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もし、人間の「知能」というものが、生物学的に定義できるとすれば、それは遺伝性なのでしょうか?あるいは、もうちょっと緩めて、統計学的に有意に遺伝要素があるとされるのでしょうか?あるいは、環境が著しく影響するのでしょうか。

A 回答 (3件)

こんにちは。


生物学的で「知能」といいますのは、それは本能行動に対する「学習行動の比率」であります。従いまして、知能というものの生物学定義に従いますならば、学習結果が遺伝するということは絶対にありません。
では、遺伝的体質によって異なるのは、それは知能の高さそのものではなく「学習能力の高さ」であります。遺伝的な構造上、人間とチンパンジーではこの「学習能力の高さ」に明らかな違いがあります。このため、人間とチンパンジーでは如何なる場合であろうとも生後学習によって獲得される知能の高さにはっきりとした差が現れます。そして、そもそも他の動物には「言語学習能力」というものが備わっていませんので、如何に高度な生後学習を施したとしましても、人間との知能の差が埋まるということはまずありません。
さて、これがどういうことかと申しますと、「知能行動の比率」といいますのは生後の学習によって現れる個体差でありますから、これの遺伝というのは「0%」であるのに対しまして、「学習能力の高さ」といいますのは、こちらは遺伝的体質によって確実に決定されてしまうものであるということです。このため、チンパンジーの知能が人間よりも高くなるということは間違っても起こらないわけです。
では、人間同士では、この遺伝的に獲得される学習能力の個体差といいますのは生後学習にどの程度反映するのでしょうか。

結論から申し上げますと、チンパンジーの知能が人間を超えないのと同様に、人間の知能が人間を超えるということは生物学的にあり得ません。
人間の個体同士の能力差といいますのは、それは生後環境、あるいは個人の努力しだいで簡単に埋まってしまう程度の僅かなものでしかありません。人間とチンパンジーではっきりとした知能の差が現れるのは、それは身体の構造を司る遺伝子の配列に違いがあるからです。では、人間同士であるならば、それが大幅な能力差であったり、何か特別なものが作られてしまうなどといったことはまず起こらないわけです。
「知能指数検査」といいますのは精神年齢によって学習期間によるばらつきを補正し、「学習効率」を評価するものです。ですが、只今申し上げました通り、その差といいますのは学習の仕方しだいで簡単に埋まってしまうものなのですから、この学習効率の違いが遺伝的体質によるものなのか生後環境によるものなのかを特定する手段はありません。従いまして、知能の何パーセントが遺伝的体質によるものなのかといった論議に就きましては、現時点では何の科学的根拠もありません。もし数値に何らかの裏づけがあるとしましても、それは統計的な予測程度でしかないはずです。

このように、その動物の学習能力といいますのは遺伝的に決定されているものです。では、同種の個体同士でもその遺伝子配列が異なる以上、そこには何らかの個体差というものは必ず存在するはずです。ですが、それが生後の学習結果に一対一で直接反映するということはなく、基本的には、知能とは生後環境によって決定される「結果」であるということになります。そして、その学習結果が遺伝するということは絶対にありません。従いまして、この世に生まれた限り、それは自分の努力によって獲得する以外に手段はないということになります。

最後に、遺伝的な体質の差は学習結果に直接反映しないと申し上げましたが、個体に体質の違いというものが存在する以上、それが自分に与えられた才能であるというのは十分に言えることだと思います。逆に言いますならば、誰しも何らかの才能は遺伝的に与えられているわけです。これが即ち「種の多様性」であります。
ならば、学者や芸術家、スポーツ選手などの中にはこれによって活躍をしているというひとが必ずやたくさんいるはずです。ですから、自分に与えられた遺伝的体質が何かの役に立つものならば、それを積極的に使うということは幾らでもできるわけです。但し、上手く才能を引き出すことができたとしましても、何の努力もせずに世に出られる人はいません。何故ならば、自分に何らかの才能があったとしましても、他のひとが余分に努力をするならば、そこで簡単に追い越されてしまうからです。
「1%の才能と99%の努力」と仰った偉い学者さんがいます。人間の遺伝的な学習能力の差といいますのは、この程度のものでしかありません。
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この回答へのお礼

どうもありがとうございます。
素質は大して問題でないのかもしれません。それを生かすことのほうが、よっぽど中心の作業になってきます。その点同意いたします。

お礼日時:2007/08/22 08:21

顔が似る程度には遺伝すると言えるのではないでしょうか。

ご存知のように遺伝子は両親のものではなく生命(生物)の発生以来のすべての先祖から流れ着いたものです。ですから知能が高い両親から生まれた子供が必ずしも知能が高いということもありませんしそのまた逆もよくあることです。「トンビが鷹を生んだ」と言うものです。一方「ウリの蔓にはナスビはならぬ」という格言もあります。」しかし知能というものを、生物学的に限らず万人が納得するように定義することは非常に難しいと思います。また遺伝性かどうかといえばなんらかの意味でご先祖の遺伝子が関係していることは当然ですから遺伝性といえます。また同じ容貌でも育てられ方で品に差が出るのと同じで若いときに戦争ばかりしている国にいればもって生まれた知能を学校での勉強に役立てることができないというようなことも大いにあります。環境も大いに影響があります。
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この回答へのお礼

兄弟間でも明らかに差があります。
ご解答のとおりだと思いました。必ずしも「両親」がすべてを規定しているわけでもなく、割合として大きいだけであり、教育環境、隔世遺伝その他もろもろ交じり合った世界のようですね。

お礼日時:2007/08/16 08:16

NHK総合プロフェッショナル、フジ ザ・ベストハウス123などでおなじみの脳科学者、茂木健一郎氏(

http://www.kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/)がいうには、IQの要素の50%が遺伝なんだそうな。

ちなみに学者によってさまざまらしいよ。10%が遺伝だというやつもいれば80%だっていうやつもいる。
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この回答へのお礼

兄弟間でも、明らかに(勉強だけ見れば)差がありますね。

お礼日時:2007/08/16 08:13

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