天使と悪魔選手権

今、小泉政権の構造改革について勉強しています。

何冊か本を読んでいるところなのですが、いくつかの点でわからないことがあるので教えて下さい。

(1)構造改革を推進しているのは企業が国際的なグローバル経済のなかでで競争に勝つため、ということですが、具体的にはどのような企業が進出しようとしているのですか?

(2)小泉政権は福祉的な資金を削ってグローバル企業のために投資する、と勉強したのですが、公的資金を企業に投資することなどできるのですか?

(3)福祉的な社会はグローバル競争に負けてしまう、なぜなら一般的に福祉国家は生活上の規制や労働条件の規制が厳しいからであり、日本もそうであった、という記事を読んだのですが、具体的にどのような規制のことをいっているのか?

(4)イギリスのサッチャー政権やアメリカは日本よりまえに激しい構造改革を行って成功しているが、それならばアメリカやイギリスの福祉は弱いのか?今も弱いままなのか?

お願いします!!

A 回答 (2件)

評価はいろいろあるでしょうが、返答と感想を少し。



1)については、具体的な企業の進出がどうこうといったことではありません。日本企業は国内を中心に商売をしている企業が多かったわけですが、IT化等により、世界の距離、時間の垣根がなくなりつつあり、世界中の企業と勝負をしないといけなくなってきています。ところが、「日本だけの法律」「日本だけの商慣行」で商売をしていた企業は、海外で商売ができません。
金融などが顕著に例示していますが、日本のメガバンクは、財務省から
様々な規制を受けている間に、海外の金融機関のビジネスにおける技術格差が広がってしまい、この10年ほど「外資」に勝てなくなっていたわけです。
こういった「日本だけ」のものをできる限り「世界標準にしよう」という政策を「構造改革」とまとめて呼んでいます。
2)福祉的な資金を削って企業に直接投資するわけではありません。
例えば、法人税を減税して、病院での個人負担額を2割から3割に上げました。これは、企業からはお金を取らず、個人から取るということです。国レベルでみれば、医療費や生活保護費等の社会保障費用を抑制しながら、企業育成の助成金等を増やすと、同様のこととなります。
3)福祉的国家における規制というのは、かなり多くあります。例えば、北欧諸国は高福祉、高税率です。福祉、つまり生活保護を手厚くしたり、失業給付、訓練を手厚くするためにはお金が要ります。税率が高いということは、再投資できる資金が減るという意味でも、個人、企業ともに負担が重く、非効率です。税金がない国の企業と勝負すると、成長力などではなかなか勝てないですよね。また、従業員を実質的に解雇できないということは、日本の公務員問題を見てもあきらかですが、「問題がある社員」を首にできませんから、効率は悪くなります。最近のフランスの暴動の原因は、企業に「首にできない」ために、若い人間を採用したくないという心理が働き、30歳未満の5人に1人は失業者という状況であることがあります。これに対する新政策の批判から暴動が起こったわけです。(首にしやすくしたのですが、「もっと失業者が増えるんではないか」という恐怖心が暴動に結びついたようです。)
4)イギリス、アメリカについては、批判も多くあります。サッチャー、レーガンの政策で財政が安定し、「小さな政府」になったことは事実です。福祉といっても幅広く、日本だと保育所から始まり、教育、医療、介護等、まさにゆりかごから墓場までです。また、市役所などでうけられる「公共サービス」もご質問の意味での福祉でしょう。
福祉が強い・弱いの議論は、国民性によるので一概に言えませんが、日本と比べると弱い部分は多いでしょう。ただし、両国の国民は「自己責任」を認識しており、国がそこまでやらなくていいと言う判断から止めさせることと、「もっとやれ」と手厚くすることを要求する部分に分けています。

日米英に限らず、すべて「国民がどこまで望むか」の問題で、バブル崩壊後のひどい経済を見て、日本でも「もうちょっと構造改革を」となったわけであり、今は景気も回復しつつあるから「ちょっとやりすぎでは?」となっているんでしょう。
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この回答へのお礼

ありがとうございました!
大変参考になりました。福祉国家ならではの規制が得に詳しくわかって納得できました。
今は小泉批判側からの書物を読んでいるので私自身考えも多少偏っているのかもしれません。
他の主張の本にもあたってみます。

お礼日時:2006/05/18 23:05

1 進出しようとする会社と言うよりも、海外ですでに競争している会社の足を引っ張るのはやめようという事の方が大きいと思います。


東南アジアやインド、中国など単に商品を生産するだけの途上国であった国が、外国の製品を購入する国になりつつあります。
そこで、日本企業の商品がまるで勝負になっていないのです。高すぎて。

2 福祉を削りましたか?医療制度改革は医師の報酬が高すぎることを是正しただけですし、年金改革は、若年世代の負担を軽減する改革を行っただけです。
グローバル企業への投資は何をさしているのか理解できません。
小泉政権だけではありませんが、社会的な影響の大きい企業の倒産を防ぐために公的資金で救済はしましたが、いずれもグローバル企業では無かったと思いますし、財源は国債ではなかったかと思います。

3 労働関係の規制は、日本の生産力を低下させていますし、給料や社会保障費の源泉徴収や会社負担も労働コストを引き上げています。
生活上の規制というのは意味がわかりません。

4 アメリカは福祉は日本以下でしょう。
イギリスは、日本と一言で比較することはできないと思いますが、日本よりも税金や社会保障費は高いし、相変わらず福祉国家といえるでしょう。
イギリスや日本が改革を行ったポイントは、無駄を省くと言うことです。
福祉全体を切り捨てるという性格のものではありません。

たとえば、日産のゴーンがやったことを考えればいいでしょう。
彼は日産という会社の自動車生産力を単純に切り捨てたわけではなく、日産という社会主義的な会社(元々社会主義の満洲国の財閥ですからね)の無駄を省いて生産性を上げました。

ご質問を見ていると、福祉に投じる税金の額が多い=福祉国家、福祉に投じる金が少ない=非福祉国家のようなご認識があるように思います。
その本の著者は、あえてそのように話を展開させているのかもしれませんが、行政の現場と民間の現場を両方見れば、途中で消える無駄な金の多さがわかると思います。そこを改革しようとしたのです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます!
確かに、小泉批判論の書を読んでいるので少々考え方も偏っているかもしれません・・・
これからはその他の小泉政権側からの文章もよんで勉強したいと思います☆☆

お礼日時:2006/05/18 23:02

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