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おもしろそうだなぁと思って、第一回の放送を楽しみにしていました。途中までは見たのですが、急な来客で残りを見逃してしまいました。

仲代さんと佐藤さんが、最後のほうで大阪のマンションを訪ね、20年たったあの時の女性と再会するシーンまで見ました。その後どうなったのかを教えてください。大事なところを見逃したので、気になります。

来週も楽しみに見たいと思います。

A 回答 (1件)

寺島「20年前、何度かあなたにお会いしてお話を聞かせていただいた、寺島です」


英子「…?…はぁ…?」
マリエ「…あのぉ、お子さんは?」
英子「お子さん!?…私、一人ですよ。ずーっと一人なんです」
驚くふたり。
英子「変な人ら…」ドアを閉める女

車の前で話している二人。
マリエ「あほちゃうの!」
寺島「20年前にも上司に同じことを言われたなぁ…」
マリエ「…つうか、おじさん。まさか捏造してないよね」
寺島「いや、こげなもんだろ、人生なんて」
マリエ「ごまかすなよ!ほんまに、あの女の人やったん?」
寺島「お前には悪いが、来て良かった…私なりに納得ができた…」
マリエ「おいっ、勝手に納得すなっ!…もおーっ意味わからんし!」
目の前を横切る青年。手に買い物のビニール袋を提げている。

寺島「忘れてぇんだ。だからこそ、人間生きていけるっちゅうことだってある…」
青年の姿を目で追うマリエ。先ほど尋ねた部屋の前に着いた。
マリエ「…!…おじさん!」指を指すマリエ
寺島「ん?」
部屋に入っていく青年。
マリエ「ああっ!」駆け出すマリエ

喫茶店。向かい合わせに座っているマリエたちと青年。
青年「…あのぉ…何か失礼なことがあったらお許しください」深く頭を下げる青年。
青年「…実は、母は数年前から若年認知症の症状が出ていまして…」
マリエ「認知症…」
青年「はい…」
寺島「それでしたか…」
マリエ「あっ!?…今、母って…」
青年「はい…血は繋がっていないんですけど…」
マリエ「あの、この人覚えてないわよね」
青年「えっ!?…どこかで…」
寺島「20年も前だし…」
青年「20年前?…じゃあ、僕と母さんが暮らし始めた頃ですよね」
寺島「!!…そんなら、やっぱり君はあの時の…」
マリエ「すごいよ、おじさん!この人やっぱり光太郎だよ!」
光太郎「?!…なんで僕の名前を?」
今にも泣き出しそうなマリエ
寺島「…いやぁ、それですか…ハハ」
マリエ「…おじいさん…」泣き笑いの寺島の肩で泣き出すマリエ

田んぼ。ハルが寺島に説教している。
ハル「由次、お前、食べるものもなくてぶっ倒れていたそうじゃないか!」
寺島「…はぁ?…マリエのやつ、あれだけ姉さんに言うなといっとったのに…」
ハル「冗談じゃないけん!一言言ってくれりゃいいのに、今日から三食、うちに食べに来い!わかったね!!」
寺島「勘弁してくれよ、姉さん…あたしゃ一人で好き勝手に行きたいけん、こうやって田んぼを耕して暮らしているけん…」
ハル「いつまでも、そうやって昔のことにこだわって、ひねくれちょるのはお前のほうじゃないか」
寺島「…姉さん!」
ハル「ああ…いやぁ、ごめんごめん…なんも私は、そげなつもりで…」
寺島「…実は手紙がきとる…」
ハル「えっ?…まさか」
寺島「…いやぁ、息子の嫁さんから息子が、私に会いたがっちょると言ってきた…」
ハル「…なんだ、また今更…」
寺島「…姉さん、生きている限り…過去は終わらんけん…忘れたつもりでおっても、ある日突然、波のように押し寄せてくる…」
桜の木下、母親の傍らに立ち、こちらを睨みつけている男の子の映像。
泣いている寺島。

亡くなった少女・アイの墓前に花を手向け手を合わす舞
マリエがやってくる。気付く舞
マリエ「あなたの友達に、ここやって聞いて…」
マリエ「…ごめんなさい…あんたのこと、誤解しとった。この子のお母さんにも話を聞いた…けど、なんや、この子が一番本当の事話たのはあんたのような気がする…」
舞「…たった1週間やで…一緒におったんは…遊び半分の親子ごっこ…」
マリエ「…その手袋…」備えられた手袋に気付く
舞「…あたしとお揃いや…この子、いっつもポケットに手つっこんどったから、すぐ解かった…あたしにもあるからさ…折檻の痕…」
その手には無数の傷痕があった。
舞「…一生懸命ダンスやっとったから、何でもええし、欲しいもん言うてみて聞いたら、手袋が欲しいって…親に折檻された痕隠したかったんや…たった1週間で終わってしまったけど、ほんまずっと一緒におりたかったわ…私が
マリエ「…そのたった1週間の親子の話…あたしに聞かせてくれへんかな…お願いします!」頭を下げるマリエ

寺島の家。青年が玄関先で待っている。
田んぼから帰ってきた寺島の姿を見つけると駆け寄ってきた。
寺島「…!…光太郎くん」
深々と頭を下げる光太郎
光太郎「…すみません、勝手に、あなたがお書きになった原稿読ませていただきました…」
寺島「…へっ?!…しかし、あれはどこへも…マリエっ!」
光太郎「コピーして、届けてくださいました」
寺島「…申し訳ない。今更君が知りたくもないことも書かれちょったはずだ…いやぁ、このとおりだ」詫びる寺島
光太郎「…救われました…」
寺島「…へっ?!」
光太郎「僕らみたいな親子の人生、じっと見ててくれた人がいたなんて…なんか、感激やった…」
光太郎「…正直ゆうたら、毎日会社が終わって、アパートに帰ってきて母さんの介護、疲れ果てる時もあります。投げ出したいって思うときもあります。でも、それが楽しくて幸せやって感じる時のほうが多いし…」
鞄から寺島の原稿を取り出す
光太郎「『海辺の波』…母さんも僕とまったく同じ思いをして僕を育ててくれたんやなって…判りました」
光太郎「…前よりももっと母さんが愛しく、誇りに思えるような気する…ほんまに…ありがとうございました」
涙が止まらない寺島。笑顔で光太郎に応えている。

海沿いの土手に座っている寺島。手には手紙が握られている。
寺島「…翼ある舟は…翼ある舟は…霧深き水平線の彼方より現れてくる…」
つぶやく寺島

つづく

誤字脱字はご容赦ください。
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この回答へのお礼

すべて書いてくださったんですね!びっくりしました。ありがとうございました!映像を浮かべながら読みました。涙が出ました。

お礼日時:2006/08/20 21:59

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