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いつもお世話になっております。
現在社会福祉士養成課程の通信講座を受けています。これまで児童福祉論や老人福祉論などのレポートを作成してきましたが、今勉強している「社会福祉原論」でつまづいています。用語が難しく、自分ではなかなか理解できません。レポートの課題は、「社会福祉の対象と援助の形態及び方法について、措置制度と契約制度との対比という観点から考察せよ。」です。中央法規の「社会福祉士養成講座1 社会福祉原論」の教科書ですが、どこに該当の説明があるかもよく分からない状態です。特に「援助の形態」とは具体的にどういうことか分かりません。
どなたかアドバイスしていただけると大変助かります。どうぞよろしくお願い致します。

A 回答 (5件)

補足です(^^;)。


元ネタは、ミネルヴァ書房から出ている「福祉改革と福祉補助金」という書籍です(黄色いカバーの本です)。
1989年4月出版、とかなり古い本(措置制度時代の内容になっています)なので、現在は、おそらく市中には出回っていないと思いますが、福祉系学校の図書館などにはあるはず。
もしよろしければ、この本をごらんになっていただくと、財源的な問題の背景がよくわかると思います。

http://www.amazon.co.jp/%E7%A6%8F%E7%A5%89%E6%94 …
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この回答へのお礼

上記、書籍のご紹介ありがとうございます。ぜひ読みたいと思いますので、図書館などで探してみたいと思います。

お礼日時:2007/07/29 12:02

おそらくお手元のテキストに記されているはずですが、「社会福祉基礎構造改革」という行財政改革の一環として契約制度(介護保険制度、支援費制度、障害者自立支援法、保育所契約制度 等)の成立に至った、という経過があります。


その背景には、措置制度が抱える制度的・財源的な問題がありました。

措置制度においては、国が何もかも縛りをかけてしまうために、その制度には柔軟性が欠けてしまい、臨機応変の対応がしにくくなってしまう傾向がありました。
同時に、措置制度では財源のすべてが税収である以上(非常に重要なポイントです)、それには上限が必然的に伴い、自然増(職員の賃金の上昇、利用者の重度化 等)に対応しきれなくなってしまったのです。
そこでまず、保険制度と一部自己負担を導入することによって、財源の縛りをなくすしくみを導入しました。
これが、契約制度の1つである介護保険制度です。

障害者福祉においても、介護保険制度との統合を図って財源的な問題をクリアする手はずになっていました。
しかし、何を「介護」とすべきかという観点が高齢者と障害者とでは異なり、また、障害者自身に負担能力が乏しい(低収入)ことから、障害者福祉における保険制度の導入は見送られました。
ただ、将来的には介護保険制度との統合をめざしたため、契約制度の導入には踏み切りました。
それが、契約制度の1つである支援費制度です。
ところが、支援費制度では財源的な問題をクリアできなかったため、早晩に破綻に至ってしまいました。
そこで「少なくとも一部自己負担を導入しよう」ということで考え出されたのが、障害者自立支援法でした。

障害者自立支援法においては一部自己負担が導入されたものの、財源のほとんどを税収に頼っており、措置制度時代の財源的な問題点は解決されていません。
しかし、前述のように「介護」の概念が異なることから、安易に介護保険制度の中に組み込むこともできず、たいへんなジレンマを抱えている制度です。

これらについては、検索サイトなどでぜひ「社会福祉基礎構造改革」をキーワードに検索なさってみて下さい。
数多くの資料をさがし当てることができるはずです。

このように、歴史的な流れや国の持つ財政的・制度的な背景も併せてとらえてゆかないと、社会福祉は、決してとらえることができないと思います。
言い替えますと、幅広く知識を吸収しないとダメだ、ということになるでしょうか。ピンポイントで学習してしまうと、大切なところを見落としてしまう危険性があるかもしれませんね。
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この回答へのお礼

こんにちは。上記ご説明ありがとうございます。社会福祉基礎構造改革の資料と照らし合わせて理解に努めます。

>言い替えますと、幅広く知識を吸収しないとダメだ、ということになるでしょうか。ピンポイントで学習してしまうと、大切なところを見落としてしまう危険性があるかもしれませんね。

まさにおっしゃる通りだと思います。何を学習するにも背景を捉えることは大事ですね。また、児童福祉論、老人福祉論などの区分はありますが、最終的には関連付けて学習しなければならないのですね。

お礼日時:2007/07/29 12:00

こんにちは。


措置制度を考える上で非常に重要なポイントがありますので、補足させていただきますね。

さて。
憲法第87条は、「公金その他の公の財産は、‥‥公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業にたいし、これを支出し、またはその利用に供してはならない」として、慈善や博愛に対する公金の支出を禁止しています。
ところが、民間社会福祉事業は、これに該当する性格を持っています。

行政体力による民間社会福祉事業への公的資金補助は、戦前の社会事業で見られた形式で、戦後は憲法第25条で「社会福祉事業が国の公的責任である」ことを明確にし、かつ、憲法第87条で民間による社会福祉事業を本来は否定しました。
しかし、実際には、戦後の社会福祉事業は、民間に大きく依存せざるを得ない状態でスタートしました。

そこで、その実態と公的責任とを結びつけ、かつ憲法第87条で禁じられた公金の支出(これは、公の責任が全く関与しない民間に対する公金の支出を禁じている、と解釈されています)に抵触しないように「措置(費)制度」が考え出されました。
つまり、措置費を支出する形で公金を補助して民間社会福祉事業を助成するかわりに、国が憲法第25条で定められたその公的責任を果たすべく、民間社会福祉事業に対して深く関与し、規制してゆく(人事、予算、会計等に対する監督関係)というものです。
同時に、国は財源に対する公的責任も負うこととなりましたが、これは、国の予算の圧迫を招き、結果的には措置制度の解体につながりました。

措置制度における規制自体は、むしろ、今日の多様性とは逆行するものです。
ですから、現行の契約制度はその反省に立ったものである、ということを示すとともに、財源問題をクリアすべく契約問題が考え出されたのだ、という点にも目を向ける必要があるかもしれません。
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この回答へのお礼

今晩は。早々にご回答いただきありがとうございます。
どうやら私は全く違う解釈をしていたみたいですね(^_^;)教科書や他の参考文献には措置制度が生まれた背景が載っていない・・と思っていましたら、さっき戦後福祉の動向という章に書いてあるのを見つけました。そして回答者様のご説明と照らし合わせて読みましたら理解できました。出題者の意図がわかりました。実は、憲法89条と措置制度の関連から契約制度をどう結びつけていいのか分からなかったのです。。

>同時に、国は財源に対する公的責任も負うこととなりましたが、これは、国の予算の圧迫を招き、結果的には措置制度の解体につながりました。

措置制度の解体に財政面も要因としてあったとは知りませんでした。

>ですから、現行の契約制度はその反省に立ったものである、ということを示すとともに、財源問題をクリアすべく契約問題が考え出されたのだ、という点にも目を向ける必要があるかもしれません

契約制度において財源問題をクリアするという点ですが、教科書を読んでも理解できません。。具体的にどういったことでしょうか?
いろいろ細かいことまで教えていただいて本当に恐縮です。私は福祉の世界に入るのが初めてでして。。

お礼日時:2007/07/29 00:08

>援助の方法について、教科書に「ケースワーク」などの説明がありますが、措置制度や契約制度がどの援助方法に当たるかなどは述べなくてもいいのでしょうか?



質問者さまがどのようなことに的を絞ってレポートをまとめ上げるのか、ということによって、変わってくるでしょう。

たとえば、ご存知のこととは思いますが、契約制度(介護保険制度や障害者自立支援制度)に変わってからは、援助においては「ケアマネジメント」の概念が非常に重要視されるようになりましたよね。
すると、その「ケアマネジメント」の概念に的を絞りながら措置制度と契約制度とを対比させてみる、などといった書き方もできると思います。
すなわち、援助において「ケアマネジメント」の考え方が持ち込まれた背景には何があるのかをとらえ、そして、その背景の中で措置制度と契約制度双方のメリット・デメリットを論じてみる、などという進め方をしてみても良いかもしれません。

もちろん、措置制度と契約制度を対比してゆくと、援助の形態や方法において、ケアマネジメントの概念以外にも多々新しい考え方が持ち込まれています。
たとえば、障害者自立支援制度(契約制度)においては、旧来の施設体系を解体して、ライフサイクルに則った就労重視の施策体系・施設体系・援助方法が導入されました。
それについてはぜひ詳細をご自分で調べていただければ、と思いますが、この導入の背景を考えてみることによっても、「援助の形態・方法として何を重要視して論ずるべきか?」が導かれると思いますよ。
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この回答へのお礼

今晩は。度々お世話になっております。細かいアドバイス、ありがとうございます。レポート作成上の留意事項として、「憲法第89条と措置制度との関連及び社会福祉基礎構造改革の流れの中での介護保険制度をはじめてする契約制度への移行という視点から捉える」とあります。福祉事業の社会福祉法人への委託が規定に反していないことを示し、このことが今日のサービス提供の多様性につながっていくことについて論じていきたいと思います。

お礼日時:2007/07/28 20:00

こんにちは。


ご質問の件ですが、まず、措置制度や契約制度とはどういう制度なのか?ということがわかっていないと、その対象や方法・援助技術をとらえることはむずかしいと思いますよ(^^;)。

措置制度、というのは、行政権限で福祉サービス(特に施設入所)を決定して対象者に割り当てる、という形態です。
言い替えると、対象者の方は、必ずしも自分が欲するサービスを受けられるとは限りません。
これは、現在でも緊急的なサービスとして残されてはいますけれども、そのほとんどは介護保険制度(介護保険法)や障害者自立支援制度(障害者自立支援法)に移行しました。

障害者自立支援法成立の流れを追ってゆくと、措置制度から契約制度へと移っていった経過と、その形態・方法の違いがよく理解できると思います。
各自治体の障害福祉関係サイトや、厚生労働省の障害福祉サイトなどに詳しい図解が掲載されていますから、ぜひ参考になさってみて下さい。

一言で言えば、措置制度 ⇒ 支援費制度(契約制度)⇒ 障害者自立支援制度(同左)と変わる中で、「対象者が自ら契約してサービスを選択できる」ようになりました。
ちなみに、介護保険制度も同様です(もともとは措置制度でした)。
つまり、主体が行政から対象者へと移っていったわけですね。行政主導による福祉ではなく、対象者本位のほんとうの福祉へと。
援助の形態、というのは、そういうことなのです。
「ケースワーク」とか「グループワーク」「コミュニティ・オーガニゼーション」などに限定されることなく、幅広くとらえていって下さい。

このような経過はまだまだ理念のほうが先走りし過ぎていて、現状にはさまざまな不備や矛盾・限界が多々あります。
一律割合の自己負担の導入(原則1割)もそうですし、財源の問題もありますよ。
ですから、おのずから、でき得る援助の形態や内容が決められてしまいます(選択することはできても、上限が決められてしまう 等)。

こういったことも含めて考察しながら、レポートをまとめてゆかれると良いでしょう。
どうぞ頑張って下さいね。応援しています。
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この回答へのお礼

今晩は。
詳しく説明していただきありがとうございます。大変助かります。論をどのように展開すればよいのか見えてきました。
1点質問があるのですが。。

>「ケースワーク」とか「グループワーク」「コミュニティ・オーガニゼーション」などに限定されることなく、幅広くとらえていって下さい。

援助の方法について、教科書に「ケースワーク」などの説明がありますが、措置制度や契約制度がどの援助方法に当たるかなどは述べなくてもいいのでしょうか?
どうぞよろしくお願い致します。

お礼日時:2007/07/26 21:21

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