人生最悪の忘れ物

ネット犯罪について調べています。

メル友とわいせつ画像のやり取りをしていたら刑法175条のわいせつ図画頒布にあたりますか??

以前(2003年)に「メル友は、面識のない不特定人物だ」ということで逮捕された事例があったようです。
(過去ログにのってました)

もしわいせつ図画のやり取り(双方同意ある)をした後に、お互いに会ってみたいと感じ、実際にそのメル友と会って面識を持つようになった場合、これでも裁かれるのでしょうか??

よろしくお願いいたします。

A 回答 (2件)

過去ログというのは、これ(↓)のことですね。


「メル友は不特定多数?」
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=609740
過去ログの#5の方が言われていますが、どうやら「逮捕」ではなく「書類送検」だったようです(起訴されたかどうか、起訴されたとして有罪になったかどうか、は分かりませんね)。

さて、刑法175条の「頒布」とは、<不特定または多数の人>に対して無償で交付・譲渡することをいうとするのが判例(大判大15・3・5)・通説です。
つまり、相手方が「不特定多数」の場合はもちろん、相手が「不特定の少数」や「特定された多数」の場合であっても罪になります(「裁かれるのでしょうか?」というのは「罪になるか?」と言う意味ですよね)。
ですから、#1の方は「このわいせつ文書等頒布罪は、相手方が不特定であると同時に多数である必要があります。」と書いておられますが、これは誤りです。

メル友とわいせつ画像のやり取りで、わいせつ図画頒布罪が成立するかどうかは、具体的な事案次第なので、はっきり罪になるとかならないとか断言はできません。
法律論は、おおむね、過去ログの#4の方が解答されているとおりで、メル友になれば誰にでもわいせつ画像を送付するということでメル友を募集していたり、猥褻画像の送付対象者が多数にわたっているなど、頒布の対象が「不特定多数」「不特定の少数」「特定された多数」のいずれかに当たるのなら罪になる可能性はあるでしょう。

質問では、合意の上でわいせつ図画のやり取りをした後に、会って面識を持つというケースを挙げておられます。
これは、対象が「不特定の少数」であって、わいせつ図画のやり取りの段階では一応違法であることを前提に、事後的に面識を持つことで犯罪が不成立となるかどうかを問う趣旨のご質問だと思います。
しかし、この場合、わいせつ図画が相手に達した時点でわいせつ図画頒布罪は既遂になっていますので、その後に、相手方である不特定人が特定人になったとしても、犯罪の成立は左右されないものと考えられます。

また、これも過去ログの#4の方が書いておられますが、「物」の頒布等に関する規定である175条で、「物」(有体物)とはいえない「データ」の頒布等を処罰できるかは、議論があるところです。
この点について、下級審ではデータの場合にも175条の罪の成立を認めたものもあります。また、最高裁では、PCの事案で、わいせつ画像を記録したハードディスクをわいせつ「物」と解して罪の成立を認めた判例があります。
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過去ログの確認はできませんでしたが、このわいせつ文書等頒布罪は、相手方が不特定であると同時に多数である必要があります。


実際に不特定多数に配布されていなくとも、不特定多数が閲覧等することができる状態にあるときは、この罪が成立します。

ですから容易に他の人が見ることができない状態で、個人間でやりとりするぶんには大丈夫でしょう。
但し、あなたのメールの相手がその画像を不特定多数にばらまいていて、しかもそれをあなたが知っていて、この画像もきっとばらまくんだろうな、などと思って送った場合、
この罪に当たる可能性があります。
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