
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
明朝活字体と楷書体のデザインの差です。
ただし教科書体が明朝体のほうにデザインを揃えた結果、現在は手書き書体でも「小」の形に書くのが標準ですから、漢検の試験などではそのように書いたほうがいいでしょう。
点三つも決して間違いではありません。
これと逆に教科書体が楷書体をそのまま採用したものについて、当用漢字が明朝体のデザインを変更したものは、取り返しのつかない禍根を残しました。
いわゆる「三部首」示偏、シンニョウ、食偏です。
示偏は明朝体では「示」の中央の縦画をはねない形ですが、楷書体では第一画が短い「一」から「ヽ」に変わり、筆順・画数を変更して「一+ノ」→「フ」に書いていました。
当用漢字新字体は明朝体のデザインをこれに合わせて変更してしまいました。
* しかも「永」のようにすべきなのに、衣偏から一画減らした形にしたために、紛らわしいことになりました。
その結果、新字体は「礼」の形、旧字体・表外字は「禮」「祀」の形と、二種類の示偏があることになったのです。
当用漢字以前は、楷書では「ネ」でも明朝体では「示」になるというのは当然のことでした。
* 「令」の教科書体は下部が「マ」ですね。これと同じことでした。
お使いのパソコンにHG正楷書体というフォントがあったら、「禮」「禧」を打ってみてください。
これが本来の楷書体のデザインなのです。
ここでもときに“人名で「ネ豊」の字を使いたい”という訴えがあります。
出生届は手書きですし、昔の戸籍はペン字の手書きでした。
それを和文タイプ明朝体、デジタル書体に移行するに当たり、
「示偏は二種類ある。この名前は原本で『ネ』になっている」
として、その通りの明朝体を作字することになったのです。
もし糸偏まで、
「手書きは点三個だから」として教科書体を点三個にし、当用漢字が点三個の明朝体“新字体”を作っていたら大変なことになっていたでしょう。
幸いにして糸偏は難を免れたのです。
明朝体シンニョウの点一つなどは論外ですが、ここでは触れません。
この回答へのお礼
お礼日時:2007/08/13 15:09
旧字体から新字体に変更された際に、そのような混乱があったとは知りませんでした。
とても分かりやすく解説していだだきありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
それは文字のデザイン上の問題であって、書体が決まれば自ずとどちらかに決まります。
手書きの場合は、どちらかに統一しなければならないわけではありません。
http://www.bunka.go.jp/kokugo/frame.asp?tm=20070 …
日本語に関しては、文化庁の『国語施策情報システム』をどうぞ。
http://www.bunka.go.jp/kokugo/
この回答へのお礼
お礼日時:2007/08/13 14:55
ありがとうございます。とても参考になりました。
その当用漢字字体表には「必ずしも拘束しない」と書いてありますし、三点の糸偏が絶対に間違っているということではないようですね。
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