常々疑問に思ってます。
イランは、男女ともに参政権も被参政権もあるし、選挙もまともに行われていると聞いています。大統領もちょろちょろ変わっているので独裁国家でもないし、ダボス会議でのハタミ前イラン大統領の話を聞いた感じだと、現実感覚のある人間と思えました。正直、南米の反米某大統領なんかよりはよほど人間として「できている」感じです。
問題としては、政教分離がされていない点がありますが、アラブのあの辺りの国って政教分離していない国が多いですし、アメリカと仲の良いサウジアラビアなんか、いまだに強権的な君主制で民主制という点ではイランと比べるまでもないくらい遅れていると思います。
なんでアメリカはあそこまでイランを敵視するのでしょうか?
感情論だけではなんとなく納得できません。
どなたかよろしくお願いします。
No.8
- 回答日時:
あまり難しいことはわかりませんが、イランは世界有数の石油埋蔵国ですね。
今までは石油の売買をドルで行なっていました。しかし、イランはユーロはじめドル以外の通貨で売買しようとしています。
アメリカは世界の通商がドルを基軸に回っていなければ、すぐにでも倒産してしまいます。ドル以外の通貨を使うというのが一番の原因だと思います。
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
現在のイランは、決して一つにまとまった意志を持つ国ではありません。
アフマジネジャド大統領に賛同する「対外強硬・国内民主化派」
ラフサンジャニ最高評議会議長に賛同する「対外融和・国内民主化派」
ハメネイ最高指導者に賛同する「対外融和・国内保守化派」
の3つに分裂しています。
現在は、アメリカなどからの圧力に反発するアフマジネジャド大統領派が優勢になっています。
大統領は、行政の最高責任者であり、中間階層を支持基盤とします。
評議会議長は、議会の最高責任者で、テヘランなどの都市部市民を支持基盤に持ちます。
最高指導者は、宗教界の最高権威で、地方の農村部などに支持基盤を持ちます。
イラン・イスラム革命以前は、親アメリカのパーレビ王制の下で、石油資源の販売の利益は、全て一部の人が握り、国民は、貧困にあえいでいました。
アメリカは、ソ連を南部から牽制できる位置にあり、ペルシャ湾の入り口に面したイランに対し、積極的な経済・軍事援助を与えていました。
イランは、他の中東諸国に比べ、近代化が進んでいたため、富の偏在が国民に明らかになっており、その事に不満を持った国民が、パーレビ政権打倒に動きます。
その時に象徴として担がれたのが、「ホメイニ師」でした。
本来は、市民革命として発生したイラン革命でしたが、革命途中から宗教勢力が革命の中心となり、パーレビ政権を打倒し、「イスラム革命」へと変質してしまいます。
アメリカは、パーレビ政権擁護の立場をとったため、革命政府と決定的対立を引き起こします。
イラン政府は、アメリカ資産の没収などを行い、アメリカに対抗します。
この事が、今日まで続くアメリカとイランの対立の原点となります。
アメリカの資産を没収した国に容赦しないのがアメリカで、アメリカから独立したキューバに対しても、アメリカ以外の全ての国が認めているキューバに対しても、徹底的な反感を持っています。
サウジアラビアの体制は、民主化を徹底して拒否しているため、現在の政権が維持できている面があります。
アメリカが、中東に民主化を根付かせるためには、イラクではなく、サウジアラビアに侵攻すべきでした。
No.6
- 回答日時:
アメリカという国家の威信をもっとも傷つけたからです。
他の方も書かれておりますが、1979年にイランで革命が起こりました。その後に米国の大使館が占拠されたのです。
そこにいたアメリカ人を救出するためデルタフォースがペルシア湾からイラン領内に侵入しました。救出作戦が開始される当日、各マスコミは出撃現場から生中継を行っていたのです。その目の前で最新の大型ヘリが故障を起こして僚機に激突、爆発炎上しました。デルタフォースの隊員も多数死傷し、ヘリも救助に必要な定数を割ってしまったため作戦は失敗中止となります。その後、カーター大統領とレーガン候補の大統領選挙が行われカーターは落選します。
No.5
- 回答日時:
もう少し追加で少々。
前イラン大統領はとても民主的で親米的でした。
9.11直後イスラム諸国民はテロリストに喝采を浴びせましたが、イラン国民だけは喪に服したそうです。更に国家としてもアメリカのアフガニスタン侵攻に際してもイランは出来る限りの手助けをしました。
それでもなおアメリカには『イラン=悪』という固定観念が残っていたのでしょう。悪の枢軸扱いをされ脅威を感じたイランでは反米独裁的な大統領が当選してしまいました。
まあこういう流れな分けです。
知っておいて欲しいのはアメリカ人も、ユダヤ人もイラン人も本当に悪い人は極少数派だということです。アニメのような善対悪ではなく、大抵はアメリカ的善対イスラム的善のようにお互いにお互いなりの正義があるわけです(北朝鮮のような例は別でしょうが)。
ユダヤ人はイスラム教徒と上手く付き合ってきた方です。本来はエルサレムでも数千年も一緒に過ごしてきた仲です。それがお互いなりの正義がぶつかり合うようになり(それを煽った勢力も居る筈です)、憎しみが憎しみを呼ぶようになり、今のような関係になってしまったわけです。
先進国には悪い事をしたくて悪い事をする人は殆ど居ません。イランほど進んでいる国でも同じです。また国家としても悪いことをする為に悪い事をする国家は(北朝鮮のように独裁的な人間が権力を牛耳ってしまうような例は別としても)殆ど居ません。
しかし、良かれと思ってやったことが相手を傷つけるという例は人と人でもよくあるように、国と国でもよくありますし、些細な行き違いから始まった対立が加速していくうちに今回のような事になってしまう事も往々にしてあるわけです。
だから私たちはそんな事にならないように、政治や行政やマスコミなど『権力』が間違った時にはNOと叫ぶ事が必要なわけです。そして何が正しく何が間違っているかを判断する為には勉強をする必要があるわけです(ただNoというだけでは共産党や社民党のような電波になるだけですから)。
No.4
- 回答日時:
イラン革命とイスラエルが大きな原因だと思います。
イラン革命
大まかに説明するとアメリカの支援を受けていた王朝が民主化を目論む市民により転覆したわけです。
その際アメリカに逃亡した国王がアメリカの支援を受けてイランに舞い戻る事を畏れてイラン市民はアメリカの大使館を占領しました。これによりアメリカ国民のイラン感情は今でも最悪なわけです(大恥をかいた)。
また宗教国であるイランの政策は政教分離を果たした先進国からは奇異に見えることも多々有りました※(当時はそれなりに問題のある政権だったと思います)。
そしてイラン王室はアメリカの援助の見返りに安く石油を売っていたわけですが、これを撤回しました、アメリカの石油会社のイラン支社を没収したわけです。
これでアメリカは屈辱を受けかつ大損をしたのです。
大まかに説明するとこんな感じですが、この時の恨みがまだあるわけです。イラクのフセイン大統領も当初はイランを押さえ込む為にアメリカが援助をして育てた独裁者です。
またアメリカはイランの選挙が不完全などと言っていますが、イスラム諸国のような国々にいきなり先進国水準の民主主義を当てはめても、社会が不安定になるだけです。アメリカだってイギリスだって日本だって数十年数百年かけて徐々に民主化を果たしていったわけですからアメリカの意見は言いがかりにすぎません。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%A9% …
※悪魔の詩
こんな事件先進国の目から見れば奇異以外の何物でもないでしょう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%82%AA%E9%AD%94% …
もう一つはイスラエルです。
当たり前ですがイスラエルは全イスラム国から嫌われています。
その中で、アメリカの保護を受けているサウジアラビアが緩衝材になってくれていたわけです、一番の脅威であるイラクは自滅してくれましたが、未だ敵国に囲まれ続けているわけです。そこでイランが核にもたれると非常に困るわけです。
あとは当然石油と言うのもあると思います。
戦略的にも安定供給地が増えるというのは良いことですし、戦費の足し位にはなるという考えもあるでしょうし、石油企業の献金も増えると思います。
当然9・11のヒステリーがまだ残っている面も大きいです。
そもそも喧嘩など売り言葉に買い言葉でどんどん過激になっていき、最初の理由など忘れてしまうと言うのは人でも国でもよくあることです(太平洋戦争はそうやって始まりました)。
9・11のヒスでイランの親米の民主的な政権をアメリカが潰してしまい、現在反米的な独裁的政権を生み出してしまい、イランが過激な事をいうようになり、それに反応してアメリカも反発しているという面も大きいです。
知っておいて欲しいのは現代ではアメリカほどの国家が行動を起こす時、その理由が一つである事は殆どありえない事です。
様々なメリットデメリットを分析した結果、判断が下されているわけです。
現在のアメリカの中東政策は、欲と怒りとイスラエルで目が曇りまくっていると思いますが、それでも色々考えた結果判断しているというのは変わり有りません。
ご回答ありがとうございます。
アメリカ大使館の占領にはそんないきさつがあったんですね。知りませんでした。
知れば知るほど、判官贔屓も加わってイランに同情してしまいます。
イスラエルについては、言葉がありません。
選民思想だし、国連の施設を攻撃しても、アメリカの後ろ盾で「お咎め無し」は納得できません。
先日、TVの特番で「日本人の中にユダヤの子孫がいるかもしれない!」と白人への憧憬も伴って大喜びしてましたが、ユダヤ教がどんな宗教かイスラエルがどんな国か知ってもなお、日本人は大喜びするのかと、暗澹たる気持ちになりました。
No.3
- 回答日時:
前のお二人の仰る通りだと思いますがもうひとつ・・・
アメリカは石油と次の戦争相手が欲しいんじゃないでしょうか。
戦争がなくなったら経済が成り立たない国家ですからね・・・
泳ぐのを止めたら死んでしまうサメと同じですね。。
No.2
- 回答日時:
私も詳しくないのでうまく答えられないですが、1979年に起きた「イラン・アメリカ大使人質事件」などをきっかけにして、関係が悪くなったそうです。
1カ月ほど前、テレビ朝日「サンデープロジェクト」の特集で取り上げていました。一方、日本は安部総理の父である「安部晋太郎」外務大臣が外交に尽力され、今でも良好な関係が続いています。ですが、米国とイラン,イラクとの関係がこれ以上悪化してしまうと、日本は選択を迫られるようになると思います。米国の同盟国だからといってイランに圧力をかけるなどせずに、独自外交のもとにイランと日本はうまく交流していってほしいです。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1% …
No.1
- 回答日時:
元々イランは親米の王国(パーレビ国王)でした。
アメリカの支持を背景に反体制派を軍隊や秘密警察で弾圧するような国だったのです。ヨーロッパに亡命していたイスラム原理主義者のホメイニ師n指導で王制打倒(イラン革命)に成功し反米を鮮明にしたイスラム原理主義国家となりました。同時にイランのアメリカ大使館を占拠し、多くの大使館員をイラン旧体制を支えていたスパイとして人質に取りました。
前大統領のハタミ氏は行きすぎたイスラム原理主義を緩和する政策で大統領に就きましたが、イスラム原理主義者の巻き返しにあい、代わりにもっとも反米強硬派のアフマディーネジャード大統領に代わりました。
返信ありがとうございます。
確か、アフマディネジャド大統領は支持率低下で次の選挙では落選しそうなんですよね。
アメリカの援助を受ける親米国はろくでもないということをアメリカ国民は知っているのでしょうか。私は世代的にアメリカ好きなのですが、アメリカ国民がそういうことを知れば、是正されるような期待を持ってます。
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