これ何て呼びますか

物理学は素人ですが、量子力学でのEPRのパラドックスあたりを色々と考えています。
素粒子のスピンというのは、「自転」のような概念で、任意の1つの方向に対してプラスとマイナスの2種類の値しかない、ということのようですが、

(1)この観測方向の「誤差」というものは、どれくらいが許されるものなのでしょうか? つまり、1つの方向に対するスピンの値は、この方向がどれくらい「ずれて」いても同じ値を示すのでしょうか? それとも、理論的にはいくらでも「近い」2つの角度に対して、スピンの値が違う場合があり得るのでしょうか? 実際の測定では、観測する角度には必ず「誤差」が付きまとってしまうと思うのですが・・・。 

(2)このスピンの値というものは、相互作用などがない限り、時間によって変化はしない値なのでしょうか? つまり、1つの素粒子の1つの方向に対するスピンの値は、外部からの影響がない限り、いつまでも変化しないのでしょうか?

A 回答 (4件)

 スピンは3次元ベクトルですから、x、y、zの3つの成分を持っています。

これらの成分は、h/2πを単位として、決まった値しか取れません。例えば電子ならば、+1/2、-1/2のいずれかしか取れません。しかも、3つの成分のすべてが同時に確定した値を持つことはできません。例えば、z成分を観測して+1/2が得られたとすると、x成分、y成分の値は、+1/2と-1/2の混合した状態になります(値は確定しません)。逆に考えると、1つの成分だけでスピンの状態が区別されるということになります。通常はz成分でスピン状態を表し、スピンが+1/2であるとは、スピンのz成分が+1/2であるということを意味します。
 どの方向をz軸とするかは人間が勝手に決めることですから、「ある方向でのスピンを観測する」とは、ある方向をz軸として、その成分の値を観測する、ということではないかと思います。
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この回答へのお礼

丁寧な回答をありがとうございました。

「スピンは3次元ベクトルですから、x、y、zの3つの成分を持っています。これらの成分は・・・」
ということですが、すると、3次元空間の任意の方向に対するスピンの値が考えられる訳ですね。
そして、その値も例示の場合だと+1/2 か-1/2 かのどちらか、ということでしょうか?

いずれにしろ、ご回答をどうもありがとうございました。

お礼日時:2005/08/20 12:51

スピンについては素晴らしい名著があります.


朝永振一郎著スピンはめぐる(1974)中央公論社pp365
です.
量子力学におけるシュレデインガーの方程式,パウリの方程式,デイラックの方程式と進むことで
スピンの導入過程がよく分かります.
夏休み期間中一人静かに思索されることをお勧めします.
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この回答へのお礼

書籍のアドバイスをありがとうございました。
こうした本をじっくりと読んでみたいものです。ぜひ参考にしたいと思います。ありがとうございました。

お礼日時:2005/08/19 21:40

#1 です。



先の回答でスピン 1 の素粒子の例として陽子を挙げましたが
陽子のスピンは 1/2 でした。訂正します。
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この回答へのお礼

正確な回答を心がけていただき、ありがとうございました。

お礼日時:2005/08/19 15:33

> 素粒子のスピンというのは、「自転」のような概念で、



スピンは素粒子が持つ内部自由度であって、電荷や質量のような基本的属性です。素粒子が「自転」するイメージで自転軸のようなものがあるわけではありません。スピンによって素粒子が角運動量をもちますので、古典的粒子の回転のアナロジーで言われますが、そのイメージのままでいるとスピンを理解できなくなります。

> 任意の1つの方向に対してプラスとマイナスの2種類の値しかない、

スピン 1/2 の素粒子(例えば電子)は -1/2 と +1/2 の 2 つの状態がありますが、それ以外のスピンではもっとあります。スピン 1 の素粒子(例えば陽子、光子)なら -1, 0, +1 の状態がありますし、スピン 3/2 の素粒子(実在する?未確認…)なら -3/2, -1/2, +1/2, +3/2 の状態があります。

(1) 上に述べたように自転軸のようなものがあるわけではないので、その軸の角度を測定するわけではありません。Zeeman 効果のように磁場中のエネルギー準位の差のような形や散乱の微分断面積のような形で測定されます。スピンは量子数なので離散的な値しかとり得ません。

(2) 相互作用が無い場合、時間的に変わらないのは素粒子の状態関数(状態ベクトル)のノルムです。スピンは重ね合わせの状態になっています。すなわち可能な全ての値がある確率で存在します。その確率が時間的に変化しないと言えると思います。
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この回答へのお礼

丁寧な回答をいただき、ありがとうございました。

スピンの値が2種類しかないというのは、電子などの素粒子の場合だという事はよく分かりました。

ただ、EPRのパラドックスに絡んでD.ボームが改良した思考実験などでは、一重項の状態にある一対の電子について「ある方向での」スピンの値を観測すると・・・、というような記述があるのですが・・・。この辺りがまだ良く分かりません。

いずれにしろ、ご回答をどうもありがとうございました。

お礼日時:2005/08/19 15:30

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