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①財市場ではGDPが決まるといわれているのはなぜですか?
財とサービスの取引する市場なのであれば、いの一番「価格」が決まりそうなものですが。

②また、貨幣市場で利子が決まる理由をおしえてください。

よろしくお願いいたします。

A 回答 (2件)

>①財市場ではGDPが決まるといわれているのはなぜですか?


確かに投資等が外生的に与えられる「単純化」された世界(単純乗数マクロモデルの世界)ではそうです。そのときの財市場の均衡は
Y=C+G+I
で与えられ、(単純化された)消費関数をC = a + cYと書くと、均衡においてGDPは
Y=(a+G+I)/(1-c)
と、財市場だけで定まる。1/(1-c)を乗数という。
しかし、投資Iが利子率rに依存し、家計が消費―貯蓄の選択だけでなく、資産(債券と通貨)についても選択が行われるような、より「複雑化」された世界(IS-LMマクロモデルの世界)ではGDPは財市場だけでは決まりません。財市場と貨幣(通貨)市場の相互作用の中で決まります。IS-LMモデルというのを勉強したことがあるでしょう。利子率rを縦軸に、GDPであるYを横軸にとると、財市場の均衡を示す、右下がりのIS曲線と通貨に対する需給の均衡を示す、右上がりのLM曲線との交点でYとrが同時に決ります。財市場の均衡を示すIS曲線だけでは均衡GDPの水準は決まりません。

>②また、貨幣市場で利子が決まる理由をおしえてください。
家計は所得をいくら消費にまわし、いくら貯蓄にまわすかの選択だけでなく、資産を貨幣(通貨)でいくら保有し、債券でいくら保有するかの選択もする。(単純マクロモデルではこの選択は省略される。)全額通貨で保有すると取引には便利だが、通貨は利子を生まないので、債券から得られる利子を放棄することになる。したがって家計にとって利子(利子率)とは通貨保有のコスト(経済学では機会費用という)なのです。利子率が高ければ高いほど、通貨保有のコストは高くつくことになる。通貨にたいする需要を横軸に、通貨保有の価格である利子率を縦軸にとるなら、通常の財(たとえばリンゴ)に対する需要曲線のように右下がりの曲線となる。リンゴに対する市場と同様、利子率は通貨の需給によって決定される。ただし、リンゴとはちがって通貨の供給は通貨当局(中央銀行)によって決定される。

>財とサービスの取引する市場なのであれば、いの一番「価格」が決まりそうなものですが。

あなたが真っ先に習うマクロ経済学(ケインジアンのマクロモデル)では、物価あるいは賃金は硬直的(sticky)と想定され、したがって単純化されたマクロではあるいはIS-LMモデルでもそうですが、財の需給は第1義的には財の数量が動くかたちで調整がなされるのです。物価あるいは賃金はフィリップ曲線で示されるようなかたちで緩やかに変化していくのです。物価を硬直的とするモデルにするか、賃金を硬直的とするモデルするかでは若干意味合いに違いがあります。後者では物価は需給に財にたいする需給の変化は価格にもあらわれるので、総需要曲線と総供給曲線を描くことができ、総需要の変化(たとえばGの変化)が物価に与える影響が分析できます。
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回答NO1への追記です。


GDPが財市場だけでは決まらないように利子率も貨幣(通貨)市場だけでは決まりません。財市場の均衡を示すIS曲線と通貨市場の均衡を示すLM曲線の相互作用の中で、つまりIS曲線とLM曲線の交点で、Yとrが同時に決ります。通貨に対する需要は利子率だけでなくGDPにも依存するからです。通貨に対する需給を示すLM曲線を式(記号)で書くと
M/P=L(r,Y)
と表わせる。左辺のM/Pは通貨の実質供給、右辺は通貨への実質需要L(r,Y)であり、利子率rと所得(GDP)Yの関数であることを示している。通貨にたいする需要がrに依存するのは回答1で書いたように、利子率rは通貨保有の(機会)費用だからですが、同時に所得(GDP)にも依存するのはGDPが大きくなると、取引手段としての通貨がそれだけ大きく必要となるからです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2018/02/26 02:46

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