この人頭いいなと思ったエピソード

量子力学の3次元デルタ関数型ポテンシャルの散乱に関して、Lippmann-Schwinger(LS)方程式を用いて解を求めると exp(ikz)+C*exp(ikr)/r となりました(Cは定数)。しかし、この解だとr=0で発散してしまいます。この解は物理的に許容できるもの(あるいは、許容すべき)なのかがわかりません。また、許容できない解であれば正しいものを教えて頂けると幸いです。

質問者からの補足コメント

  • 1/rでのr→0の発散を微小量εを用いて1/εと定義して散乱解gを
       g=V/(4πε) + exp(ikz) + C exp(ikr)/(4πr) ,
    と発散を打ち消すような定数を加えたものを考えると取り合えず
    正則化が出来るように思えるのですが、無理矢理のような気もします。

      補足日時:2021/08/22 15:12
  • 英語"3d delta function scattering"で検索かけたら論文がみつかりました。
    "Exact Green’s functions for delta-function potentials and renormalization in quantum mechanics," R. M. Cavalcanti.
    https://arxiv.org/pdf/quant-ph/9801033.pdf

    内容は理解できていませんが「繰り込み」が必要なようです。

      補足日時:2021/08/22 22:13

A 回答 (9件)

>剛体球と同じ結果になってしまいました。


#8と重複する話ですが、散乱そのものを無視する近似をしたら、それはただの自由粒子です。剛体球から出発しても量子井戸から出発しても、同じ自由粒子になるのは何もおかしな話ではありませんよね。要は散乱体の大きさ<<波長の時には、回折して散乱体の裏に回り込むのでほぼ素通りしてしまう、というだけの話です。

文脈によっては素通りすると思っても良いでしょうが、散乱に着目したいのなら素通りすると思う事などできません。

計算が楽な剛体球の方だけ言及しますが、
>0 = B_l [cosδ_l j_l(ka) - sinδ_l n_l(ka)]
これを解けば
tan(δ_l)=j_l(ka)/n_l(ka)
となりますよね。
a→0で右辺が0になるからとtan(δ_l)≒0とするのではなく、
tan(δ_l)∝(ka)^(2l+1)
と最低次の項だけは残して下さい。l≧1については高次として無視して良い事もあるでしょうけどね。l=0まで無視したら散乱を考えた事にならないのです。


> これに関して具体的な方針ってあるのでしょうか?
上手く行くとしたら確率の流れのr方向の成分が0とする事でしょうね。導体表面に課したΨ=0の条件から自動的に満たされるからあらわに考えない、というだけでこの条件を考えなくて良い訳じゃないですからね。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
散乱についてもう一度勉強してから考えたいと思います。
いろいろ親切に教えて頂き、ありがとうございました。

お礼日時:2021/08/28 16:04

一応、剛体球の半径を0にする極限はδ関数ポテンシャルのケースとは一致しないはずですが、その点は大丈夫ですかね。


※話の流れ的にはδ関数ポテンシャルと一致する事を想定しているような感じはないですが念のため。境界条件の考え方の確認としては良い例だと思います。

お書きの内容については間違った事は言ってないようには見えますが
ひょっとしたら

散乱体の大きさが小さくなると、散乱が弱くなります。そこで散乱そのもの(散乱波)を無視する事にしましょう。すると入射波の平面波だけが残ります。
平面波は球ベッセル関数たちの和で書ける(部分波展開)ので、確かにn_l(球ノイマン関数)の成分は残っていません。

という事を言ってるだけかもしれません。
間違った事は言ってませんが、散乱そのものを無視する近似が今の場合に適切かどうかは別の話です。

※散乱体の大きさを0にする極限で、本当に散乱波の項が全て消えてしまうのかは確かめていませんが、断面積がa^2に比例するはずなので直感的には消えそうな気はしています。また仮に残ったとしても原点で波動関数が連続である(波動関数が0になる)という条件が残らないと思うので、この方向で散乱波を求めようとするとr=0での境界条件をどう決めるか別途考える必要がありますね。



球外部の波動関数は
入射波(=平面波)+散乱波
の形になっています(平面波以外の項をまとめて散乱波と呼んでるだけです)。

散乱波の項は球ベッセル関数と球ノイマン関数の線型結合で書く事もできますが、今は球ハンケル関数(第一種と第二種)の線型結合で考えた方がr→∞の境界条件が分かりやすいです。
球ハンケル関数はそれぞれr→∞でexp(±ikr)/rの漸近形を持ちますが、exp(-ikr)の方は-r方向への進行波を表します。散乱波を考えているのだからその係数は0でなければなりません。結果としてexp(+ikr)/rと振る舞う方だけが残ります。その係数の値は球表面での境界条件から決める事になるわけです。

剛体球の時には
平面波+定数×球ハンケル関数 (←#7では"球"が抜けてました)
が球表面で0になる、という条件からを係数が決まる事になるわけです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

>一応、剛体球の半径を0にする極限はδ関数ポテンシャルの
>ケースとは一致しないはずですが、その点は大丈夫です
>かね。
先ず練習として剛体球にしてみました。

以下井戸型ポテンシャルで見てみました。
α=(2m(E+V0))として動径方向の連続性から
  A_l j_l(αa) = B_l [cosδ_l j_l(ka) - sinδ_l n_l(ka)],
導関数の連続性から
  α A_l j_l(αa) = k B_l [cosδ_l j’_l(ka) - sinδ_l n’_l(ka)],
という関係が得られます。
※球ベッセル・ハンケル表示ですみません。

a→0の極限を考えます。V0~V/a^3なのでαの振る舞いは
  α ~ β/a^(3/2),
となります。これを考慮すると動径方向の連続性の式は
  A_l sin(β/a^(1/2) - lπ/2)
  ~ k^(1/2) β B_l [ cosδ_l (ka)^(l-1/2) / (2l+1)!!
    - sinδ_l (2l-1)!! / (ka)^(l+3/2)],・・①
となります。導関数の連続性は
  A_l cos(β/a^(1/2) - lπ/2)
  ~ B_l [ cosδ_l l (ka)^l / (2l+1)!!
    + sinδ_l (l+1) (2l-1)!! / (ka)^(l+1)], ・・・・②
となります。①、②よりa→0での発散をなくすために
  sinδ_l = 0,
である必要があります。また、a→0で①, ②の右辺は振動
するので
  A_l = 0,
となります。さらに
l=0でB_l=0, l≠0でB_lは任意,
となり、剛体球と同じ結果になってしまいました。

>原点で波動関数が連続である(波動関数が0になる)という
>条件が残らないと思うので、この方向で散乱波を求めようと
>するとr=0での境界条件をどう決めるか別途考える必要が
>ありますね。
なるほど。これに関して具体的な方針ってあるのでしょうか?
B_l ~ b1_l + b2_l a + ・・・とか係数にa依存性を持たせて
球ハンケル項を残すとかでしょうか?

お礼日時:2021/08/24 21:36

>ただ、半径aの球対称井戸型ポテンシャルの解はr=0で正則なものを取り扱っているのでa→0の極限をとって発散しないように考えるとr=0で正則な球ベッセルしか残らず、球ハンケル項(の係数)は消えてしまうようです。



球ベッセル関数しか残らないのは原点を含む球内部の話なので、球外部で球ハンケル関数が消える理由はありません。


球内部での波動関数は 定数×球ベッセル関数
球外部での波動関数は 平面波+定数×ハンケル関数
の形になります。平面波を部分波展開して、l=0の項について(必要なら各lについて)r=aで波動関数とその微分(rでの微分)が連続になるという条件から式が2つ得られ、求めるべき定数も2つなので何の問題もなく求まるはずです。

細かい式まで書くのは大変なので、大まかな話しか書いていませんが、
「3次元量子井戸 散乱」
などで検索すれば日本語の資料もいくつか見つかるようです。詳細はそちらをご覧下さい。
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この回答へのお礼

デルタ関数型ポテンシャルと半径aの球対称井戸型
ポテンシャルを空間積分すると以下のようになります。
  ∫dX' Vδ(X')=V,        ・・・①
  ∫dX' U(X') = (4π/3)a^3 V0. ・・・②
両式が一致すると
  V0 = (3/4π)V/a^3
となり、Vの値を固定するとV0 ~ 1/a^3(a→0)で
発散することになります。動径方向のr=aでの波動関数の
連続性、及び、その導関数の連続性の式に対してa→0の
極限をとって矛盾しないように球ベッセルと球ハンケルの
係数を求める必要があると考えています。


ただ、ちょっと計算が大変なので、先ず井戸型ポテン
シャルではなく剛体球(r<aでポテンシャル無限大)で
試させてください。

剛体球内では波動関数がゼロなので、r=aの波動関数の
連続性より以下が成り立つと思います。
0 = B_l [cosδ_l j_l(ka) - sinδ_l n_l(ka)] ・・・③
但し、j_lは球ベッセル、n_lは球ハンケルで、その他は
係数です。

③で左辺が剛体球内、右辺が剛体球外と見なせます。
a→0の極限では③は大まかに以下のように振舞うと
思います。
0 ~   B_l [cosδ_l (ka)^l / (2l+1)!!
   + sinδ_l (2l-1)!! / (ka)^(l+1)]  ・・・⓸
右辺第2項は無限大に発散するので
sinδ_l = 0
という条件が必要になり、球ハンケル項が消えてしまいます。
一方、球ベッセルの各係数はl≠0で任意となります。
つまり、a→0の極限では剛体球外側(r>0)の解は球ベッセルで
書けることになると考えました。

剛体球でのa→0の極限の取り方・考え方は間違っているで
しょうか?

お礼日時:2021/08/24 03:14

Cの値をどう選ぶかという話をしたいのなら、そこに書いてあるような議論をするという事ですね。



> a→0の極限を見たりしたのですが、
>0次の球ベッセル関数sin(kr)/rだけしか残りませんでした。
多分、考える事の方向性は間違ってないとは思います。(厳密解が求まるかどうかという問題は別にありますが)。やる事そのものは球表面で波動関数と勾配(正確には確率の流れ)が連続となるように各係数を決めるような話になるのだと思いますが、各係数を決める事がそ不可能だったのでしょうか?

sin(kr)/rだけしか残らないというのが球内部の話なのか外部の話なのかで話は変わりそうな話ではありますが。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

>やる事そのものは球表面で波動関数と勾配(正確には確率
>の流れ)が連続となるように各係数を決めるような話に
>なるのだと思いますが、
その通りです。

>sin(kr)/rだけしか残らない
は球外部です。ただ、(怪しい)計算を見直すと間違っていたようです。もうオオカミ少年ですね。

>各係数を決める事がそ不可能だったのでしょうか?
自信ありませんが係数は求めることはできそうです。ただ、半径aの球対称井戸型ポテンシャルの解はr=0で正則なものを取り扱っているのでa→0の極限をとって発散しないように考えるとr=0で正則な球ベッセルしか残らず、球ハンケル項(の係数)は消えてしまうようです。従って、rが大きいところでsin(kr)/rの振る舞いになるという結論になってしまいます。

計算間違いとかが多いので何とも言えませんが、やはりr→0での発散は本質的なもので何らかの正則化(or 繰り込み)は必要なのではないかとの考えに今は傾いています。

お礼日時:2021/08/23 20:14

あぁ、そうなってしまうんですね。


一応の確認ですが、この種の散乱問題では遠方での振る舞いのみを気にするr>>散乱体の大きさである事を想定した議論を展開する事が多いです。

> exp(ikz)+C*exp(ikr)/r
これはそのような仮定(ポテンシャルを摂動項として扱うとか)をおかずに出てきたのでしょうか?
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
質問では分かりにくかったかもしれませんが、
g=exp(ikz)+C*exp(ikr)/rという形はLS方程式、あるいは、
散乱解の積分方程式
 g(X) = exp(ikz) + 積分dX' G(k, X-X') U(X') g(X')・・①
で、単純にU(X')=Vδ(X')を代入して
 g(X) = exp(ikz) + (1/4π) V g(X=0) exp(ikr)/r  ・・②
と求めたものです(Born近似とかは使っていないつもりです)。

ただ、②の両辺でX→0とすると
 g(0) = 1 + (1/4π) V g(0)/r, 但しr→0
1/rの発散が出てきてしまってg(0)が有限値にならず
何か矛盾があるのではないか、あるいは、UV発散と
関連があるのか等々と悩んだため質問した次第です。

あと、教科書に載っている半径aの球対称の井戸型ポテン
シャルでの散乱解でa→0の極限を見たりしたのですが、
0次の球ベッセル関数sin(kr)/rだけしか残りませんでした。
これでは散乱波にならないので3次元デルタ関数型ポテン
シャルという設定が間違いなのかなとも思って質問しま
した。
※a→0極限の取り方が正しいか自信はありません。

散乱体の大きさがゼロだと r が十分大きいという基準が
なくなってしまうため、散乱問題を考えるのが不自然
なのでしょうか?

お礼日時:2021/08/21 21:32

具体的な計算はしてませんが、


運動エネルギーの方からもデルタ関数が出てきます。(原点付近で1/rの振る舞いをしてるので)
Cの値が適切に選ばれているのであれば、ポテンシャルの項と打ち消し合う事になってるんじゃないかと思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。仰る通り打消しが示せると
良いと思います。
δ(X)=δ(x)δ(y)δ(z), 平面波u=exp(ikz),
球面波f=C exp(ikr)/(-4πr)とすると
  (△+k^2)u = 0, (△+k^2)f = Cδ(X). ・・①
次にg=u+fとして上記の関係を用いて(△+k^2-Vδ(X))gを
計算すると
  (△+k^2-Vδ(X))g=Cδ(X)-Vδ(X)g, ・・・・②
となります。右辺がゼロだとgは固有値k^2の固有関数と
なります。

例えば②の右辺を原点付近で体積積分してみると
  原点付近体積積分=C-V(1+C/(-4πr)), 但しr→0.
となって発散が残ってしまって単純にゼロにできません
でした。この原点付近体積積は1次元デルタ関数の散乱
問題を真似たものです。

②の右辺にgの複素共役g*を乗じて体積積分して期待値を
とると、やはりr→0での発散が残って単純にはゼロになる
ことを示せませんでした。

計算に自信もなく、考え方もどこかで勘違いしていると
思いますので、ご指摘やアドバイス頂けたらと思います。

お礼日時:2021/08/21 17:40

>ハミルトニアンの期待値を取ろうとすると平面波も球面波もr→∞で発散してしまいます。



平面波の運動エネルギーの期待値がいくらなのかも分からない(発散してしまう)と言ってるのですかね?だとすれば3次元の散乱問題に取り組む前に1次元の自由粒子について勉強した方が良いと思いますが。。。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。今回の質問には関係ないので「r→∞で発散」は私の間違いでした。
ハミルトニアンの期待値を計算するのに、δ(r)=δ(x)δ(y)δ(z), 球面波f(r)としてδ(r)|f(r)|^2~δ(r)/r^2の原点付近の体積積分をするとδ(z)/z (z→0)の発散が出てきてしまいました。どこかで勘違いしているのだと思うのですがアドバイス頂けたら幸いです。

お礼日時:2021/08/21 02:03

量子力学の計算は詳しくありませんが、その方程式は



r≠0

と言う前提があるのではないでしょうか。万有引力の法則に出て来るrも0ではないと言う前提があるわけですから同様のものではないかと思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。元々は △f+Vδ(r)f=Ef (但しδ(r)=δ(x)δ(y)δ(z)) という固有値E・固有関数fを求める問題なので、デルタ関数の特異性はありますがr≠0という前提はないと思います。
 万有引力の法則に出てくる関数gは △g = δ(r) の解だと思います。gはr=0で発散しますがデルタ関数程度の発散として捉えることができて、一応取扱い可能です。質問した内容に出てくる発散も何か上手く取り扱えるかもしれませんが思いつかずgooで聞いてみました。

お礼日時:2021/08/18 22:39

平面波と球面波の和なので特におかしい事はないと思いますが、



確かめるのなら
エネルギー(ハミルトニアンの期待値)が有限である事
確率の流れが連続の式を満たす事
の2点ですかね。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。ハミルトニアンの期待値を取ろうとすると平面波も球面波もr→∞で発散してしまいます。また、球面波では更にr→0での発散もあるので難しそうです。発散が沢山出てくるので、それらを組み合わせて打ち消させて正則化できるかもしれませんが自分では思いついていない状況です。
 (期待値とは違いますが)1次元デルタ関数の散乱問題の応用としてr=0の周りの微小体積積分を試みたのですが、δ(r)/rが発散してしまうため質問した次第です。
※因みに1次元デルタ関数の散乱問題の解は3次元散乱問題の解になっているようです。この解以外のものがあるかが気になります。

お礼日時:2021/08/18 23:35

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