No.1ベストアンサー
- 回答日時:
(1)あらかじめエチブロを緩衝液に入れておく
(2)エチブロをゲルに入れておく
(3)泳動後にエチブロ染色
の3つの方法についてですが、目的は同じです。
ご存知の通り、DNAの染色ですね。
では、なぜこの3通りの方法が使われているかですが…。
(1)、(2)は(3)の方法と比べて、染色工程分だけ作業時間が短縮できます(泳動と同時に染色しているわけですので)。さらに(2)では発ガン性物質であるエチブロが取り扱いしやすくなっています。
それでは(1)、(2)の方が(3)より優れた方法なのか?と言うとそうではありません。(3)のメリットは泳動後のバンドがきれいであるということです。
(1)、(2)の電気泳動において、エチブロはDNAと反対の極に向かって流れていきます。泳動の過程でDNAには少しずつエチブロが付着していくわけです。つまり、(1)、(2)の方法では、全く同じサイズのDNAだけを電気泳動したとしても、エチブロの付くタイミングと付着量によって、その後の移動の速度に差が出てきてしまうため、少しですがバンドが広がってしまうのです(このバンドの広がりはほとんどの実験では問題にならない程度です)。
長くなったのでまとめます。
(1)あらかじめエチブロを緩衝液に入れておく
メリット:染色工程短縮。
デメリット:バンドがわずかに広がる。
(2)エチブロをゲルに入れておく
メリット:染色工程短縮。エチブロがゲル中なので扱いやすい。
デメリット:バンドがわずかに広がる。ゲルにエチブロを入れるときにエチブロが少し分解する(ゲルが固まる前の熱い中にエチブロを入れるので)。
(3)泳動後にエチブロ染色
メリット:バンドがきれい。
デメリット:染色時間が必要。
No.2
- 回答日時:
理由はいくつかあると思いますが、要は染色が目的です。
1. 染色時間がもったいないから。
2. 切り出しなどのため、泳動中にバンドを観察して適当なタイミングを見計らうため
3. ゲル濃度が高くて、後染めだと何時間かかるかわからないから
ちなみに、泳動中にEtBrを加える理由にはあたりませんが、ゲル中のErBrの濃度がかわることによって、スーパーコイルのプラスミドの巻きのキツさが変わり、そのため移動度が大きく変化します。
私は、後染め派ですが、もし泳動中からEtBrを入れるなら、ゲルとバッファー両方に入れます。なぜなら
1. ゲルだけに入れた場合では、EtBrが陰極に向かって流れるので、ゲルの両極側からEtBrが失われていき、結果として低分子量のDNAの染まりが悪くなる(場合によっては見えないバンドができて命取り)。
2. バッファーだけに入れた場合は陽極側に比べ、陰極側のゲルにEtBrの浸透が悪くなる。
私が後染めを好む理由は、
1. 泳動中にEtBrを入れると、上記のような染色ムラができて、バンドの染まり具合から定量をしようとするときに困る。
2. 染色用バットにでも入れておけば繰り返し使え、汚染される器具も最小限にできる。
3. 上記のメリットに比べれば、染色時間がかかるというデメリットは、ふだん使う1%以下のアガロースゲルなら、10分も染めれば必要なバンドは見えるし、定量するために飽和するまで染色しても30分までかからないので、たいしたことない。
余談になってしまいましたが、
この回答へのお礼
お礼日時:2005/06/24 14:19
ありがとうございました。
染色は後染めのほうがよさそうです。
あと、EtBrの濃度によって、スーパーコイルのまきの強さも変わるんですね。勉強になりました!!
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