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No.3ベストアンサー
- 回答日時:
ひとことで言ってしまうと,不動産登記法およびその関連諸規則にそのようなことを許容する規定がないからです。
ただ一部の手続きについては,通達による例外があります。
まず,不動産登記法は実体法ではなく手続法です。手続法に従わない手続きには「違法がある」ということですから,法治国家において認められないのは当然のことです。
それを裁判で争うのであればまだしも,受験レベルでひっかかっているようでは先になんて進めません。「そこに在るものは在る」と考えたほうが良いと思います。
不動産登記法25条7号があるということは,そのものずばりの義務規定はないものの,登記名義人の住所や氏名または名称に変更が生じたときにはその変更登記申請義務があるということになります(相続や合併といった承継があった場合は4号ですね)。
これは立法当時にそこまで考えられていたのかどうかはわかりませんが,実体において放置されている不動産が社会に対すして与える悪影響を減少させる役割を感じさせるものです。
現代の山林にはさほど直接的金銭的価値はないので,相続登記等は放置されていることが多いのが実情のように思われます。ただこれが,山間部で起きた災害の対応の障害の一因にもなっています。危険な土砂ダム等が発生している場合であっても,所有権は排他的権利であるために,その所有者の同意を得ることなく行政がその地に立ち入ること,そして土砂ダムの排除という実態の変更行為をすることができません。同意を得ようとしても登記がされていないために,連絡を取ることすらできません。結果的に何もできずに,その後の下流部や周辺部への被害を食い止めることができなくなってしまうのです。ある意味において,土砂ダム等による下流域への被害は,土砂ダム発生地の所有者による管理懈怠による人災だとも言えます。
空き家問題で,その危険リスクを周辺住民等が行政に訴えたとしても,行政には何もできなかったりするのは,所有者に連絡を取ろうにも生死も所在もわからなくなっているといった事情があったりするからです。
そこで令和3年4月21日に成立した「民法等の一部を改正する法律」(令和3年法律第24号)によって,相続を原因とする所有権移転登記と所有者の住所氏名変更登記が義務化されることになりました。といっても施行日は現時点ではまだ未定だけど3年内に施行されるんですけどね。
これによって自然災害や古家問題への対応が,行政だけでなく私人でもしやすくなるので,ようやく法律が実体に追い付いてきたかという気がしないもないですけど。
そのようなことがあるので,相続による登記や登記名義人の住所等の変更は,「必要な時にすればいい」というものではなくなってきているのです。この場面においてまだ「必要な時にすればいい」というのは,他人の権利をないがしろにする権利の濫用といってもいいかもしれません。
さて最初に例外があると書きましたね。その一部の例外は,法務省通達によって認められているもので,「担保権等の抹消登記手続きをする際に,登記義務者について表示変更があったとき,その変更を証する書面の添付がある場合には,抹消登記の前提として変更登記をすることなく,直接抹消登記手続きに応じてもよい」というものです。抹消登記をするだけ,権利が消滅しているのであれば,わざわざ表示変更登記を強制する利益もないということで,この場合だけはその変更登記を省略することが認められています(権利の承継の登記は省略できない)。
ですがそれ以外には通達の類がないので,すべて不登法25条7号で却下されることになります。
No.2
- 回答日時:
> なぜ、変更を証する書面、情報を提供しても却下されるのですか?
これをそのまま聞けばよかったでしょう。
こんなところで聞くより担当官に「それではどうすれば却下されないですか?」と聞けばいいのですよ。
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