アプリ版:「スタンプのみでお礼する」機能のリリースについて

 たとえば大変良く似た生物が2個体いたとします。
それぞれAとBとします。
 専門家や学者がいろいろ協議を重ねた結果、
AとBはどうやら別種という結論に至ったとします。
 
 そこで質問なんですが、
一見大変良く似ている複数の2個体、あるいは二つのグループがあって、それらが同種なのか別種なのかを調査して、
別種か同種か判断する場合の規準は何でしょうか? 

A 回答 (9件)

形態が似ているから同種とされていたものがDNAを調べたら系統を異にすることがわかり別種とされた例、同種とされるグループの中に染色体数の異なるグループが見つかり、分類のし直しが検討されている例など多数です。

自由な比率で交配が可能、を同種の基準とするなら、アカマツとクロマツは同種になります。両種は異なったニッチ(生態的な意味での資源)を利用しているので、交配する確率が低いので、異なった形質を獲得しています。しかし雑種第二代、第三代といくらでも混ざり合います。

タイワンザルによるニホンザル個体群の遺伝子汚染が危惧されているのも同様な理由からです。本来地理的に分断されていて交配する機会がなかったため、大きく異なった形質を獲得した両種ですが、人の手で移入されると容易に交雑が可能なのです。ヨーロッパでニホンジカ(移入種)によるアカシカ(在来種)の遺伝的汚染が問題になっているのも同様の例です。

亜種とは地理的な隔離等によって長い間交配する機会を持たなかったために異なった性質を持つに至った同種内のグループをさします。この基準からするとニホンジカとアカシカ、ニホンザルとタイワンザルは亜種の関係と捉えるべき、ともいえます。実際最近では、イリオモテヤマネコをベンガルヤマネコの亜種とすべきだという説が出てきています。一方、変種というものもありまして、こちらは分布域が重なっているにもかかわらず異なった形質を持っているものをさします。これは生理生態的な隔離によりもたらされたものでしょう。

で、DNA。二つの種があることと仮定してこの2種の違いを示すDNAマーカーをみつけ、判別を可能にする、という手法はとられますが、あるマーカーが種の違いを示す、という証明はできないのが現状です。というか、種という概念は人間が作ったもので、作られた当時は遺伝的多様性という概念は存在しなかったので、その整合性を調整しているのが現状です。

別種か同種かを示す判断の具体的な基準ははっきりしています。すべての生物種には、その種が独立した種だと学会(特定の学会ではなく、世界中の様々な学会)で記載したときに基準としたタイプ標本というものが残されています(原則)。なかでも、ホロタイプ標本という、この1個体と同じ種と認められれば同種、という標本が存在します。この標本と比較して別種と認められれば、違う種として記載が可能です(すでに記載された別種の可能性は残りますが)。別々に記載された種が後に同種と判ったときには、先に記載された種名が有効になります。かつてブロントサウルスとわれていた恐竜がいまアパトサウルスと呼ばれるのがその一例です。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

 お返事ありがとうございます。
クロマツとアカマツが雑種2代、3代といくらでも混ざり合うとは正直
驚きました。樹皮の様子などからは交配できる程近いとは思いませんでした。
 タイワンザルとニホンザルは確かに良く似ていていかにも交雑しそうに
見えますね。

 いろいろな具体例を出して説明していただきありがとうございます。
勉強になりました。ありがとうございます。

お礼日時:2005/08/15 22:53

#3です。



すみません、元の資料が見つからなくて種名を挙げることができないのですが、北極圏にいる鳥類でアジサシかカモメの類だったと思います。

交雑可能・不能の別が生じるのは、次のように説明されています。

A, B, C, Dのグループは、地理的に次のように分布しています。

A--B
|  |
|  |
D--C

それぞれ、隣同士とは遺伝的性質が近く交雑が可能だが、いちばん離れた(反対側にいる)AとC、BとDは直接の交流がないまま長い時間が経過したため、交雑できないほど遺伝的性質が離れてしまっている、というものです。地理的隔離による種・亜種の成立の特殊例です。

これとは別に、こういうのを見つけました。(動物大百科/平凡社より)

ラクダ科にはラクダ類2種とラマ類4種がおり、ラマ類4種はいずれの組み合わせでも繁殖能力がある子供が生まれる、という記述です。こうなってくると、いよいよ#7さんが書かれるように「種の定義=標本」としか言いようがなくなってきますね。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

お返事ありがとうございます。
アジサシかカモメの類で交雑可能な組み合わせとそうでない組み合わせが
あるかもなんですね。 少し自分でも調べてみようと思います。

ラマ4種はいずれの組み合わせでも繁殖能力がある子供が生まれるんですか?
これはびっくりですね。

私は、ここで改めて種とは何なのだろうと思ってしまいました。

わざわざ、いろいろ調べていただき感謝です。ありがとうございました。

お礼日時:2005/08/18 22:47

>たとえば犬と猫を交尾させて子供が生まれさらにその子供同士を


>交配させた時に子供が出来た場合、これは自然の状態で
>自発的に交尾した場合でしょうか?
>それとも自発的に交尾はしなくても、人工授精は高い確率で成功し、繁殖能力が
>認められた場合も同種と認定するのでしょうか?

普通、このような場合は減数分裂がうまくいかないので人工授精もできません。
確か馬とロバだったかでそのようなことがあったような気がするのですが、ちょっと記憶が不確かなもので。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

 お返事ありがとうございます。
>普通、このような場合は減数分裂がうまくいかないので人工授精もできません

 確かにさすがに猫と犬では、無理やり受精させようとしても無理ですよね。 
>確か馬とロバだったかでそのようなことがあったような気がするのですが、ちょっと記憶が不確かなもので。

貴重な情報をありがとうございます。自分でも調べてみようと思います。
また判らない事がありましたら、よろしくお願いいたします。

お礼日時:2005/08/18 22:50

昨年、「アジア象の亜種」との報道があったボルネオ象の場合は、DNA分析を元に判定していたようです。



http://www.m-navi.co.jp/news/new/230-200402.html

本当はそのときの報道へのリンクがはれればよかったんですが(汗)
    • good
    • 0
この回答へのお礼

 お返事ありがとうございます。
DNA鑑定も、種の判定に活躍するんですね。
ありがとうございました。

お礼日時:2005/08/15 22:44

動物や植物のような有性生殖によって増える生物の場合は、No1さんのおっしゃるように交配させて繁殖可能な子供が生まるかどうかで決めていました。


たとえば、犬と猫を交尾させて子供が生まれたとします。
この時点では犬と猫が同じ主か違う主かはまだ決まりません。
さらにこの子供同士を交雑させたときに子供が生まれたとすると、この犬と猫は同じ種、ということになります。
子供を造ることができなければ、これは違う種、ということになります。

また、有性生殖で増えないような生物や非常に小さくて形態的特徴で分けにくい生物(細菌、カビなど)の場合は、現在ではrRNAの塩基配列で分類しているそうです。
rRNAは真核生物と原核生物では大きさが違うのですが、真核生物同士、原核生物同士では似ています。
ただし、種によって微妙な差があるので、塩基配列を決定することでその差を調べます。
どの程度の差から「異なる種」とするのかは知りませんが。

この回答への補足

>たとえば、犬と猫を交尾させて子供が生まれたとします。
>この時点では犬と猫が同じ主か違う主かはまだ決まりません。
>さらにこの子供同士を交雑させたときに子供が生まれたとすると、この犬>と猫は同じ種、ということになります。

 たとえば犬と猫を交尾させて子供が生まれさらにその子供同士を
交配させた時に子供が出来た場合、これは自然の状態で
自発的に交尾した場合でしょうか?
 それとも自発的に交尾はしなくても、人工授精は高い確率で成功し、繁殖能力が
認められた場合も同種と認定するのでしょうか?

補足日時:2005/08/15 22:34
    • good
    • 0
この回答へのお礼

 お返事ありがとうございます。
細菌やカビはrRNAで調べるんですね。
新しい知識が増えました。ありがとうございます。

お礼日時:2005/08/15 22:41

こんばんは。



結論から言えば見た目、ということになります。

 ただ、見た目の基準となるものが決まっていてそれに沿っていれば同種、異なる点が多ければ別種ということになります。それは先に記載された種の特徴、たとえば魚であれば側線から数えたうろこの数や鰓条骨など、哺乳類なんかだと似たものの相違は歯の数かな、と似ている個体でどのくらいかけ離れているかでしょうか?

DNAという手もありますが、ヒトとゴリラでも高々数パーセントしか違わないそうです。それを考えるとDNAだと地域差なのか個体差なのか、種の間の違いなのかは結構シビアな数値になってくるかも・・・です。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

お返事ありがとうございます。
見た目で決めるというのも侮れない方法なんですね。

DNAは使い方が適切でないと威力を発揮しないみたいですね。
ありがとうございました。

お礼日時:2005/08/15 22:17

唯一絶対の基準は存在しません。



非常によく似たA,B,C,Dのグループがあり、A-B, B-C, C-D, D-A間では繁殖が可能だがA-C, B-D間では繁殖ができない、という例が知られています。

繁殖原則を用いればA-CやB-Dは別種ですし、DNA判定でA-B, B-C, C-D, D-Aをそれぞれ同種と判定する閾値を設定している場合にはA-CやB-Dは同種と判定されるでしょう。

なお、DNA判定は「どのくらい似ているか」を判定することしかできないので、外見が似ているが系統的に明らかに別種の場合を判別することはできますが、系統的にも非常に近い場合にそれを同種とするか異種とするかを断じる能力が、それ自体にはありません。

DNA判定を使用するのであれば「95%以上一致していたら同種、それより少なければ異種」のように、何らかの恣意的な判定基準を別途設ける必要があります。しかし、90%が妥当なのか、95%なら妥当なのか、99%ならより良いのか、といった問いにDNA判定という技術は何の回答も与えません。

この回答への補足

>非常によく似たA,B,C,Dのグループがあり、A-B, B-C, C-D, D-A間では繁殖が可能だがA-C, B-D間では繁殖ができない、という例が知られています。

 このような、例を具体的な種名で挙げていただければ幸いです。
とても興味を持ってしまいました。自分でも調べてみたいのでもし、
よろしければ教えてください。お願いいたします。

補足日時:2005/08/15 22:30
    • good
    • 0
この回答へのお礼

興味深いお返事ありがとうございます。

>非常によく似たA,B,C,Dのグループがあり、A-B, B-C, C-D, D-A間では繁殖が可能だがA-C, B-D間では繁殖ができない、という例が知られています。

これは面白いですね。どうして交配可能なグループと出来ないグループの
組み合わせがあるか不思議です。

DNA判定は、時には血縁関係の判定にも使われる一方、種の判別する事も
出来ない事がる野ですね。勉強になりました。

またいろいろ教えてください。

お礼日時:2005/08/15 17:39

DNA判定。


一番正確です。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

 ありがとうございます。
DNA判定はすごいですよね。
種どころか親子の判定まで出来てしまいますかね。
ありがとうございました。

お礼日時:2005/08/15 16:28

AとBの間に子を作れれば(子孫を残せれば)同種であると考えます。


但し、できた子が繁殖不能な子であればダメです。

参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A8%AE_%28%E7%94 …
    • good
    • 0
この回答へのお礼

 お返事ありがとうございます。
そうですよね。子供が出来てその子に繁殖能力があれば同じ種類ですよね。
ありがとうございました。

お礼日時:2005/08/15 16:27

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!