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マンキュー マクロ経済学で出てくる「実質貨幣残高」という概念がどうしても理解できません。

まず彼は以下のような式(貨幣需要関数)を提示します。

M/P = kY

M はマネーサプライ、P は物価水準、Y は生産量、k は所得 1 ドルあたりどれだけの貨幣を保有したいと人々が望むかの定数、を示していると言います。

そして彼は、上記の式が「貨幣数量説」と関連性があるのだと言って、式を変形しつつ以下のような式を提示します。

M/P = kY

M(1/k) = PY

ここで V = 1/k とおく

MV = PY

このプロセスが納得できないのです。なぜ V = 1/k とおけることになるのでしょうか。V は「一定期間内に貨幣が何回所有者をかえたかを示している」のだそうですが、それがなぜ k(貨幣保有量)と裏返しの関係にあるんでしょうか。

この疑問の背後には次のような疑問があります。銀行に預けなきゃお金は流動してくれないのでしょうか。貨幣を保有していたって、取引をすれば買い手から売り手にお金が流れるわけですよね。人が貨幣を保有する理由は、それを持って八百屋さんに行って大根を買うためのはずです。そこで貨幣は流動していると言えないんでしょうか。貨幣は、預金すれば銀行に投資されて流通するし、保有すれば店等で取引されて流通する。

そこで先の式の疑問に戻ります。なぜ「k の逆数が V になる」のでしょうか。k の逆数はあくまで 1/k でしかないはずです。いきなり「流通速度」なんかと裏返しでつながったりしないと思います。貨幣は「保有」によっても「預金」によっても流通すると思うので、保有量 k だけが流通速度と単独で表裏の関係にあるかのような仮定には違和感があるのです。では、

M/P = kY

を変形して

M = kPY

これはどう解釈したらいいでしょう。貨幣量は、GDP に対する貨幣保有量に相当する?? やっぱり理解できません。

A 回答 (3件)

#1です。

再度補足します。

> 私は「使うために保有している金額」も保有として考えていた

少なくともその期間中には取引に使われないので、貯蓄の一部です。こういうのを「取引動機(又は予備的動機)に基づく貨幣需要」といいます。

> ただ、単純にお聞きしたいんですが、所得のうち 1/3 を貯蓄(保有)することが、なぜ流通速度が 3(一定期間に 3 回所有者を変える)であることを意味するのでしょうか。

まずある人に1の所得があったとします。すると 1/3 を貯蓄し、2/3 を消費します。この消費は別の誰かの所得になりますから、彼は 1/3*2/3 を貯蓄し、2/3*2/3 の消費を行います。以下同様にすると、
貯蓄 = 1/3 + 1/3*2/3 + ... + 1/3*(2/3^n) + ... = 1
消費 = 2/3 + 2/3^2 + ... = 2
となります。ここで流通した(持ち手を変えた)通貨の総量は最初の所得と消費を足して 3 となり、通貨量は 1 なので、平均で 3 回持ち手を変えたことになります。
これは k が0と1の間にある限り、常に成り立ちます。
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この回答へのお礼

なるほど、謎が氷解した気分です。ここまでお付き合いいただいて本当にありがとうございました。

お礼日時:2005/12/05 21:55

#1です。

補足します。

> それは知りませんでした。確かにその仮定があればつじつまは合うのかなあという気はします(しかしなんだか無理な仮定ですね。それに「貯蓄」という言葉をそんな意味に使うのを聞くのは初めてです)。

書き方が悪かったですね。
誤解を避けるために言いますが、貯蓄額を通貨量の意味で使っていると言いたかったのではありません。この二つが一致するということを言いたかったのです。

経済学では
(所得)=(消費)+(貯蓄)
という式が恒等的に成り立ちます。要するに手元のお金を使った残りが貯蓄なのです。この貯蓄額は、それぞれの人で重ならない(ある人の金は他の人の金ではないから)ので、全員分を足すと通貨量に一致します。
したがって通貨量=貯蓄額なのです。
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この回答へのお礼

貯蓄の定義はよくわかりました。読解力が足りず申し訳ないです。つまり、私の疑問であった「保有によっても預金によっても流通する」というのは(たぶん)間違ってはいなくて、実は「保有」という言葉の意味が「使わずに保有している金額」という意味だっただけということでしょうか(私は「使うために保有している金額」も保有として考えていたもので)。

ただ、単純にお聞きしたいんですが、所得のうち 1/3 を貯蓄(保有)することが、なぜ流通速度が 3(一定期間に 3 回所有者を変える)であることを意味するのでしょうか。

お礼日時:2005/12/04 21:45

まずこの世界では、通貨量は取引に使われずに誰かの手元にある金額の合計なので、通貨量=貯蓄額であることを理解してください。



M/P は貨幣量を価格で割った物なので、実質貨幣量になります。これは貯蓄と同義語なので、(生産額)×(貯蓄性向)に等しくなることは理解できると思います。したがって
M/P = kY
にが成り立ちます。

ところで PY は(価格)×(生産量)なので、名目の生産額(流通したものの名目額)になることは理解できると思います。ということは、貨幣量を M とおけば、取引が PY 円で通貨量が M ですから、貨幣は平均で V=PY/M 回支払わなければ(持ち手を変えていなければ)なりません。したがって MV=PY となります。

二本の式から、V=1/k になることが理解できます。
もう少し言えば、PY を一定とすれば、V が早ければ、取引動機に基づく貯蓄は小さくて済みます。
例えば給料が月に一回ではなく毎日分割して支払われたとすれば、月に一度の給料日直後の貯蓄額の大部分は貯蓄されないため、生産額(=所得)自体は変わらないのですが、貯蓄額(通貨量)は少なくなります。


> これ(M = kPY)はどう解釈したらいいでしょう。
右辺は名目の生産額(=収入額)に貯蓄性向をかけたものですので貯蓄額になります。左辺は貨幣発行量ですので、誰かの手元にある現金の合計なので貯蓄額になります。
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この回答へのお礼

>この世界では、通貨量は取引に使われずに誰かの手元にある金額の合計なので、通貨量=貯蓄額である

それは知りませんでした。確かにその仮定があればつじつまは合うのかなあという気はします(しかしなんだか無理な仮定ですね。それに「貯蓄」という言葉をそんな意味に使うのを聞くのは初めてです)。

ありがとうございました。

お礼日時:2005/12/04 08:49

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