
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
改めて、もう一度、こちらで調べてみました。
こういう問題は、現代の思想や習慣と、史実とは必ずしもそぐわないことがあります。現代の思想に相容れないから、現代の思想とすり合わせたり、改編したりして良いということではないと思うのです。キリスト教にみられる霊感などというものも、それは、信仰の問題であっても、史実から真実を求めようとする本来の志とは別ものだ、と言わざるを得ないのです。宗教には、リアリズムを描き出したものなどはありません。しかし、人間の心のリアリズムを求めることによって、初めて私たちの心に届くものがあるかと思うのです。リアリズムを求める気風を信仰の下にうやむやにして良いわけはないと思うのです。もともと、日本仏教は、仏教の名を借りた、亜宗教が日本では広まったわけであり、そこに仏教の真実を求めるなら、どれも正しくはない、とはなるのですが、それでも、少しでも、真実を求めようとする心構えは、少なくとも仏教を語るものには必要ではないでしょうか?
釈迦は、女性の入信者をなかなか認めようとはしなかったという伝説があります。フェミニストたちは、仏教に対して批判はしていますが、それは、歴史的な問題ではなく、本来、仏教の思想的な性格に、女性性(Feminie)な部分を求めていなかったに他ならないのではないか、と考えるのです。
初期仏教教団には、確かに、有名な尼僧がいたのは言うまでもありません。その中で、仏教徒なら誰でも知っている人と言えば、仏陀の妃、ヤショーダラー(麻輸陀羅)だと思います。また彼女は、仏陀の子 ラーフラの母です。しかし、その時点で、彼女を、今日、どのように理解しようとも、菩薩だの如来だのと安易に結びつけることは出来ないのです。少なくとも、菩薩や如来という概念的なものが形成されるのは、大乗仏教になってからのものであって、それを初期仏教教団にまで結びつけるには至らないのです。
涅槃経の中の 「善男子・善女子よ。----丈夫の志を立てることに勤むべし。---如来性は丈夫の法なるが故なり。女人の志は一切法に於いて多く染者を生じ---。若し、衆生の自身に如来性あることを知らざるものあらば、世間に男子と名を称すと雖も、我、此の輩は是れ女人と説く。若し、女人の能く自身に如来性あることを知らば、世間に女人と名を称すと雖も、我、此等は男子と説く」(大正新脩大蔵経 Vol12,P894)という書かれています。
如来性というのは、信仰の対象物ではなく、人の持つ解脱の内在性のことを指しています。これは、心理学者のユングの言うような、肉体的性別を越えて、内在する男性性(Masculine)と内在する女性性(Feminine)というべきものか、男性性にて、如来性があるとしていると私は解釈しています。
男性が女性に対する支配構造というのは、ある意味、我々人類が持つ永遠の社会心理的構造であって、それは、今日の社会的な権利主張とは別ものです。時々、ゴータマではなく、仏陀人間論において、大乗仏教の仏陀の肉体的性を問うのは、また同時に、大乗仏教においての男尊女卑を仏教の中で論ずるのと同じく、ある意味こっけいです。しかし、反面、現実には、今日まで、女人の五障三従という言葉も残っているとおり、多くの日本の伝統仏教では、女性の立場は低かったわけです。それは、当時の社会体制の中で、民衆の宗教として存在するための、すり合わせというよりも、女性性のリアリティにおいて、仏教では、それを求めなかった、または避けていたのではないだろうか、と考えるのです。
多くの大乗仏教にある如来像や菩薩像のような中性的(Neutral)な容姿は、反面、僧侶の脱男性を意味していても、キリスト教のようなマリア信仰のように、生殖機能を持つ女、つまり母性が現れていないところをみると、やはり、仏教は、男性性的な(Masculine)宗教であると言わざるを得ないと思うのです。したがって、大乗仏教における如来といういわば象徴的存在に、女性はないという結びになるだろうと思うのです。これは、仏教の思想的な性格によるものであって、ギリシア神話に影響を受けたキリスト教などの女神信仰や聖母マリア信仰とは同一にしてはならないものだ、ということです。ただし、言うまでもなく、本来、キリスト教は父性の宗教ではあります。仏教は、子と親という関係を持たないものだから、男性性的(Masculine) という用語を、ここでは用いています。
No.6
- 回答日時:
「理由は、当時は、男性しか修行を許されなかったから。
」は間違いですね。釈尊の時代でも女性の僧(弟子)はたくさんいました。比丘(男性)、比丘尼(女性)と呼ばれていたのですね。
その上で、女性の如来はいるかといえば、如来格の女性霊はいますね。大乗の祖といわれる文殊菩薩は、菩薩とよばれていますが如来格の女性ですね。
No.5
- 回答日時:
思い出したことですが、竜樹(ナーガールジュナ)の『大智度論』の中の、如来の三十二相がありますね。
明らかに男性の特徴を持っています。しかし、大乗仏教の世界では、如来が、性別をどちらかというのも、おかしいのかもしれません。ただ、如来というのは、大乗仏教では、仏教世界のトップの地位にあるのですから、人間界でどんなに実績を積んでも、人が直接如来になるというのは、何かの誤解かと思います。一般の大乗仏教の中では、現在までの仏教信仰では、如来が菩薩に下りることはあっても、菩薩が如来になることもないように思います。俗に、男性からみた若い美しい女性(身)に如来と呼ぶことはあるようですが、仏教とは直接関係がないはずです。
私の創作ですが、仏を会社組織に考えてみました。仏教世界のヒエラルキーがあります。ただし、これは、大乗仏教のみになるかと思います。
最初の役職は、係長の羅漢からだと思います。天は、警護隊長(昇進はありません)、ここと同じクラスに入るのは、鬼(例えば、鬼子母)と言って、人間界で悪さしたものたちで、仏陀によって改心したものが含まれます。実は、ここのクラスにいるのは、多くはヒンズーの神々のことです。独立した一派で、日本でも、人気が高く親しみやすく、やはり神頼みは、こちらに行くほうが多いように思います。私個人も、鬼子母神の縁日や、仏教徒や神道ではない者にとっても、葛飾の帝釈天や、鎌倉の銭洗弁天とか、お寺さんや神社と違う雰囲気を醸し出して、行きやすいです。
明王は、課長・部長クラスで、如来の個々の命令の実行部隊、菩薩は、取締役部長(平取)クラスです。
菩薩は、人間界で直接の実務(慈悲利他行)をしているわけです。一番、働いているものたちかもしれません。この菩薩にも階位があり、遠い将来には、如来になるかもしれません。非常に長い修行が必要だそうです(『十地説』)。 如来クラスでも下りてきて、菩薩で仕事をしているものもいるわけです。
如来は、専務・常務クラスです。場合によっては、トップも含まれます。いわゆる経営方針は立てて、命令をする側です。しかし、今のお釈迦様の立場は代表取締役でも、直接陣頭指揮に立ちません。一般的には、大乗仏教では、如来と釈迦は同一視されることが多いようです。なお、仏弟子たちは、菩薩の地位までは得たようです。
これは、大乗仏教の考え方ですが、一部では、こうした外部に実体化した存在を立てることを禁じている場合もありますから、これがすべてだとはいいません。一応、松濤弘道翁の著書を参考にしました。また、上座部仏教の場合は、羅漢の上の阿羅漢が、人間の到達できる最高位です。
如来は、多くは、概念的なものを具象化していることが多いので、密教系の毘盧遮那(びるしゃな)如来や大日如来、浄土系の阿弥陀如来、弥勒如来(菩薩)には、性別らしき性別というものがありません。大乗仏教では、また「空」を具現化したものが如来とするわけで、そういう性別という人間界の対立の世界にはない、と言えば、また、それも事実なのでしょう。
ただし、釈迦牟尼如来は、伝説としても、史実としても、男性であることは言うまでもありません。
[三十二相]
参考URL:http://www.bunkaken.net/index.files/kihon/32sou. …
No.2
- 回答日時:
こんばんは。
仏像などは、顔つきが優しいとか女性的ですが、如来の性別がどちらかと言えば、やはり「男性」です。原語のtathagata は、真実より来たれる者は、仏陀と同意語で、男性名詞です。女性は、女性のままでは、悟りに至れないとされています。
仏教というのは、男尊女卑の社会に支えられて広まった宗教なのだから、それは、後代に大乗仏教の信仰の中で変化しても、元は、そういう考え方なのだと思います。
No.1
- 回答日時:
私の理解では如来となったことで、性の属性が消えるので、如来は男でも女でもない と思っているのですが、如来になる前 女性の属性でいたものは というと、海部厳子。
物語では大うわばみが住む山に入り、21日の行を成し遂げ山を出てきた。
(つまり生命の樹に到達したので、永遠の命を得たと解釈されたのではないかと。)
831年3月20日弘法大師の座す南方に向かって合掌して座し、如意輪観音の真言を誦しながら、そのまま紫雲に乗って還化した という話があるそうです。
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