No.2ベストアンサー
- 回答日時:
別に古典的な文学を例にしなくとも、例文は作れるでしょう。例えば:
1)「別れ際、彼はおずおずと、どこか恥ずかしげに、小さな箱を差し出した。これ何? と聞くと(聞いているのは女性)。君の誕生日の贈り物なんだけど……と彼は云った」
2)「喫茶店でコーヒーを頼むと、どうもアルバイトらしい、若い男がカップを運んできたが、何の拍子にか、カップからコーヒーがこぼれ、彼女の衣服が濡れてしまった。アルバイト店員は、おどおどして、慌てて、濡れタオルで拭いたりしていたが、騒ぎを聞いて、古参の店員がやって来た……」
3)「ちょっとA君、こちらに来てくれ。部長にそう呼ばれたAは、部長の前に行って、はい、何でしょうか、とびくびくした口調で答えた。うん、君のここ数月の営業成績のことだが……と部長は切り出した」
この例文は造ったものがですが、「おずおず」「おどおど」「びくびく」をそれぞれに入れてみて下さい。意味が違った感じになるでしょう。
1)の場合は、贈り物を異性に渡すので、気恥ずかしいので「おずおず」ですが、別に唐突でどうすればよいか分からないというようなこととか、何かを怖れる必要はないのです。
2)の場合、コーヒーがこぼれて客の衣服が汚れるというのは、思いがけないことで、恥ずかしいとか、怖れるというより、こぼした本人も驚き、どうすればいいか当惑しているのです。
3)の場合、最近営業成績が悪いことをAも自覚していて、部長から呼び出しがかかる、あれかと思い、何を云われるか、こんな調子だと首だとか、そんな話もあるかと思い、怖れがあるのです。恥ずかしいとか、唐突というより、ある程度、予見でき、ついに来るべき時が来たかという感じなのです。
「おずおず」には「恥ずかしさ」の要素があり、「おどおど」には当惑、唐突などの要素があり、「びくびく」には、予想された危惧や怖れあがるとも言えます。無論、微妙な違いで、言葉を入れ替えると、場面が違った感じになってきます。言葉を入れ替えて、どういう感じに場面がなるかを考えてみると、意味把握が進むのではないかとも思います。
No.3
- 回答日時:
こんな用例はいかがですか。
気が弱い私は恥ずかしげに、おずおずとたずねた。
「ところで、例の発表はうまくいきました?」
「ええ、うまくいきました。かしこまった席での発表になれないので、発表直前までおどおどしていたんですが、準備万端なのだからと自分に言い聞かせて開き直ったら、意外と落ち着いて発表できしました。はじめ教授の課題の条件をきいたときは、3語の明確な違いが区別できずに、どうしようどうしようとびくびくしていたのがウソのようです」
すかさず元気な返事が返ってきた。たずねては悪いような気がしていたが、その明るい表情に、私も何か心のどこかにひっかかっていたものが、氷解した。きいてよかったと思った。
No.1
- 回答日時:
例えば以下のような用例も・・・
注(用例を自分でひとつ一つ探すことが勉強で、
また、その探し方を工夫するのがさらに大切な勉強です)
<<<おずおず>>>
宮沢賢治(銀河鉄道の夜)
...汽車はもうだんだん早くなって、すすきと川と、かわるがわる窓の外から光りました。
赤ひげの人が、少しおずおずしながら、二人に訊きました。
「あなた方は、どちらへいらっしゃるんですか。」
「どこまでも行くんです。」ジョバンニは、少しきまり悪そうに答えました。...
有島武郎(カインの末裔)
... 刃に歯向う獣のように捨鉢になって彼れはのさのさと図抜けて大きな五体を土間に運んで行った。妻はおずおずと戸を閉めて戸外に立っていた ...
芥川龍之介(鼻)
... 弟子の僧の出してくれる鏡を、極りが悪るそうにおずおず覗いて見た。鼻は――あの顋の下まで下っていた鼻は、ほとんど嘘のように萎縮して、今は僅 ...
<<<おどおど>>>
太宰治(おさん)
... 四箇月振りで夫と逢った時、夫の笑顔がどこやら卑屈で、そうして、私の視線を避けるような、おどおどしたお態度で、私はただそれを、不自由なひとり暮しのために、おやつれになった、とだけ感じ...
新美南吉(牛をつないだ椿の木)
... は、田舎では旦那衆にきまっていました。「誰だろう。」 と、利助さんが、おどおどしていいました。「区長さんかも知れん。」 と、海蔵...
武蔵野(国木田独歩)
... 夏のゆるやかなそよぎでもなく、永たらしい話し声でもなく、また末の秋のおどおどした、うそさぶそうなお饒舌りでもなかったが、ただようやく聞取れるか聞取れぬほどのしめやかな私語 ...
<<<びくびく>>>
新美南吉(最後の胡弓弾き)
...「胡弓がさきにはいってかにゃ、出来んじゃねえか」と答えた。松次郎も怖かったのに違いない。
木之助は虎の尾でもふむように、びくびくしながら玄関の方へ近づいてゆくと、足はまた自然にとまってしまった。大きな赤犬が、入口の用水桶の下にうずくまってこちらを見ているのだった。...
菊池寛(勲章を貰う話) ****他とは違う意味での用例です****
... イワノウィッチは、しばらくは、ダシコフのびくびくする四肢を、見つめながら茫然と立っていた。ダシコフの上着についた血のにじみが、みるみるうちに大きく広がっていく ...
太宰治(虚構の春)
... 今日、本屋であなたの一文を拝見して、無しょうにかなしくなり、話しかけたくなりました。それでも、心のどこかで、びくびくしていて、こまります。あの夜、僕はとりみだし荒んだ歩調で階段を降りました ...
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