No.2ベストアンサー
- 回答日時:
◆簡単な答え
【形相】:その「もの」のあらわれかた。つまり、それが何であるか。
【質料】:その「もの」が何からできているか。
例その1:木製の寝台
【形相】:寝台
【質料】:木材
例その2:「質料」が同じで、「形相」が異なるもの
・木でできた椅子と机
例その3:「形相」が同じで「質料」が異なるもの
・石造りの椅子と木製の椅子
【イデアとの関連】:アリストテレスはプラトンの「イデア論」を批判して、「エイドス(形相)」という考え方を示した。アリストテレスは存在するものにはすべて、「形相」と「質料」が備わっていなければならないと考えた。
◆もうちょっと詳しい説明
・イデアとはなにか。
現実のこの世界は移ろいゆくもの。日々その姿を変えていく。けれども、ギリシャ人たちは、その移ろいやすさの向こうに、何か本質的なものがあるのではないか、と考えました。
ソクラテスは聞きます。「美とはなにか?」
「あの花だ」「夕陽だ」「美しい人だ」……
そうではない、そのような個々の美を超えたところの、美そのものとはなにか。
プラトンはそれに答えました。
われわれが感覚するものごとのすべてには、永遠に不変の原型が存在する。それがイデアだ。
美そのもの、美のイデアは、人間の世界とはべつの、イデア界に存在する。
眼に映るものごとが美しいのは、その美しいものが、イデアの美を分有しているからだ。
アリストテレスはこの世界を超えたところにある「イデア界」という考え方を批判します。
そのものの本質が外側にある、というのは、おかしい。
そのものの内側にこそ、なければならない。
寝台の形相とは、あくまで個々の寝台のなかにあって、その寝台としての本質を外側(イデア界)ではなく、自分のなかに持っているのだ。
ならばこの寝台ができあがるまでの間、「寝台」という形相はどこにあったのか?
それに対して、アリストテレスはさらに「可能態」(デュミナス)と「現実態」(エネルゲイア)という概念を導入します。
ここに一本の材木(質料)がある。
けれどもこの材木は、材木である段階ですでに、外側から何らかの力を受け取って、寝台や、椅子や、机や、舟を実現する可能性をすでに持っている。
このとき材木は寝台の(あるいは椅子や机や舟の)「可能態」である。
そして、職人によってつくられた現実の寝台が、材木の「現実態」である。
わかりにくいところがあれば、補足要求をしてください。
No.1
- 回答日時:
間違っているかも知れませんが、私の理解では次の通りです。
プラトンの言うイデアは、「理想界」の完璧で普遍的な姿。
アリストテレスの言う形相(エイドス)は、「現実界」での本質。
質料(ヒュレー)は形相(エイドス)を生み出すための材料。
なお、イデアもエイドスも、日本語に訳すと「形相」となるそうですが、通常、混乱を避けるために「形相=エイドス」と用いるそうです。
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