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質問させていただきます。
非常に基礎的な質問で申し訳ございません。
ふと疑問に思ったのですが、プラスチック(代表例としてポリエチレンなど)は純物質でしょうか?

「ガラスやプラスチックは一定の融点を持たない」と教科書に書いてあり、なるほどと思ったのですが、ガラスは混合物だからいいとしてプラスチック(ポリエチレン)はCH2だけで構成されておりますし、純物質なのかな?、と何となく思っていたので分からなくなってしまいました。(高分子化合物って言うくらいなので、化合物ですよね)
「化合物と単体を指す純物質は、一定の融点を持つ」はずなので、あれれ、プラスチックは?という感じです。

勉強不足で申し訳ございませんが
1、プラスチックは純物質なのか?
2、純物質ならなぜ融点が一定ではないのか?
(「純物質は一定の融点を持つ」という教科書の記述には例外があるのか?)

以上二点をよろしくお願い致します。

A 回答 (4件)

プラスチック(ポリエチレン)は純物質か?


厳密に言えば、耐候性、耐熱性を向上させたりするために、微量の添加剤を加えている場合が多いので混合物ですね。
微量の添加剤は無視すると、ポリエチレンは成分的には単一です。
しかし、一般に合成高分子は、色々な分子量のものが混ざったものです。
プラスチックのポリエチレンの場合も色々な分子量のポリエチレンの混合物です。
またABSというプラスチックのように、高分子同士を混合させたものもあります。
低分子で比喩すれば、ヘキサンとヘプタンは共に炭素と水素だけから成る飽和炭化水素ですが、これらの混合物と同じような位置づけと考えられます。

純物質ならなぜ融点が一定ではないのか?
ポリエチレンは、通常融点を持っています。
添付の資料によると融点は414.6K つまり141.6℃です。
http://takahara.ifoc.kyushu-u.ac.jp/講義資料/高分子化学第二/poly2_6_2009.pdf#search=%27高分子の融点%27

高分子には、結晶部分を持っている結晶性高分子と結晶しているところ(部分)がない非晶性高分子があります。
融点は、結晶が融解する温度なので、非晶性高分子には融点がありません。
結晶性高分子は、結晶している部分と結晶ではない非晶部分があります。どれだけ結晶部分が存在しているのかが結晶化度です。
結晶化度は、製法によってことなります。一般に低密度ポリエチレンでは60%程度、高密度ポリエチレンでは90%前後と言われています。
高密度ポリエチレンは、結晶部分が90%程度を占めているわけで、当然融点があります。
混合物でも、結晶物質の混合物ならば、各々の融点が観察されます。
融点の有無は、混合物か純物質かではなく、結晶の有無なのです。
一般のガラスはSiO2を主成分としてた各種金属酸化物の混合物です。融点は存在しません。
それは結晶がなく、全て非晶性だからです。
このような非晶性の物質のことをガラスというので、高分子の非晶性が低温で固まった状態のことをガラス状態と言います。
SiO2が結晶すれば石英で、これは融点を持っています。
また、一部のガラス製品には、結晶を含んだものがあり、これは融点を持っています。
結晶性ガラスという、ちょっと違和感のある名前が付いています。
(ガラスというのは本来結晶を持たないというニュアンスがあるのにもかかわらず、結晶を持っているガラスですからね)

融点の有無は、結晶部分の有無ということですが、教科書の「ガラスやプラスチックは一定の融点を持たない」という記述について考えてみます。
ポリエチレンの結晶は、一つの大きな結晶ではなく、結晶部分が細かく分かれていて、細かい結晶部分が集まった多結晶構造をしています。
先ほどのSiO2で言えば、石英は多結晶、大きな単結晶にあれば水晶ですね。
各結晶には融点が存在します。しかし結晶の大きさによって僅かに融点は異なります。融解の開始温度が僅かに異なります。
それ故、低分子の純物質の融点に比べ、吸熱ピークが幅広くなりがちです。
製法によって、結晶状態が変化し、融点が少し異なる場合があります。
プラスチックの種類によって、結晶の状態が製法の影響を受けやすいものと受けにくいものがあり、影響を受けやすいものは
融点が◎℃〜◎℃の範囲と記述されることもあります。
このことを言っているのかもしれませんね。
でも、プラスチックといえども融点を持っているものがあるのは事実ですよ。
各種プラスチックの融点です。
http://www.toishi.info/sozai/plastic/hr.html

ところで、プラスチックの中には、フェノール樹脂(ベークライト)、メラミン樹脂などのように、一旦熱を加えて硬化させると
加熱によって流動化しない熱硬化樹脂というものがあります。
このような熱硬化樹脂は、一般に融点は存在せず、融点に達する前に熱分解してしまいます。
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この回答へのお礼

ご回答有難うございます。
何度も理解できるまで読み返します!(ご回答が分かりにくかったのではなく、内容が充実しててとても勉強になるからです)
20を過ぎてから再び化学を一から勉強することになりましたが、子供っぽい疑問にもここまで鋭くお答え頂き、化学って面白いなあと思わされました。
試験が終わったあとも細々と本などを読み続けてみようと思います。
ありがとうございました。

お礼日時:2017/07/17 18:15

純物質の特徴として”一定の融点を持つ”ということを挙げておられるのですが、


プラスチックなどでは、例えば、ポリエチレン[-C-C-]n はnの数すなわち分子量で融点を含めた性質が異なってきます。

石英ガラス(石英が主成分のガラスで厳密には純物質ではない)もガラスのような融点が明確に決められない特徴を持っています。
また、ゴム状硫黄も硫黄の鎖の長さが異なるものをひとまとめにゴム状硫黄として扱ったりしています。
ろうそくのパラフィンなどもポリエチレンと同様な分子構造を持っていますが、炭素鎖が約28前後と短くその長さによって融点が異なり、アルカンの混合物のような単体とも言えるような…。

変な例外的なものを挙げたのですが、プラスチック高分子のようなものやガラスのよう性質を示すもの等について、物性から単体か混合物かを判断するのは難しいと思います。
教科書の記述は、正しいと言えばそうなのですが例外な物質もあります。
純物質の定義をしっかり定めないと高分子のものは判断できないですね。
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この回答へのお礼

ご回答有難うございます。
化学カテゴリの皆様はとてもわかりやすく、しかもこの先の学習研究に繋がりそうなご回答をして下さるので「凄いなあ」と(質問したくせに他人事っぽく……)思ってしまいます。
石英ガラス、ゴム状硫黄、確かに勉強したことはありますがイマイチ関連付けられなくて、ご回答でなるほどなあと思いました。
たいへん助かりました。有難うございます。

お礼日時:2017/07/17 18:08

1.はい、プラスチックは純物質の中の化合物になります。

それも高分子化合物(分子量が10000程度以上の化合物)です。
2.高分子化合物は固体として結晶部分(かたい部分)と非結晶部分(柔らかい部分)があるのですが、この割合は一定ではありません。非結晶部分が多かったり、一定の分子量をもたず分子量が分布している場合などさまざまです。よって明確な一つだけの融点は持ちません。

つまり純物質には単体と化合物があるが分類されるものすべてが同一の条件をもつのではないということです。
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この回答へのお礼

ご回答有難うございます。
簡潔でわかりやすいお答えでたいへん助かりました。
特に最後の一文が教えて頂きたかったことで、とても納得致しました。
ありがとうございました。

お礼日時:2017/07/17 18:04

まず、純物質ってものが現実的にあるのでしょうか?


一級なり特級試薬だって教科書に成分表でも載ってたりするんですか?
理想ないしは理論はその通りになるはずってことで、
それを実際確認した人がいるのか?という話です。
ポリエチレンなんて限りなく純物質でよいと考える人と、
実際製造している人は、全く頭の構造から違うと思いませんか?
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この回答へのお礼

ご回答有難うございます。
意見が分かれるところ、厳密な区分わけがあまり意味をなさない部分だったのかも知れません。
「テストで聞かれたらどうしよう……」という非常に不純な動機で気になっていたのですが、皆様のご回答でとても知識が深まりました。
有り難うございます。

お礼日時:2017/07/17 18:01

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