A.この文における格助詞「に」は、会議の始まりを5時と時間的に位置付ける認識を表している。(アスナロウ)
という解釈があります。
文中の「位置付ける」は、
物の占める場所をある地点に定める。配置する。「展示物を正面に━」
という意味の他動詞。(明鏡国語辞典)
この語釈に則って言い換えると上記の文は、
( A-1 )この文における格助詞「に」は、「(会議の)始まるという動作の占める位置」を「5時」という(時間としての)地点に定める、という認識を表わしている。
と言い換えることができる。この場合、
「始まるという動作の占める位置」が、格助詞「に」によって、どことも定まっていない地点から移動して「5時」という(時間としての)地点に着地した。
というムーブメントが存在していることに着目していただきたい。
体操じゃありませんが、「始まるという動作の占める位置」がピタッと「5時」という(時間としての)地点に着地して静止しているイメージ。
「5時」は「始まるという動作の占める位置」が着地する地点ですから、「5時=着点」となります。
つまり、上記 A は、
B.この文における格助詞「に」は、「5時」が「(会議の)始まるという動作の占める位置」の時間的な着点である、という認識を表わしている。
と言い換えることが可能なのであり、さらに、
( B-1 ) 格助詞「に」は動作・作用の着点(という認識)を表わす。(hakobulu)
と、「に」の本質的意義に関して極めてシンプルに、且つ、より正確に言い換えることができるわけです。
◆
「会議は5時に始まります」の場合、
「始まるという動作の占める位置」が「に」によって「5時」に着地したからこそ、「始まる」という動詞の意味から「5時」が(結果的に!)開始点となり得るわけです。
「始まる」という動詞だから「5時」が開始点になるのであって、「終わる」なら到達点になる。
「に」の本質的意義が着点だから到達点になるのではなく、「終わる」という動作だから(結果的に!)到達点になるのです。どちらの場合も「に」の本質的意義自体はあくまで着点です。
「会議は5時から始まります」の場合は、「5時」が(結果的にではなく!当初から)開始点として認識されている。
「から」はその後の時の経過を想定しつつ開始点を表わす、と表現しても良いでしょう。
「に」の場合その後の時の経過は想定されていない点が決定的な違いです。
あくまで着点として「5時」で静止している。
よって、
「会議の始まる時間は?」に対して、
「5時から始まります」は厳密に言うと間違い。
「5時に始まります」が正しい。
辞書では「会議は5時に始まります」は(時を表わす)のような語釈で分類される場合があります。
以下、同様に、
「家―たどりつく」(帰着点を表わす)
B.この文における格助詞「に」は、「家」が「たどり着くという動作の占める位置」の空間的な着点である、という認識を表わしている。
「アパート―住む」(場所を指定する)
B.この文における格助詞「に」は、「アパート」が「住むという動作の占める位置」の時間的な着点である、という認識を表わしている。
「魚釣り―行く」(目標を指定する)
B.この文における格助詞「に」は、「魚釣り」が「行くという動作の占める位置」の目標としての着点である、という認識を表わしている。
「あまりのうれしさ―泣き出す」(原因を表わす)
B.この文における格助詞「に」は、「あまりのうれしさ」が「泣き出すという動作の占める位置」の心理的な着点である、という認識を表わしている。
「先生ー本をもらった」(《受身や授受の表現とともに使って》動作をしかけてくる側の物事を表す。)
B.この文における格助詞「に」は、「先生」が「もらうという動作の占める位置」の空間的な着点である、という認識を表わしている。
などなど。
因みに、「もらうという動作の占める位置」が「に」によって「先生」に着地したからこそ、「(私が)もらう」という動詞の意味から「先生」が(結果的に!)開始点となり得るわけです。
「(私が)もらう」という動詞だから「先生」が開始点になるのであって、「(私が)あげる」なら到達点になる。
「に」の本質的意義が着点だから到達点になるのではなく、「(私が)あげる」という動作だから(結果的に!)到達点になるのです。どちらの場合も「に」の本質的意義自体はあくまで着点です。
このように辞書語釈は、それぞれのシチュエーションを想定して項目を立てていますが、どの場合も、
【 格助詞「に」は動作・作用の着点(という認識)を表わす】
という点で通底しています。
このように「に」にとって必須である着点という概念は、たとえば、上記例においては、
※会議は5時から始まります・会議は5時より始まります
※家へたどりつく・家までたどりつく
※アパートで住む
※魚釣りへ行く
※あまりのうれしさで泣き出す
※先生から本をもらった
などとの比較という点でも有効性を発揮することでしょう。
真理はいつもシンプルである、という言葉があったような無かったような。
以上、着点について一度私見をまとめておきたかったのですが、みなさんのご感想・ご見解を伺うことができれば幸いです。
反論も大いに歓迎いたしますのでよろしくどうぞ。
A 回答 (20件中1~10件)
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No.20
- 回答日時:
>>弁証法などと大上段に振りかぶる必要はないと思いますけどね。
その結果がご覧の通りの体たらくです。
辞書の見出し「に」には着点も動詞もありません。点や動詞には対象の概念が対応しています。では、格助詞「に」に対応する概念は?ということです。■
No.19
- 回答日時:
>>その箇所は読みましたし理解できていますよ。
『感覚的に感じられる』のではなく『論理的に理解』できています。
であれば、そんな言い換えが誤りであることは自ずと明らかなはずなのですが?
>>このメカニズムを把握せずに言語を語るのは誤りである、という批判では?
その通りです。最初から指摘しておりますが?
No.10
言語とは何か、文法とは何か、語とは、文とはという基本をまず正しく理解しましょう。それなしに、思い込みをあれこれ並べ建てても何の意味もありません。
ということです。
>>いずれ、具体的に批判してみましょう。
期待しております。なにをいまさらですが。
本来は、当方の格助詞理解に誤りがあるというのであれば、その批判に基づき展開されるべきということです。■
No.18
- 回答日時:
どのような論理が必要かを記しておきましょう。
絵画や映画のような表現も、言語表現も、眼なり耳なり相手の感覚に訴えることに変わりはありません。言語は超感性的な面での表現であるにもかかわらず、相手の感覚に訴えるためにはどうしても感性的なかたちを使って表現しなければなりません。これは一つの矛盾です。が、この矛盾を実現させなければ言語表現は成立しません。したがって言語は、言語本来の表現である普遍的な面での表現の他に、特殊的な感性的なかたちの創造としての表現をもかねそなえた、二重の表現として成立します。(『日本語は~』p52~)
この調和する矛盾、対立物の統一という弁証法の論理が必要です。この辺が感覚的に感じられるようにならないとループから抜け出せないでしょうね。■
ご回答ありがとうございます。
その箇所は読みましたし理解できていますよ。
『感覚的に感じられる』のではなく『論理的に理解』できています。
弁証法などと大上段に振りかぶる必要はないと思いますけどね。
客体的実体と感性的認識のアウフヘーベンによって言語は成立している、とでもおっしゃりたいのですかね。
助詞・助動詞は、そのアウフヘーベンの典型であり、このメカニズムを把握せずに言語を語るのは誤りである、という批判では?
しかし、そのメカニズムを把握していないように見えるのは、アスナロウさんの勘違いです、と申し上げているところ。
『格助詞「に」の意義とは何か-機能主義言語論の混迷』にも、その勘違いが顕著に表れています。
いずれ、具体的に批判してみましょう。
No.17
- 回答日時:
>>つまり、そのループに論理的妥当性があるかどうかを論じ合うのが議論というものなわけ。
そこから逃げるから何の進歩も発展もないことになる。
妥当性がないと最初から言っているのが理解できない以上、抜け出すことはできません。そのためには、言い換えではなく論理が必要です。
抜け出すことが進歩です。■
No.16
- 回答日時:
こういう言い換えをするということは、先に指摘の通り、言語表現の規範による媒介の構造が根本的に理解できていないということです。
■ご回答ありがとうございます。
【質問】
(ア)格助詞「に」は、動作の空間的・時間的な位置付けの認識を表わす。
この文は、
(ア-1)格助詞「に」は、(「に」の前の語が、「に」の後に続く)動作の空間的・時間的な位置付けの認識を表わす。
という意味であることには同意しない、という意味ですか?
それとも、何を言っているかわからない、という意味ですか?
どちらです?
No.14
- 回答日時:
>>わたしの記述に論理破綻している箇所はありません。
そうですね。
自己の思い込みの中でループしているだけなので破綻など原理的にありえません。したがって、進歩、発展もありません。単なる信仰であり中世神学のスコラ学の域に達しています(←少し持ち上げ過ぎ:笑)。これがパラダイム思考の典型です。
これを遁れる術は事実との照合と、それを支える論理による他ありません。
だからこそ臆面もなく視点や切り口を変えて同じことを毎回繰り返すことができ、逃げ回る必要はありませんが?(笑)
理解できますか?■
ご回答ありがとうございます。
>自己の思い込みの中でループしているだけなので破綻など原理的にありえません。
:
たまには良いこと言いますね。
まったくそのとおり。
つまり、そのループに論理的妥当性があるかどうかを論じ合うのが議論というものなわけ。
そこから逃げるから何の進歩も発展もないことになる。
そもそもアスナロウさんは論理だてが不得意のようですね。
「臆面もなく視点や切り口を変えて同じことを毎回繰り返す」ことが「逃げ回る」と同義になるわけないでしょ?
しかも、「同じことを毎回繰り返している」のではなく、「同じことについて切り口を変えて述べている」のであり、切り口を変えるのは誠意の証です。
少しは見習い給え。(笑)
できないことを無理にやれとは言いませんけどね。
たくさん質問しても混乱するだけのようですから、極めて簡単な、しかし最重要の点ひとつだけに絞って差し上げましょう。
イエスノーで端的にお答えください。
【質問】
(ア)格助詞「に」は、動作の空間的・時間的な位置付けの認識を表わす。
この文は、
(ア-1)格助詞「に」は、(「に」の前の語が、「に」の後に続く)動作の空間的・時間的な位置付けの認識を表わす。
という意味であることには同意しますか?
No.13
- 回答日時:
>理解してもらうために視点や切り口を変えて言っているのですから、そのへんのところをちゃんと読んでもらわないと論議になりません。
だから、誤った思いこみに基づき、視点や切り口を変えて何度言葉遊びをしても同じことの繰り返しですよということです。
他の回答者も呆れて無視されているのが理解できませんか?
破綻してるとは思わないのですか???
せっかく指摘してあげたのですから、素直に受け止めて、基本をきちんと理解しなければ進歩はありません。(嘆)■
ご回答ありがとうございます。
>破綻してるとは思わないのですか???
:
アスナロウさんの論理が破綻しているという意味で申し上げたのですが、オウム返しされてもねえ。(笑)
わたしの記述に論理破綻している箇所はありません。
だからこそ逃げ回っているわけでしょ?(笑)
聞かれたこと以外もあれこれしゃべりまくる割に、ちょっと都合が悪い質問には、あれこれ屁理屈唱えて完全スルーときたもんだ。
まったくわかりやすいお方ですな。(笑)
>他の回答者も呆れて無視されているのが理解できませんか?
:
って、これはアスナロウさんが他の人からよく言われているセリフじゃありませんか!(笑)(笑)
ひょうきんなお方ですな。(笑)
No.12
- 回答日時:
>>まだ、何か言いたいなら、最低限、下記の質問に答えてからにしましょう。
論点を外しちゃあいけまんせんや。基本中の基本でしょ?まだ、何か言いたいなら、最低限、これまでの指摘をきちんと理解してからにして下さい。無理解を言葉遊びで逃げ回っちゃあいけまんせんや。
質問者の回答者に対する基本中の基本でしょ?■
ご回答ありがとうございます。
>まだ、何か言いたいなら、最低限、これまでの指摘をきちんと理解してからにして下さい。
:
いや、だから、その論理がおかしいっつってんの!(笑)
「これまでの指摘を」理解するために色々質問しているわけだから、それに答えずに、「これまでの指摘をきちんと理解してからにして下さい。」と言うのは、まさに、
『「らしい」にはなぜ未然形が無いのでしょうか?』という質問に対して、
《助動詞の「らしい」には未然形が無いということです。》と答えるのと同じこと。
破綻してるとは思わないのですか???
せっかく指摘してあげたのですから、素直に受け止めて、今後の精進の糧にしていただければ嬉しいのですが。(笑)
いずれにせよ、(怒)が収まったらまた回答頼みます。
理解してもらうために視点や切り口を変えて言っているのですから、そのへんのところをちゃんと読んでもらわないと論議になりません。
No.11
- 回答日時:
>答えられなくて逃げの態勢に入りましたか?(笑)
>極めて重要な下記の質問群が完全スルーなのは、どゆこと???(笑)
同じことを繰り返しても無意味です。(怒)■
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「に」に関する辞書語釈を見るたび、すべての用法において「動作・作用が落ち着いて止まる先を表わす」という共通点があるように以前から感じていましたが、「着点」という用語(発想)自体は、杉村泰氏『イメージで教える日本語の格助詞』で知ったものです。
氏曰く、
《 一般に格助詞「に」には多くの意味役割が付与されている。しかし、これら
は全て〈着点〉という一つのプロトタイプ的意味に還元することができる。》
https://www.lang.nagoya-u.ac.jp/proj/sosho/1/sug …
内容を精査しているわけではないので杉村氏の意図とは異なる記述になっているかもしれませんので、その点あらかじめお断りしておきます。
> 「5時<に>シドニー行きの飛行機<に>乗ろうと思う。
「5時に」は時間的な位置づけ。「飛行機に」は「乗る」という動詞の「帰着点」です。
:
個別文の意味としてはわかりやすい語釈と言えます。
大辞林では「時を指定する」と。
ただ、「本質的意義」としてはひとつである必要があります。
「飛行機に」が帰着点となり得るのは、「乗る、という動作の占める位置」が飛行機という空間的な着点を得たからです。
「飛行機に憧れる」の場合は帰着点とは言いづらいでしょう。
「5時に」は、辞書的には5時という時を指定しているとなりますが、「乗る、という動作の占める位置」が時間的な着点を得ている形。
どちらの場合も、本質的意義として、
( B-2 ) 格助詞「に」は(「に」の前の語が)(「に」の後に続く動詞の)動作・作用の着点(という認識)を表わす。
ということ。
うまく表現できませんが、とりあえず。
いやどうも失敬。
肝心の【質問】の箇所を以下のように訂正します。
〇
【質問】
(ア)格助詞「に」は、動作の空間的・時間的な位置付けの認識を表わす。
この文は、
(ア-1)格助詞「に」は、(「に」の前の語に、「に」の後に続く)動作を空間的・時間的に位置付けるという認識を表わす。
という意味であることには同意しますか?