
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
ご質問の、アメリカからウクライナへの軍事支援については、既出質問があって私も回答しました。
下記のNo.9です。https://oshiete.goo.ne.jp/qa/12989712.html
しかし、上記の去年6月の回答は、その後の事態の動きで古くなったため、次のように書き直したいと思います。
アメリカが、「ウクライナ民主主義防衛・レンドリース法」というのを2022年5月9日に成立させたのは本当です。ところが、これに基いた武器の供与は行われないまま、この法律は今年9月30日に失効しました。
アメリカの会計年度は10月始まりの9月終わりです。これの延長法案または後継法案は、いずれ成立するでしょうが、ご存知のように下院の議長が決まらず議会が空転したりして、遅れているようです。
じゃあ、軍事支援は何に基いて行われたのかというと、レンドリース法とは別の3つの枠組み、すなわちUSAI(ウクライナ安全保障支援イニシアティブ)、FMF(対外軍事資金供与)、PDA(大統領在庫引き出し権限)です。
この3つは無償(無料)を基調としているようです。バイデン大統領がそんな感じのことを言っています。ただし、ウクライナとの間で文書で確約済みかどうかは、はっきりしません。
そもそも国際緊急援助のたぐいは、とるものもとりあえず援助を開始して、返済条件については開始前ではなく開始後に話し合って細部を詰めるようです。
一方、レンドリース法は有償(有料)を基調としています。その根拠は、同法第2条(a)の(3)です(https://www.congress.gov/bill/117th-congress/sen …)。
だからこそ、実際にはこの法律ではなく別の3つの枠組みが利用されたのだと考えられます。バイデン大統領は、なるべく無償でウクライナに支援したいからです。
つまり、他の回答者さんが「今回のウクライナ支援もレンドリース法を適用して」貸したとおっしゃっているのは、誤りです。
なお、言うまでもないことですが、アメリカは財政民主主義の国です(日本もそうです)。国のお金を支出するには、連邦議会の議決に基くことが必要です。バイデン大統領の一存では、ウクライナへの(無償)援助を決められません。
したがって、連邦議会の動向によっては、今後の援助にも変化がありうるでしょう。増減があったり、有償になっていったりするかも知れません。
かなり細かいことまでご存知なのですね、恐れ入ります。
レンドリース法は適用されてない、びっくりです。
ならばレンドリース法は、無料バイキング的なお得なものではないということなんですね。
>連邦議会の動向によっては、今後の援助にも変化がありうるでしょう。増減があったり、有償になっていったりするかも知れません。
パックンだったか、軍事支援をいつまでも続けられる国ではないかもしれないとか、言ってた気がします。
すごく勉強になります、ありがとうございます。
No.9
- 回答日時:
#6
>ハイマースなどを渡すのとは別にお金も渡していて、軍事支援とはそのお金のことかと思っておりました。
お金の支援は直接なのか間接なのかは別にして、日本とか西欧・中欧の方が多いのではないでしょうか。西欧・中欧は主に難民支援、日本は医療とか食料支援ですかね。
金を渡したところで兵器を単純に売ってくれるということはありません。国産戦闘機の類でもエンジンはアメリカ製となると、やはりアメリカの同意がいるからです。そういった意味ではウクライナが欲しいカテゴリのもので、単一の国でライセンスが閉じている率が高い(つまり国産化率が高い)のは、フランス、ロシア、イランの製品で、次いで中国、北朝鮮、さらに次いで北欧になります。
丁寧にお返事くださいまして、ありがとうございます。
>お金の支援は直接なのか間接なのかは別にして、日本とか西欧・中欧の方が多いのではないでしょうか。西欧・中欧は主に難民支援、日本は医療とか食料支援ですかね。
これはつまり、日本は、ウクライナに医療支援食糧支援をたくさんしている。アメリカよりも。
西欧中欧は、ウクライナに難民支援をたくさんしている。アメリカよりも。
ということですよね?
>金を渡したところで兵器を単純に売ってくれるということはありません。
なるほど、ウクライナにしてみたら、お金貰ってそれで武器を買うようなそんなまどろっこしいこといらない、どうせ武器買うんやから直接武器渡して貰ったほうが早くて嬉しい、というわけですね。
そういえば普通の日常でも、アフリカとかに「戦闘機のボディー作るからニッケル100トン売ってくれ。」と言ってもふたつ返事でOKはしないと聞いたことがあります。だから、「貨幣を造るのにニッケルが必要なんで、ニッケルを100トン売ってください。」などと言ってニッケルなどを買ったりするというのを聞いたことがあります。
兵器に関する物の流通は、シビアになり、難しくなるというお話です。
お返事くださいまして、ありがとうございます。
No.8
- 回答日時:
>食品工場では、生産した食品が無駄なく食されるわけではなく、廃棄されるものがありますが、そんなようなことはありませんか?
基本的には古いものから順に訓練で使用してゆきます。それをしないと新規発注ができません。というか、火砲の弾薬なんていつまでも在庫を持っていたら炸薬や装薬の劣化で事故の可能性が上がるだけです。
なるほど、使った分だけ発注するので無駄がないわけですね。
食品工場の生産は、どれだけ食されるかを推測して生産されるけれど、推測やからはずれるわけです。それとは違うんですね。
お返事くださいまして、ありがとうございます。
No.6
- 回答日時:
>>TNTが不足していて
>そんなのあるんですね。
米国は、韓国からは榴弾砲の提供を受け、日本にはTNTの優先販売を求めています。
教えてくださいましてありがとうございます。
No.4のお礼の最後の質問についてですが、
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/a …
を見ると、軍事支援というのはお金ではなく、物(武器、弾薬)のようですね。
ハイマースなどを渡すのとは別にお金も渡していて、軍事支援とはそのお金のことかと思っておりました。
No.4
- 回答日時:
#3の方が仰る通り、実質寄付。
ただし、ウクライナの場合でいうと、兵器商人が群がってくること、汚職の酷さで武器拡散してしまうから、使用して無くなったか、完全に修理不能なもの以外は返却してもらった方がいい。
>これについては最近は状況が変わってきているのではないですか?
装甲車両の類は、もう米軍で使う予定がないモスボール状態のものなので、米国は痛くも痒くもない。
ミサイル発射機は余剰品で、これも使う予定がないので、米国は痛くも痒くもない。
155mmクラスの榴弾は汎用性が高く、この戦争でも米国を含めて各国が供与しているが消費量が多くて各国の備蓄量に影響を与えている。枯渇するとまではなかなかいかないけど、大体備蓄の1/3を下回るようだと国防懸念が出てくるので大増産中。といいたいとこだけど、過剰投資になる懸念から、ラインが整備できないとか、TNTが不足していて完成品まで持って行けないというジレンマがある。
ウクライナがミサイルをどんどん浪費すると、ミサイルも同じことになる。
>装甲車両の類は、もう米軍で使う予定がないモスボール状態のものなので、米国は痛くも痒くもない。
ミサイル発射機は余剰品で、これも使う予定がないので、米国は痛くも痒くもない。
よくご存知ですね。すごいです。
>TNTが不足していて
そんなのあるんですね。日本などにおける半導体のようですね。
春閑 さんの文章にしても、お話を読んでいると武器や弾のお話ばかりでお金のお話はありませんね。とすると、たとえば質問文に書いた「ウクライナに10億ドルを追加軍事支援する。」というのは、お金をウクライナに渡すのではなくて、10億ドル分の武器や弾を寄付するということなんですかね?
お返事ありがとうございます。
No.3
- 回答日時:
米国は、第二次世界大戦参戦前に、英国など同胞国を支援するためにレンドリース法を作りました。
今回のウクライナ支援もレンドリース法を適用しています。
これは武器弾薬等の軍需物資は無料で貸すという法律です。戦争が終われば現物を返してもらうことになりますが、使って壊れてしまえばそれで終わりということになります。
戦車などの兵器は戦闘で破壊されれば返さなくてもよく、ミサイルや砲弾などは使ってしまえばそれも返さなくてもよい。そういう話です。
建前は貸していることになりますが、実際には寄付しているのとほぼ同じ話になります。
また、米国が支援している武器弾薬は基本的に在庫品ですから実質的にはそれほど負担が大きい訳ではありません。
>また、米国が支援している武器弾薬は基本的に在庫品ですから実質的にはそれほど負担が大きい訳ではありません。
これについては最近は状況が変わってきているのではないですか?
10月5日のニュースで
“アメリカ軍は「去年、無国籍の船から押収した弾薬110万発をウクライナに引き渡した。」と発表。
この弾薬は国連安保理決議に違反してイラン革命防衛隊からイエメンのシーア派武装組織フーシ派に向けて送られる途中だったとし、7月にアメリカが所有権を取得したということです。
アメリカ議会でウクライナ支援の追加予算の成立が見通せない中、支援予算を使わずに反転攻勢をあと押しする形です。”
と言うてましたから。
それはともかく、レンドリース法にはびっくりです。こんなのがあったんですね。
取引先の国(今ならウクライナ)にしてみたら、無料バイキングみたいなもんですね!
アメリカにしてみたらしんどいはずですが、ずいぶんと太っ腹ですね!
めっちゃ勉強になります、ありがとうございます。
No.2
- 回答日時:
無償
で、アメリカがウクライナを支援するメリットは、ロシアの影響力を弱めることのほか、中国に対する牽制することで、国際的なアメリカの発言力を強化できるし、国内的にも”強いアメリカ”を求める層にアピールできる。
あと、兵器にも燃料や電子機器の経年劣化がある。
スティンガーやジャベリンなど、賞味期限切れ間近のミサイルの在庫一掃が出来るとともに、国内軍需産業に仕事を提供して、国内経済を回すコトも出来る。
そうでしたか。
メリットがあるゆえ、ただ損するわけではなく、出費する甲斐もあるわけですね。
アメリカは、思うほどにはつらくなさそうですね。
でも、ざっくり云うとやはり、ただ取られるだけですから、ギブアンドテイクではないですから、しんどいんでしょうね。
ありがとうございます。
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Dendrocacalia さんにベストアンサーを差し上げようと思うんですが、よろしいですか?
レンドリース法は、成立したけれど結局活かされることはなかった。有償なんで。
代わりにUSAI、FMF、PDAに基づいて軍事支援された。無償なので。
したがって、ウクライナへの軍事支援は無償ではあるけれど、それがアメリカにとって全然平気というわけではない、ということですね。
よくわかりました。
ほんまに勉強になりました、ありがとうございました。
アメリカの軍事支援って、予想以上にいろいろあってややこしいんですね。
みなさん、お返事くださいましてありがとうございました。
ほんまに勉強になりました。
ありがとうございました。