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酬橫山畫伯惠畫(明治四十五年七月)

大觀天地趣
圓覺自然情
任手時揮灑
雲煙筆底生



(1)一行目の「大觀」は「橫山」を指していますか。そして、この「趣」は「趣味」と同じですか。
(2)二行目の「圓覺」は鎌倉の有名なえんがく寺ですか。「自然情」の部分は、えんがく寺が美しい景色があるという意味ですか。

A 回答 (3件)

これは、夏目漱石が横山大観に贈った漢詩の題名です。

意味は、「横山画伯に贈る詩(明治四十五年七月)」ということです。

明治四十五年七月は、明治天皇が崩御された月です。明治天皇は、1912年(明治45年)7月30日午前0時43分に崩御されました。

同日に、改元の詔書が発せられて、明治四十五年七月三十日以後を大正元年とすることが決まりました。

この月は、日本の歴史にとって重要な月でした。
まさに、「明治の終り大正の始まり」でした。

大觀天地趣
圓覺自然情
任手時揮灑
雲煙筆底生

この詩の意味は、大まかに言うと、

「大觀天地趣」
横山大観は天地の趣を見事に表現している。

「圓覺自然情」
自然の情を円覚(仏教用語で真理や悟りのこと)として捉えている。

「任手時揮灑」
手に任せて時に応じて自由に描くと、

「雲煙筆底生」
筆から雲や煙のような絵が生まれる」ということです。

(1)大観は横山大観を表しています。この「趣」は趣味ではなく、「おもむき」つまり、大観の芸術的感性を言っています。

(2)「圓覚」は圓覚寺ではなく、円満に悟るという仏教用語です。自然に感じる心情」や「自然に従う気持ち」という意味です。つまり、橫山大観の芸術的な感性や志向を表しています。

調べましたが大観と漱石が友人であった、と知ることが出来て感銘を受けました。
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補足です。

起句と承句は対句ですから、構造・意味ともに並立するのが通常です。共にV(二文字)O(三文字)の構造をしています。
転句に至って創作の様子が具体的に描かれ、結句で作品の融通無碍な様が表現されて詩を結んでいます。
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書き下しと口語訳を試みました。

五言の詩は二、三で分けると意味をとりやすくなります。

天地の趣を大觀し 天地の風情を全体的に広く見て
自然の情を圓覺す 自然の心を余すところなく悟る  
手に任せて時に揮灑すれば 手に任せ時に応じて筆を振るうと
雲煙、筆底に生ず  雲や霞が筆の底に生ず
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