
フラーレン(C60)は、1985年に、ハリー・クロトー、リチャード・スモーリー、ロバート・カールらによって発見され、この3人は1996年度のノーベル化学賞を受賞しましたが、
それ以前の1970年ごろに、豊橋技術科学大学の大澤映二教授が、フラーレン(C60)の構造をすでに予言し、日本語の雑誌や本に公表していましたが、英語で書かなかったので、外国には知られず、クロトー、スモーリー、カールらの論文に引用されなかったそうですが、
もし大澤映二教授が1970年ごろに予言したフラーレン(C60)の構造を、日本語ではなく英語で論文に書いていたら、大澤映二教授はノーベル化学賞を受賞していたでしょうか?
それとも、予言しただけでは駄目で、実際に発見しなければ、ノーベル賞はもらえないのでしょうか?

No.2ベストアンサー
- 回答日時:
私の個人的な印象ですが、ノーベル賞の選考にあたって、発表の方法というのはさほど重視されていないように思います。
ただ、大澤先生がフラーレンその他の化合物についてかかれたのは雑誌の記事という扱いだったと思いますので、論文とよんで良いものかということが少し引っかかります。
しかしながら、その記事はフラーレンの化学の発展に伴って、少なくとも日本国内ではある程度の話題になっていたように記憶しています。そのことは、おそらくノーベル賞の選考委員会でも知っていたのではないでしょうか。選考に関与した日本人がそれを知らなかったとは思えませんからね。
だとすれば、大澤先生の先見性を評価したとしても、ノーベル賞受賞に値するとは評価しなかったということでしょう。ただし、もっと学術的に掘り下げた論文を英語で発表していたとしたら結果は変わっていたかもしれません。
現実問題として、惜しくもノーベル賞を逃す人は多くいますし、その選考結果に異論が出ることも多々あります。何が公正であるかということの判断は難しいです。スポーツのように得点やタイムで競うわけではありませんので、選考者の主観が入るのはやむを得ないと思います。
受賞するのと紙一重で選にもれるのでは大きな違いですね。
>予言しただけでは駄目で、実際に発見しなければ、ノーベル賞はもらえないのでしょうか?
そんなことはないと思います。しかし、その予言の先見性や理論付けも重要だと思います。何の根拠もない単なる思いつきでは難しいでしょうね。
ご回答どうもありがとうございました。
ノーベル賞の選考委員会の調査はものすごく詳しいそうですね。候補者の調査に多額の予算を使っていると聞いたことがあります。ですから、確かに、大澤教授のことも知っていたと思えますね。
私は単純に、大澤教授の名前がクロトー、スモーリー、カールらの論文に引用されていないことが、大澤教授が受賞にもれた主な理由かと思っていましたが、大澤教授の理論付けが足りなかったと選考委員会が判断したのかも知れませんね。
>その予言の先見性や理論付けも重要だと思います。
大澤教授の場合は、先見性は間違いなくあったと思いますが、理論付けが足りなかったのでしょうかね。
大変参考になりました!
No.1
- 回答日時:
完全に推測になりますが, やはりノーベル賞はもらえなかった可能性は高いと思います.
まず, 基本的に「実験によって結果が示されている」というのがノーベル賞を受賞するための事実上の要件となっています. 次に, ノーベル賞は「同一課題に対し 3人まで」という制限があります.
そのため, 実際に発見した人が優先されるので「受賞できなかった」か「3人目でぎりぎりすべりこみ」かのいずれかだと思います.
この回答への補足
>実際に発見した人が優先されるので
本当にそうでしょうか?
ノーベル賞は予言や予想した人より、実際に発見した人が優先的に受賞しているといえるでしょうか?
たとえば、1957年に「パリティ対称性の破れ」に対して与えられたノーベル物理学賞はどうでしょうか?
1956年にヤン(楊振寧)とリー(李政道)が、弱い相互作用の関与する物理現象ではパリティの対称性が破れると予想しました。
そして、1957年にウー(呉健雄)が、そのヤンとリーの予想を実験で証明しました。
ところが、この「パリティ対称性の破れ」を「予想」したヤンとリーは、1957年度のノーベル物理学賞を受賞しましたが、「実験で証明」したウーはノーベル賞を受賞できませんでしたよ。
もし、「実験によって実際に発見した人が優先される」のであれば、ヤンとリーが受賞できて、ウーが受賞できなかったことが説明できないのではないですか。
まして、この場合は、ヤンとリーとウーが全員受賞しても、「受賞者は3人まで」という制限はちゃんと満たすのですよ。
もし、実験によって結果を示さなければノーベル賞を受賞できないのなら、中間子を「予言しただけ」である湯川秀樹博士は受賞に値しなかったということでしょうか?
ご回答をありがとうございました。
湯川秀樹博士が中間子を予言し、その中間子をセシル・パウエルが発見したことについては、
湯川博士が1949年にノーベル物理学賞を受賞し、翌年の1950年にパウエルがノーベル物理学賞を受賞する、というように、予言した人と、実際に発見した人を別の年に受賞させていましたよね?
同じように、大澤映二教授の受賞年と、クロトー、スモーリー、カールの受賞年をずらせば、「3人まで」という制限があっても、全員が受賞することが可能になるのではないですか?
ご回答は大変参考になりました!
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