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倚音の上方に原音を置くことは和声の規則において避けるべきとされていますが、実際の楽曲で倚音の上方に原音を置いているものはあるのでしょうか?もしあれば楽曲名を教えていただけると嬉しいです。宜しくお願いします。

A 回答 (3件)

以前にもお話ししたと記憶していますが、和声学の規則は、4声体で基礎を学ぶときのみ厳格に適用されるもので、実際の作曲の際にはかなり違ってきます。

4声体の和声の基礎になっているのはパレストリーナやバッハの声楽曲の書法なので、これらの作品の中には、現在の和声学で禁じられているような音の使い方はまずないはずですが、それ以降の作品には出てきますし、後期ロマン派や近、現代の音楽になれば相当自由になってきます。
倚音の上方に原音がある配置というのも、実際の作品ではいくらでもあります。ただし、時代によってその方法には開きがあり、古典派やロマン派初期ぐらいまでは、そう好き勝手にぶつけているということでもありません。作曲家ひとりひとりが自分の独自の書法の中で方法論を持っている場合もあるでしょうし、上方の原音がどういう状態にあるかによっても衝突の目立ち方が違ってきます。音色の違う複数の楽器間での衝突は比較的目立ちにくいので、室内楽やオーケストラの作品では、高音域で完全な3和音が鳴ったままの状態で低音域に倚音を含む旋律が出てきてもまず問題ありません。鍵盤楽器の独奏曲の場合はやはりある程度目立つので、バッハやモーツァルトの作品では巧みに避けられているのが普通ですが、ベートーヴェンのピアノ作品にはありますし、それ以降のロマン派の作品ならいくらでもあります。
今私のまわりに置いてあって、すぐ手が届く楽譜を適当に開いて探して見使ったものをいくつか、画像で例に挙げてみます。ここにはベートーヴェンの例、次の回答でモーツァルトとショパンの例を出します。
「倚音の上方に原音を置くことについて。」の回答画像1
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この回答へのお礼

いつもわかりやすいご回答大変感謝です!
1つ疑問に思ったのですが中音域に倚音を含む旋律が出てきて高音域に原音がある状態も良くあることなのでしょうか?
宜しくお願いします!

お礼日時:2016/05/08 10:51

モーツァルトとショパンの例です。

「倚音の上方に原音を置くことについて。」の回答画像2
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「中音域に倚音を含む旋律が出てきて高音域に原音がある状態」というのは、No.1やNo.2で挙げたような例がそのままもっと高い音域に移った形という意味でしょうか。

それとも、「倚音を含む旋律が中音域に、原音が高音域に、そして低音域にさらに別の音がある状態」、という意味でしょうか。どちらもあると思いますが、いざ見つけようと思うと、行き当たりばったりに楽譜をめくっているだけではなかなか良い例が見つかりません。一応二つ例を挙げておきますが、倚音が下で原音が上という7度の音程関係が、聞いただけですぐにはっきりわかるほど裸の状態で出てくるという例は必ずしも多くはないでしょうね。後期ロマン派や近、現代の音楽ならたくさんありそうですが、この時代になると何でもありですから、御質問の趣旨からちょっと外れるような気がします。
譜例1段目は、リストの『詩的で宗教的な調べ』~第10番『愛の讃歌』の一部で、中音域に倚音を含む旋律(左手の和音の一番上の音)、高音域に原音、低音域に別の音がある例です。
2段目は、アルベニスの『スペイン組曲』~第6曲『アラゴン』の一部で、こちらは倚音を含む旋律の音域が高いだけで、その下の音域には音はありません。たぶん、1段目のような例についてお聞きになったのではないかと思いますが、一応両方出しておきます。
「倚音の上方に原音を置くことについて。」の回答画像3
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この回答へのお礼

助かりました

お礼遅れてしまってすみません!
今回も楽譜まで添付くださり大変わかりやすかったです!いつもいつも本当にありがとうにございます!

お礼日時:2016/05/12 21:28

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