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こういうことには個人差が結構あるので何とも言えませんが、おおざっぱな理解としては、そんな感じでいいと思います。
実際の認知行動療法は、もっと細かく「段階を踏んでいく」感じです。
私自身が過去に受けた認知行動療法を例に説明します。
あなたが書いている例「電車内のトラウマ」が私にもありました。
他の対人トラウマもあり、それらのことから外出全般を極端に嫌い、怖がり、拒否したがる時期がありました。
自宅から通院先(精神科)までは、電車で片道30分+タクシーで10分ほどかかるルートでしたが、そんなわけで私は電車もタクシーも怖くて乗れなかったので、通院しはじめた当初は同居人がバイクで病院まで送迎してくれていました。
医師も最初の数か月は、患者(私)が自宅に完全にひきこもりになって通院さえしなくなることを一番避けたいと考えていたようで、「多少の遅刻やドタキャンは全て大目に見ますから、とにかく、外出の恐怖に負けずに、ここまで来ようとしてください。月に2回、この病院までくること、私に会いに来ることが、あなたの最初の治療になるのですよ。私もナースたちもみんな、あなたと2週間後にまた会うことを楽しみにしています。約束ですよ。待っていますよ」と熱心に言っていました。
先生が上手に私を促し、同居人も送迎の協力を進んでしてくれていたので、私は普段どこにも行かないで家でひきこもっていましたけど、2週間に1回の診察には、がんばっていこうと思えるようになり、実際に行けていました。
診察室に入ると、医師は満面の笑みを浮かべて、
「こんにちは〇〇さん!えらいね、約束通り診察に来てくれましたね!ずいぶん勇気を出したんじゃないですか?でもよく頑張ったね!その頑張る意欲があれば、必ず治りますよ!私も診察しがいがある、嬉しいですよ!」
そんなふうに大声で褒めちぎり、こっちが気恥ずかしくて赤面するほど、オーバーに大歓迎してくれました。
実は、そんな風に「比較的クリアしやすい小課題を設定し、それをうまく達成できたら自分をしっかり褒める(自分の頑張りを認める、言葉でしっかり肯定する)こと」も、認知行動療法の大事なプロセスです。
だけど最初は、患者は適切な小課題の設定や、課題をクリアした時自分をしっかり褒める作業などを、一人で上手に出来ません。
なので、医師や心理士が代わりにそれをしてくれるわけですね。
その先生は非常にうまく、それをしてくれていました。
そんなことが数回繰り返されると私は、あの病院に行くことはそんなに怖くないし、むしろ行くだけで先生がいつも褒めてくれるので楽しいなあとか、外に出るといろんな景色も見れるし、気分転換になっていいこともあるなあ、という気持ちを持つようになりました。
でもまだ一人で電車に乗る都かは絶対無理という感じで怖かったので、毎回バイクで送迎してもらっていました。
すると先生はある日の診察で、
「今日もバイクで彼に送ってもらったのかな」と尋ねました。
「そうです」私は言いました。すると先生は少し意地悪そうに笑って、
「優しい彼氏で良かったですね。でも、彼氏が病気や用事で送迎出来ないときは、あなた、どうするつもりなの?」と尋ねました。
私は困って少し考えてから「そのときは、診察を延期します…」と言いました。
先生はまたニヤニヤして「でも彼氏が重病で何年間も入院しちゃったらどうする?あなた、彼が治るまで、何年間でもずっと、自分の治療を延期するの?」と言いました。
私は先生が意地悪なので少し腹を立てましたけど、先生は笑って、
「診察室で交わされる全ての会話は、ただの飲み屋の雑談ではありませんよ。全て治療につながっています。これは真面目な質問で、大事な思考実験です。さあ、もっと落ち着いて、冷静に考えてください。バイクで送迎してくれる人がいないとき、この病院まで来なきゃいけないとしたら、他にどんな手段があるでしょうか?」
そう言いました。そこで私も少し冷静さを取り戻しつつ、
「そうですね…電車、バス、タクシー等に乗ることが、手段としてはありますね。だけど、私には無理です、イヤです。やはり怖いです…」
と答えました。そして少し涙ぐみ、イヤな記憶を思い出して頭を抱えてしまいました。先生はそこで私を一旦ベッドに横にならせて、脈を測りました。それから、
「もちろん、今すぐ無理に電車に乗るべきではありません。あなたはまだ、かなりひどく怖がっていますから、診察室で私と一緒に、電車やバスがあることを思い出すだけでいいんです。電車のことを思い出すと、あなたは涙ぐんで、脈がだいぶ速くなってしまいました。でも、酷いパニックにはなりませんでしたし、気絶もしなかったですね。あなたは怖い出来事を思い出したけど、同時に、冷静さを守ることもうまくできました。それが大事なことですよ。また、診察室で、電車について考えてみましょう。段々、少しずつ考えを深めることが大事です、無理をしないで、少しずつですよ」と言いました。
そしてまた次の診察の時は、先生は、大きな紙の地図を広げて私の前に見せました。そして、
「この地図では、今いる病院がここですね。目立つように赤ペンで囲んでおきましょう。それで、あなたの家はこの地図でいえば、どのあたりにあるのですか?赤ペンで囲んでください」
と言いました。私は自分の家がある地区を赤で囲みました。すると先生はそれを見て、
「ではあなたの家の最寄り駅はどこでしょうか。最寄り駅の方まで、歩くつもりで、道順を赤ペンでなぞってみてください」
と言いました。私がそれをすると先生はそのルートの部分を指で示して、
「では、あなたの家から最寄り駅までの、この道順を実際に歩くと想定して…頭の中で道のりをよく思い出してください。そのとき、どこか、危険な箇所がありそうですか?たとえば、痴漢が出そうな場所とか、治安が良くない場所を通るでしょうか?」
と言いました。私は少し考えて、
「薄暗い竹藪のそばを通る箇所がありますね。そこで襲われたことはないんですけど、なんか痴漢が出そうな怖い道だなあと思って、そこを通ったことが以前ありました」
と言いました。すると先生は竹藪に、△印をつけました。
そして、
「では、この怖い場所を通らない道順で駅まで行くことができますか?商店街や住宅街だったら、明るさがあるし、人もいるので危険度が下がりますね。地図を見て、より安全な道順を探して、青ペンで書いてください」
と言いました。私は地図を熱心に見て、その竹藪の傍を避けて、青ペンで新しい道順を書きました。先生は、
「あなたは今、自分の理性を働かせて、一つの恐怖や危険を、自力で下げましたね。これが出来ることが本当に大事です。あなたは十分落ち着いていれば、今自分で発見した、より安全なルートを辿って、駅まで歩けるんじゃないでしょうか?」
と言いました。私は少し考えながら、「そうですね…この道順が本当に安全なのかはわかんないですけど、さっきの道よりはいいと思います。駅まで歩くだけだったら、できるかもしれません…でも、一人では怖いです…」と言いました。先生は頷いて、
「では次の診察の日までに、今日地図でなぞったルートを彼氏と一緒に歩いてみながら、本当に怖くないか、安全かどうか、実際に点検してみてください。もし痴漢や変質者が出たら、さっと逃げ込めそうなコンビニとか交番がどこにあるのかも、ちゃんと探してみてください。防犯ブザーや携帯電話を手に持って歩く方が、より安全かもしれませんね?そんな風に、持っていると安全度が増すアイテムも、よく考えて用意できるものは実際に用意してみてください。」
そんな課題を出しました。
そんな風に、本当に少しずつ少しずつ、実際に電車に乗るまでのプロセスを経た覚えがあります。
怖いけど、不安だけど、目をつぶっていきなり電車に乗ってみよう!って感じでやるわけでは全然無いですから、そこは、間違えないでください。
怖い、不安だ、イヤだ。そういう気分をまず、診察室のような安全な場所で、医師と時間をかけながら丁寧に確認して、一つ一つの不安要素を緩和したり潰したりする作業があるのです。まず、そこが本当に大事だと思います。
そして、小課題をクリアできないリスク、ハプニングや恐怖心で失敗するリスクはあらかじめ限りなくゼロに下げたうえで、準備万端にしまくってから、ほんの少しの低いハードルを実際に飛んでみる。という感じです。その繰り返しで、だんだんと、自力で考え、一人で行動出来ることが増えていった覚えがあります。
参考になれば。
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