。私もそんな気がします。運者生存なんてことも言はれます。世の中なにが起こるかわかりません。
No.14
- 回答日時:
オモテ心にウラ心
好みの枝に価値の実が
アヒルの足は見えなくて
言葉の綾も読み人次第
cyototuの愛は猛進型で
下手に受けると傷が付く
逆説型の満足豚の
脳のメタボなその味は
スパイス効いてとてもgoo!
応援ありがたうございます。七五調の文章はcyototuさんの影響ですか。好き勝手にものが言へるのが哲学カテゴリの良いところだと思ひます。
>cyototuの愛は猛進型で下手に受けると傷が付く
このQ&Aサイトでは、受け身の下手な人が多すぎます。刃物や銃器ではもちろん、素手でも襲つてくるわけではないのに、過剰反応が見られます。
cyototuさんの姿勢で私が共感するのは以下のものです。
[1] 世界を子供にもわかるやうに説明する。難解な言葉を使用せず、さりげないユーモアをまじへながら話を進めます。
[2] 還元主義への疑念。
[3] 人の思想を知るためには、解説ではなく、その人の著書を読むこと。
No.13
- 回答日時:
>ソクラテスは豚そのものです。
奴隷の働きを消費して生きてゆきます。どこで読んだか、この歳になると記憶も当てにならないが、多分トゥキディデスの『戦史』を読んでて、そこの解説辺りに書いてあったような記憶があるんだけど、次のことが書いてあったことだけははっきり覚えている。ソクラテスはペロポネソス戦争に兵士として参加していて、オリンポスの山間などで雪に振られているとき薄着のドガ様の服一枚で平然とじっと佇んでいた、なんて記述があった。
皆さん、貴族どもは奴隷に働かせて自分じゃ何もしないでのうのうとその上前をとって生活しているんだと思っていらっしゃるようだが、そりゃ奴隷にさせられた連中からの一方的な言い分だっちゅうこともあるんだ。その貴族が貴族になるために何もやっていなかった訳じゃない。自分の命を賭けて、石に齧り付き、血の涙を流しながら、ついにそんな立場を手に入れたって時があったんだ。
そりゃ、運悪く奴隷にされた方は堪ったもんじゃないが、だからと言って貴族どもが何も努力をして来なかったなんてえなこと言っちゃあ、おしめえよ。豚を自認するトラックやろうだって、豚になるためにそれなりの努力して来たんだろ?
多分、豚って言葉で一括りにしちまうから混乱してるんじゃない? あたしゃ、蝶も花も毛虫もゲジゲジもサソリもダニも大好きなんで、いつぞやテキサスの自宅の裏庭でサソリに刺されて、痛いのなんのっちゅうのって思いをさせられたが、その刺したサソリを捕まえて、人家から遠い所に逃がして来たことがある経験の持ち主なんだ。そんなあたしだから、ダニさんには申しわけないが、この際、慣習に習って、ダニは唾棄すべき存在の象徴ってことにして、豚とダニを区別するべきなんじゃないかってな考えが浮かんできた。
物理学の専門用語では、これを豚とダニの縮退を解くって言うんだ。ある量の値が同じになっていて、その量の値だけでは区別がつかなくても、実はその裏に全く違った起源がある場合がある。その場合には、周りの状況を僅かに変えてみると、同じ値だったものが僅かにずれて、その違いが表に出て来るようになるんだ。その場合、状況を変えることで縮退が解けたって、物理屋は言うんだ。水素原子の集合に光りを当ててその中の電子の反応を見ていると、一通りの反応しかしない。ところが、そこに磁場を印可してやると、僅かに違った二通りの振舞いをしている電子があることが判る。実は、電子はスピンしていて、そのスピンの方向が逆向きの二通りあるんだね。そこでこの実験では、スピンの向きによって磁場対する反応が違って来るんだ。こ状況を磁場によって反応のあり方の縮退が解かれたって言うんだ。この場合、物理屋の専門用語じゃ、水素原子に磁場を印可したという事を、水素原子に磁場の摂動を掛けたともいうんだ。
毛唐どもが「Laws」って言う一言で解った気になっていたのを、それに日本人の自然観と言う摂動を掛けた結果、それには「法則」と言う意味と「法律」という意味の、全く違った二つの意味があることを明らかにして、日本人がたった一言「Laws」で表されていたことの意味の縮退を解いてみせたようなものだ。日本人て毛唐どもより頭が良いんだね。
んで、豚とダニの縮退を解くには、その裏の努力を計測できるように、努力軸なる新しい空間座標を導入して、いろいろな実測してみればいい。そやつの測定値の値が努力軸の原点に近い場合、すなわちゼロに近い場合そやつをダニと呼んで、原点から遠い場合そやつを豚と呼べば、トラック野郎の混乱が避けられるんじゃないかな。
んで、ダニは、
「何言ってんだい。こちとらだって、ダニはダニらしくなるために、石に齧り付き、血の涙を流しながら努力してんだい」
って言って啖呵切ってくるんだろうね。
追加回答をありがたうございます。兵士としてのソクラテスについては、プラトン、クセノポン、ディオゲネス・ラエルティオスなどが書いてゐますが、「オリンポスの山間などで雪に振られているとき薄着のドガ様の服一枚で平然とじっと佇んでいた」といふ記述は、不勉強ゆゑ、わかりませんでした。
>自分の命を賭けて、石に齧り付き、血の涙を流しながら、ついにそんな立場を手に入れたって時があったんだ。
だからこそ豚の価値がわかるのではないでせうか。そんな経験がなければ、きれいごとだけで生きてゆけます。私はソクラテス自身が豚について充分認識してゐたのだと思つてゐます。
「すべての豚が知ったり、勇気のあるものとなったりすることは不可能だということになります。」
(プラトン『ラケス』196d 三嶋輝夫訳 講談社学術文庫70ページ)
>豚を自認するトラックやろうだって、豚になるためにそれなりの努力して来たんだろ?
したつもりだつた、ことを認識してゐます。今から思へば、他にうまい方法があり、あまりにも視野が狭く、人間について何もわからなかつた、ただのアホです。わかるまでに35年かかりました。先天的に豚の価値がわかる人もゐます、これぞまさしく天才です。「オモテなし」の方をふくめ、ただ尊敬するのみです。Q&Aサイトでは、いろいろな人から学ぶだけです。質問主体の利用姿勢は今後もつづきます。
>物理学の専門用語では、これを豚とダニの縮退を解くって言うんだ。
回答番号10の方から「害がないモノも、似ていれば汚らわしい」と教へていただきました。子供のころから「宿題」は私にとつて有害でしたので「縮退」も近寄らないやうにします。今回の質問に関連して「物めづる量子(りようこ)さん」の本には羽のはえた蝶の絵が描いてありますが、われわれトラック運転手の世界では「軌道」にのせるのに必要なのは「5s」(整理、整頓、清掃、清潔、躾)です。
>豚とダニの縮退を解くには、その裏の努力を計測できるように
承知いたしました。
No.12
- 回答日時:
ソクラテスの件はその通りで、哲学という天上の遊戯に自らは浴しつつ、労働は奴隷にしてもらう。
そういう生き方も当時は許されていたのです。この姫も、ともすれば虫が好きなだけの豚と言えます。貴族の生まれで働く必要がない。
しかし、その様な暇人が、いや、暇豚が、人類の知見を押し上げるのだから、人の気持ちは複雑です。
追加回答をありがたうございます。ソクラテスへの見方につきましては、あほなさんにずいぶん教へられました。回答番号13のコメントにこれから書きますが、ソクラテスは辛い経験を通して、豚の価値を見出したのではないかと思ひます。プラトンの対話編の中で『ソクラテスの弁明』だけは屁理屈ではなく、真の哲学的な議論が展開されてゐます。やはり裁判で命がかかると、本気になるのかもしれません。
No.11
- 回答日時:
西郷隆盛さんは「人は己に克つを持って成り、自らを愛するもって敗れる」と。
暴力より道義で、優れた人を掘り起こしては敵とも信頼関係を持つという『情義』が出来た人。
本当にアホだったら素直に人が皆素晴らしく思えますが、
経済や戦闘を知り尽くした上で人を非難する術より
人を咎めず褒めるって超高度な修行がいりそう。
そんな人は100万人に一人か、百年に一人いるか居ないか。
他の人や天下を美しく優しくすべき大人になるほど難しい。
無私(幼虫?)大事ですね、成虫は私にさえ邪魔ばかりする。
みんなが君が世の心で全体で克つだったらいいのに。
武将と芋虫
No.10
- 回答日時:
汚らわしく見えるモノてのは、理由があります。
例えば虫です。
虫の中には、特に幼虫には毒があるモノが多いのです。
そういう経験があるので、毛皮らしく見えるように
なったのです。
ウンコもそうですね。
あんなモノ食べたら身体に悪いから、汚く見える。
人間はそう創られているわけです。
こういう下地があるので、害がないモノも、似ていれば
汚らわしい、ということになります。
”世の中の多くの人が「けがらはしい」「まちがひだ」
「わるいこと」としてゐるものにこそ真実があるのでは
ないでせうか。”
↑
そういう場合もある、というだけで常に真実がある
わけではありません。
例えば民主主義という思想がありますが、これは何処の
国でも、昔は悪い思想だったのです。
現代の価値観で評価すれば、歴史の英雄は独裁者、
殺人鬼です。
しかし、人を殺すことは、昔も今も悪いことです。
将来も悪いことであり続けるでしょう。
時代が変われば、評価が変わることもある、という
だけです。
”物語のなかで虫めづる姫君の述べるかずかずの理屈は
どれも正当な主張に思はれます。”
↑
常に理屈が正しければ、社会主義は成功して
いたでしょう。
経験則の方が正しいこともあります。
経験則を無視した社会主義国は全滅しました。
”先日も下記の回答番号41のコメント後半でそのことを記載しました。運営側から削除を受ける投稿にこそ真の価値があるの
ではありませんか。”
↑
少数意見は受け入れられない時があります。
かといって、少数意見が常に正しいわけでは
ありません。
少数意見が正しい、ということであれば
少数意見が多数意見になったら、その途端に間違って
いることになるのでしょうか。
すると、今まで多数意見であったモノは、少数意見に
転落した途端に、正しくなるのでしょうか。
デジタルライフオールスターズのサイトは凍結されたのですか。私は候補生のままで、正式メンバーにはなれませんでした。だれも書いてくれなくなつたので、ときどき自分で書いてゐたのですけれど。tanzou2さんの投稿内容は、穏当で正統的なものに思へるのですが、いろいろ言はれるのは妬みなのでせうか。
>害がないモノも、似ていれば汚らわしい、ということになります。
さういふ傾向があるのですね。
>現代の価値観で評価すれば、歴史の英雄は独裁者、殺人鬼です。
これはまさしく御指摘のとほりと存じます。「時代が変われば、評価が変わることもある」、すべては状況次第だと思ひます。民主主義でも、民主的手続きでは間に合はないこともありますし、柔軟に対応してゆかなければ立ち行きません。
>常に理屈が正しければ、社会主義は成功していたでしょう。経験則の方が正しいこともあります。
私はどちらかといへば「経験則」のほうが優先です。
>今まで多数意見であったモノは、少数意見に転落した途端に、正しくなるのでしょうか。
世の中転落のくりかへしのやうに思へてきます。
御回答ありがたうございました。
No.9
- 回答日時:
#8で時間の流れる早さについて触れたので、主題とは全然違う話に横っ飛びしてみます。
天保8年(1837年)に質屋の鈴木牧之が書いた『北越雪譜』ちゅうのがある。あたしが今までに読んだ日本語の古文の本でこれが一番文章が綺麗だと思った。頼山陽の『日本外史』の漢文書き下し文も天下一品だが、それは漢文と言う外人言葉だ。だから、大和言葉じゃ鈴木牧之がいい。
んで、その中に越後の山奥に不思議は沢があって、そこの水に使ったものは石になっちまうと言うのが、図入りで出ていた。葉っぱの化石と蟹や亀の化石の絵だったと思う。牧之が村人から聞いたことよると石に変わって行くのには大変長い時間が掛かるんだそうだ。そう、その村の人たちは、どのぐらい時間が掛かるか実験して実証的に知っていたんだね。
実際、葉っぱを水に漬けて眺めていても目の前で石に変わっていったりしなかった。んで、そのまま漬けといて、二三日後に戻ってたら、その漬けた近所に、葉っぱの化石が見つかったんだと思う。だから、化石に変わるには少なくとも二三日は必要だと結論を出したんだろう。
ところが、動物の化石が出来るにはもっと時間がかかるとも言っていた。確か、1年ぐらいはかかると言っていたと思う。きっと、蟹の死骸でも水に漬けてそのままにして数日後に戻って来たんだろう。そしたら、まだ石に変わっていない。んで、そんなことすっかり忘れて1年後くらいにその辺りに戻ってみたら、その近所で蟹の化石が見つかったんじゃないかな。「あっ、そう言えば、1年前にここで蟹の死骸を水に漬けてた」ってことを思い出して、それがこの蟹だってこのになったんだと思ったんだろう。だから、チャンんと実験の結果、蟹の場合な1年ぐらいで石に変わるんだって、実証的に理解したんだろう。
こと程左様に、大人と子供では時間の流れの速さが違い、現代人と江戸時代の人とでは時間の流れの速さが違っていたんだね。
歳の話のつづきですね。『北越雪譜』は持つてゐません。気が向いたら買つてきます。時間の感覚がずいぶん違ふのには驚きました(笑)。ダーウィンは『種の起源』第6章第9章で、化石の記録が自説に合致しないことで悩んでゐますが、この鈴木牧之くらゐの度胸があれば、もつとおもしろい本になつてゐたことでせう。平和を感じます。
御回答ありがたうございました。
No.8
- 回答日時:
虫めずる姫は生き物が好きなんじゃないかな。
そう、命が大好き。虫を気持ち悪がるような人間に育っちまったら、そりゃ親が悪い。命の大切さがわかんない人間になっちまったんだもんね。んで、その責任はほとんどの場合母親にあるとあやしゃ見た。子供が毛虫を見たりゲジゲジやゴキブリを見たりしてキャアキャア大騒ぎしているのを見ていると、大抵その母親も一緒にキャアキャア騒いでる。子供は親の真似をするからね。んで、父親にも馬鹿が時々いる。子供の目の前で、毛虫やウジ虫を踏みつぶす奴がいるもんね。大抵の子供は虫や動物に興味を持つんだが、植物には比較的興味が薄い。その理由を、あたしゃアメリカに渡って五十過ぎになってアメリカ人から盆栽を教わったときに判ったんだ。歳取って来ると十年なんてアッて間に過ぎちまうことが実感できるようになっている。んで、その目で植物を見てると、木なんか凄い勢いで成長しているんだっちゅうことが見えるんだね。んで、あたしゃ植物も動いてる、そう植物も動物の仲間で、だから命なんだっちゅうことが解っちゃったんだ。でも、子供には植物の動きを見るのはまだ無理だ。だから植物が動物の仲間だっちゅうことが解ってないから、虫や猿やウサギやライオンやゾウほどには興味がもてないんだね。
実は男に限っていると思うんだが、結婚適齢期になると男が植物の中でも花なんかに急に興味を持つことがあるらしい。あたしなんかそうだった。花の図鑑なんぞ買って来て一所懸命花の名前覚えて、家の上さんに解説してた。でも、これって、虫めずる姫のように命が好きだっちゅうんじゃなくて、ホルモンのなせる業なんだろうね。
君は野に咲くあざみの花よ 見ればやさしや寄れば刺す
わけりゃ二つの朝顔なれど 一つにからんで花が咲く
良い投稿をすればするほど意見が分かれるもんだ。これって学術論文でも同じ。あたしなんか査読者の意見が極端に分かれたときには大喜する。運営側も人間だ。いろいろ変なのがいるのは当たり前で、一石が投じられたのにビビってしまい、削除ってこともあるもんだ。運が悪かったと諦めて、自分の意見を披瀝する別の機会を探すんだね。
白だ黒だとけんかはおよし 白という字も墨で書く
丸い玉子も切りよで四角 ものも言いようで角がたつ
手前味噌になるのは承知の上で、あたしのからんだ女子高生の涙なみだのドラマを紹介しちまおう。
http://www.bussei-kenkyu.jp/pdf/02/1/0031-021101 …
の第3章に「査読者の意見が極端に分かれたときには大喜する」の具体的な例が書いてある。この論文の前半は専門的すぎるから、興味ある人以外は読飛ばしても良いかもしれん。
ウラジロがオモテにぎわす門の松
ウラジロがオモテにぎわす注連縄に 目出度き春の屠蘇のほろ酔い
御回答ありがたうございます。「皆の言うことの反対が常に正しいことを実証すること」といふ言葉がブログにありました。世間の常識とされるものは、どこか抜けてゐる、と感じることもあります。
>命が大好き。虫を気持ち悪がるような人間に育っちまったら、そりゃ親が悪い。
ごもつともです。植物への興味と、歳との関連は興味深く拝見いたしました。
>結婚適齢期になると男が植物の中でも花なんかに急に興味を持つことがあるらしい。
(笑)やはらかくてさりげないユーモアがcyototuさんの持ち味です。花に添へた短冊に都都逸をお書きになるのですか。
>運営側も人間だ。いろいろ変なのがいるのは当たり前で、一石が投じられたのにビビってしまい、削除ってこともあるもんだ。
質問者の主観によるベストアンサーの多い人が優遇されるのは変だ、第三者としての運営の客観的判断による削除の多い人こそ表彰されるべきだ、と以前提案したことがあるのですが、受け入れてもらへませんでした。
>この論文の前半は専門的すぎるから、興味ある人以外は読飛ばしても良いかもしれん。
「人生には、知らないほうが幸福なこともある。」この格言が私は好きです。むづかしい勉強を始めるとすぐにこの言葉を実践します。知識よりも実践こそが重要です。
>「査読者の意見が極端に分かれたときには大喜する」の具体的な例が書いてある
高校生とは思へませんね。研究そのものへの取組みはもちろん、論文投稿への熱意は私などには真似できません。内容だけではなく、通すためには「要領」が必要となるのは、どの世界も同じだと感じました。この高校生が良い先生にめぐりあへたものです。
末尾の一句一首は御自身の作ですか。人間、ひとりよりも大勢のほうが何かとおもしろいものです。
No.7
- 回答日時:
ID変わりました。
よろしくお願いします。羽が生えたらおしまいというのが理解できません。その後の寿命はそう長くないという意味でしょうか?世人が見た目の綺麗なものにこだわるのはその通りかと思います。
生きることが迷いである故に、真っ直ぐ生きるということに意味が生じる。
地を這う虫が羽化する故に、人はそれに意味を持たせて注視する。
羽が生えたら終わりなんてことはなく、羽が生える故にその虫の一生は全うされるのである。
この世が苦しみである故に、やさしさが重んじられる。
そういう意味で、真理の半分は苦しみである。
ただ観察するだけなら、そこに善悪はない。人の視点でものを見るゆえに、清濁、正邪、善悪が生じる。
ただ観察するのでもなく、人の視点でのみ観るのでもない。
真相を観るには両方を知った上で、自身の目をさらに澄ませて通徹しなければならないのでは。
>世の中の多くの人が「けがらはしい」「まちがひだ」「わるいこと」としてゐるものにこそ真実があるのではないでせうか。
真実というよりも、実像がそこにあるとは思う。真実とは、清濁、正邪、善悪を超えているものではないだろうか。
御回答ありがたうございます。
>ID変わりました。よろしくお願いします。
こちらこそよろしくお願ひいたします。ローマ字よりも読みやすいと思ひます。
>羽が生えたらおしまいというのが理解できません。
養蚕業者のビジネスモデルについての発言です。絹の生産が停止してしまひます。子孫を増やすことなどは抜きにして、ここはただそれだけの意味に思へます。
>この世が苦しみである故に、やさしさが重んじられる。そういう意味で、真理の半分は苦しみである。
あほなさんらしい御意見です。
>ただ観察するだけなら、そこに善悪はない。人の視点でものを見るゆえに、清濁、正邪、善悪が生じる。
いろいろな見方が必要です。状況にふさはしい対応ができるやうになるためには、多くの考へ方が身についてゐなければなりません。
先回のソクラテスこそが満足してゐる、という御意見はまさしくそのとほりだと思ひました。論点が狂つてしまふので、あのときはコメントしませんでしたが、ソクラテスは豚そのものです。奴隷の働きを消費して生きてゆきます。周囲の人に好き勝手、言ひたい放題、屁理屈をこねます。ずいぶん嫌はれて少数派です。死刑判決になつても逃亡せず、納得して満足したまま死んでゆきます。満足した豚の要件をすべて満たします。
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知らないことはすばらしい。知らないからこそ出せる意見がある。
これは私の投稿テーマのひとつなのですが、今回はあほなさんの回答にそれを感じましたので、回答番号20をベストアンサーにします。あほなさんの投稿はいつも自然体です。むづかしげな表現やネットの受売り情報で自分を実際より大きく見せようとしたりせず、背伸びがなく肩の力が抜けてゐて、気持ちよく読めます。だれしも読める本の量など限りがあります。邪念のない子供がはつとする言葉を出すことがあるのと同様、読んでゐない人の意見もきはめて貴重です。
認識を深めることが人の使命であり、その最大化が社会全体の幸福なのだ、とするやうな見解にはとうてい承服しかねます。認識を深めることも、認識を深めないことも、ともにすばらしいことだと思ひます。いろいろな人がゐるからこそ、そこから学ぶことができます。みなさま御回答ありがたうございました。