プロが教えるわが家の防犯対策術!

最近見かけなくなりましたが、よく駐車違反車両の前後いずれかのタイヤを吊り上げて残りのタイヤも補助輪のついた台車に乗せて牽引する方法のレッカー移動があります。

車好きの友人は、この方法では被牽引車(吊り上げて引っ張られるほうの車輌)に悪影響があるので、いわゆる積載車(荷台に車を乗せるタイプ)でないと駄目という意見を主張しています。

私自身は、そもそも走行中の車のタイヤを介して車体各所にかかる加重(ドライビングテクニックでいう荷重ではなく、単純に力学的な意味で)が相当なものであり、牽引中によほど急制動をかけない限りこの程度のことでサスペンションアームやシャーシが変形するようでは、そもそもの車体強度に問題があるということになるように思います。

勿論、牽引する側の車両の作業員の固定不備による落下損傷や、牽引中の運転の粗さに起因してアライメントが狂うなどのリスクはあると思います。

しかしながら落下損傷は別問題として、この程度のアライメントは再調整可能と考えています。

車輌の部品強度に詳しいかたの見解として、上記の牽引方法は正しく行えた場合であっても本当に被牽引車輌のシャーシやサスペンションアームなどが変形するリスクが本当にあるのかについて、教えていただければ幸いです。

参考に私が撮影した同様の牽引作業画像を添付しました。

宜しくお願いいたします。

「アンダーリフト式のレッカー移動車で牽引さ」の質問画像

A 回答 (1件)

クルマの研究で収入を得ている者です。


 守備範囲は変速機とエンジンを除く殆ど全ての研究ですが、所属している研究機関では、一応サスペンションとハンドリングの専門家と言う事になっています。

>私自身は、そもそも走行中の車のタイヤを・・・・車体強度に問題があるということになるように思います。

 御指摘通り。
  アレで壊れる様では、路上を何十万㎞も走れません。その御友人の話は、単にレッカー移動を見た感想に過ぎないでしょう(レッカーされる車両姿勢を見て『そんな気がした』か、或いは機械工学の知識などマルでないどこぞの雑誌の編集者が書いた記事とか、若しくはどこかの改造ショップの兄ちゃんが言っていたとか、その程度の話でしょう。)
 メーカーによって多少の差がありますが、量産乗用車の場合、世界的に静止荷重の2.5倍程度の荷重を各輪にかけてもサスペンションが永久歪み(=変形)を起さず、調整の為の可動部位も動かない様に設計されています。(故に、牽引によって『アライメントが狂う』ことも有りません。)
 あの牽引姿勢での各輪荷重を計算するなり計測するなりすればカンタンに判るのですが、とても2.5倍の荷重などかかりませんよ。いや勿論、レッカーしたままオフロードをすっ飛ばしたりジャンプしたりすれば、2.5倍の荷重を超える事もあるでしょうが・・・・そんな話は現実的ではありません。

 まぁ要するにこの話は、クルマ好きが全員正しい工学知識のあるメカヲタク、ってワケでは必ずしも無いということなんですが、実は、そういう工学と感覚が混同しているカーマニアの方って結構多く、仲間内ではその種の主張を『気がする工学』と呼んでいます。(『気がする工学』をアカデミックな工学と混同しているヒト達に限って『自分は自動車工学に精通している』と思い込んでいるケースが多く、ディーラやメーカに対して理論的・・・に一瞬だけ見えるクレームや提案をされて来ます。大切なお客様であり、こちらも啓蒙活動の一環としてなるべく丁寧に回答する様に心掛けていますが、なにしろ思い込みが激しい方が多く、正直なところ相手をするのが結構大変ですA^_^;)

 しかし現実には・・・・レッカー移動でアライメントが狂ったり、更には狂ったアライメントが調整し切れないというトラブルが、少数ながら発生しています。
 このトラブル、実は問題は牽引方法自体ではなく、牽引の為の車両の『拘束方法』にあります。
 SHIPPING時の拘束方法(出荷時に、船舶やカーキャリー等にクルマを固定する方法)はクルマの開発段階で一応考慮しますが、違反車のレッカー移動の場合、業務委託されているレッカー業者がどういう方法で車両を固定するか、メーカには全く判りません(ごく少数ですが・・・・クルマの開発サイドから見ると、愕然とする様な場所を拘束してクルマを固定する『レッカーのプロ』とも思えない業者もいます)。
 この問題は、残念ながらどうにもなりません。我々『クルマを作る側』が予想していない部位にタイダウンをかけて固定されると、案外カンタンにサスは狂います。
 これはあくまでも車両拘束方法の話なので、レッカーの方法が『積載車(荷台に車を乗せるタイプ)』かどうかなど関係ありません。
 仮にレッカー移動された結果クルマのアライメントが狂っても、いつアライメントが狂ったか?などは証明のし様がないので、ケーサツにクレームを入れるだけ無駄でしょう。
 一番の自衛方法は、不意にレッカー移動されない様にするしかありません。(要するに、勝手に移動される様な違反はしないのが自衛手段ということです。)
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この回答へのお礼

早々のご回答をいただき恐縮です。
また、大変詳しい解説内容でとても参考になりました。

もし可能であれば解説内容後半にある「拘束方法」についてもご教示いただけるでしょうか。

実は、掲載写真は恥ずかしながら先日イグニッションコイル劣化で自走をあきらめ、ロードサービスを手配した私の車両を撮影したものです。

この際業者のかたがおこなった拘束作業は、前輪はアンダーリフトと呼ばれるものを被牽引車輌前輪接地位置まで伸長させた後に治具を組み合わせ、前輪をすくい上げるようにして浮かせた状態にしてからダイダウンベルトを前輪左右それぞれのタイヤにたすき状に交差させてかけ、牽引移動中の振動でこの冶具から脱輪しないよう固定作業を行っていました。

このように車輪のみを固定し、他の部分(サスペンションアームやスプリング、ショックアブソーバー、タイロッドなど)には一切触れない方法は望ましい固定方法ととらえて良いでしょうか?

またこのような固定方法であれば、いわゆる「積載車(荷台に車を乗せるタイプ)」で見かける車輪に輪留めをかけている状態(ごくまれに念入りにホイールのリムとスポークの空隙から荷台側固定フックにダイダウンベルトで固定しているのを見かけます)と、同じ力のかかりかたになると思うのですが、この点は如何でしょうか?

お時間があるときにご教示いただければ幸いです。

お礼日時:2016/05/02 22:25

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