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理工学基礎 物性科学 坂田亮著 培風館

この本を勉強しているのですが、フェルミエネルギーというものはいったいなんなのかいまいちわかりません。

フェルミディラック分布関数によればフェルミエネルギーを取る電子が存在する確率が1/2になるようです。ところが、たとえば真性半導体であればフェルミエネルギーはちょうど禁制帯の真ん中に来ていますがそもそも禁制帯のエネルギーは電子は取りえないのだから存在確率は0なのではないでしょうか?

また検索でフェルミエネルギーを調べると、電子の取りうる最大のエネルギーという記述がありましたが、これはつまり固体の中に存在する電子の最大のエネルギーを持っているものが半分であるということですか?

日本語がかなりまずいところもあるかと思われますが、ぜひとも教えていただきたいです。お願いします

A 回答 (3件)

半導体のフェルミエネルギーについて補足しますと


フェルミ準位が禁制帯にあるというのは
厳密なフェルミエネルギーの定義からは外れた
ものの言い方だと思います.
自分がよく使うフェルミエネルギーの定義は
No.2の回答者さんのものですが,
その定義からするとフェルミエネルギーが禁制帯に
あるというのは矛盾した言い方になってしまいますね.
ただ,禁制帯にフェルミエネルギーがあるということで
価電子帯に電子が詰まっていて励起した電子だけが
伝導帯に行くことができるという状況が分かり
やすくなるのでそういう言い方をしているのだと思います.
物理ではそういう方便を使うことがよくあったりするのですが,
それで混乱してしまうこともありそうですね.
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意外に混乱しており、固体物理の教科書でも間違って記述されていることがあるのですが、まず、フェルミエネルギーは絶対零度でしか定義されないものです。

例えばキッテル参照。

有限温度でフェルミエネルギーにあたるものは化学ポテンシャルです。

フェルミエネルギーを「存在する確率が1/2」となる」と覚えるのは必ずしもいい覚え方ではありません。大よその場合、この覚え方でも正しいですが、こう覚えると混乱しそうな時もあるように思えます。

>検索でフェルミエネルギーを調べると、「電子の取りうる最大のエネルギー」という記述がありましたが

この説明はちょっと不親切です。私ならば「絶対零度において電子の取りうる最大のエネルギー」と書きます。

フェルミエネルギーEfは、その電子系を象徴するあるエネルギーです。電子はフェルミ粒子なので、同じエネルギー状態を取れないので、エネルギーの低い状態からうまっていきます。
 絶対零度ならば、あるエネルギーを境にそれよりも低い状態は全て占有され、それよりも高いエネルギー準位が全て空という状態になります。この境のエネルギーがフェルミエネルギーです。
 フェルミエネルギーが占有されているか空かどうかはわかりません。(まあ、それ以下の占有率が1で、それ以上がゼロなので、間ととって1/2ということにしようという程度の理由です。)

これが有限温度になると、(厳密にはフェルミエネルギーと言っていいか?)Efを中心に温度エネルギーkT
程度の領域は別として、それよりも上はゼロ、下は1という占有率ということです。
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正確なことは専門家におまかせして、雑駁な回答をとりあえず。



フェルミディラック分布関数と禁制帯の話とは別物なんです。フェルミディラック分布関数は、「電子の座席がそのエネルギーレベルに存在するとしたら」電子がその座席を埋める確率を語るものです。そのエネルギーレベルに電子が安定的に存在できるかどうか,
つまり座席があるかどうかというのは話に含まれておりません。
真性半導体でのフェルミエネルギ付近は、フェルミディラック分布関数とは全然別の事情で電子は存在できない禁制帯となっている、つまりもとから居場所は無いわけです。

「電子の取りうる最大のエネルギーという記述がありましたが、これはつまり固体の中に存在する電子の最大のエネルギーを持っているものが半分であるということですか」
最大のエネルギーというのは、下から座席をきっちり埋めていけばフェルミエネルギー=最大エネルギーとなりますが。でも常温では下から全部きっちり埋まっているわけでもないので電子の最大のエネルギーはフェルミエネルギーより高いはずですね。
「最大のエネルギーを持っているものが半分である」というのはちょっと意味がつかめないのですが、たぶん違うような。
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