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本来は「他人の利益のためにバカをみる」という「滑稽な役回り」に対する言葉で、この言い回しの元になったラ フォンテーヌの寓話を引き合いに「正しい」使い方を云々していた文章をなにかで読んだことがあります。
手元の大辞典には「バカをみる」という意味は載ってませんが、(ネットで見たのですが)広辞苑にはそのことに言及しているようです。英語の辞書でもpull O’s chestnuts out of the fire で「火中の栗を拾う」のほかに「人の手先に使われる」「だまされて手先として危険を冒す」とあります。ジーニアスになると「人のための手先となって危険な仕事に使われる」としかありません。

ところが現代の日本では、「あえて貧乏くじをひく、勇敢さ」という良い意味で使われるのを見聞します。ある文庫本の解説で明らかに著者を褒める意味で使われていました。昨日もあるキャスターが舛添要一氏に面と向かってこの言い回しを使ってました。

「火中の栗を拾う」は「勇敢」な人を表す言い回しとして、正当性を獲得したとみていいのでしょうか。

A 回答 (2件)

ラフォンテーヌの『猫と猿』はイソップの寓話をもとにしているという話もあるようですが。


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『日本国語大辞典』
(猿が、猫をおだてて、いろりのなかのクリを拾わせて、猫が大火傷をしたという、ラ=フォンテーヌの寓話から)他人の利益のために危険をおかすことのたとえ。
『大辞泉』
《猿におだてられた猫が、いろりの中の栗を拾って大やけどをしたという、ラ‐フォンテーヌの寓話から》自分の利益にならないのに、他人のために危険を冒すたとえ。
『大辞林』
〔補説〕 猿におだてられた猫が火の中の栗を拾い、大やけどしたというラ=フォンテーヌの寓話に基づく、フランスの諺から
他人の利益のために危険を冒す。
『広辞苑』
(ラ=フォンテーヌの寓話から) 他人の利益のために危険をおかして、ばかなめにあうこと。
『明鏡』
他人の利益のために危険をおかすたとえ。西洋のことわざから。
『岩波』
他人の利益のためにあぶないことをする。
『新明解』
(他人の利益のために)あぶない事をする。
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たしかに、幾つかの辞書の中で「ばかな目にあう」としているのは広辞苑だけです。

「危険と知らず」、「相手におだてられ・そそのかされて」、「相手の利益のために」、「やらされてしまう」のは愚かなことですが、
「危険とわかっていて」、「自らの意思で」、「公衆の利益のために」、「敢えて行う」のは勇気の要ることです。

後者の要件を満たしていることが明らかな場合には、褒め言葉になるということでしょう。
「安倍首相におだてられて」、「自らのオトコを上げるために」という要素が全くないとはいえないかもしれませんが。

遠藤武彦前農水相の場合は「敢えて貧乏クジを引いた」のではなく「貧乏クジを引かされてバカを見た」くちですね。
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この回答へのお礼

いろいろな辞書からの引用ありがとうございました。

当然「勇敢」か「嘲笑」かは文脈からわかるわけで、そこを・・・・
「後者の要件を~褒め言葉になる」、つまり認知されているわけですね。文脈による、と。

「態」以前に、「貧乏くじ」は「勇敢さ」を表現するのにミスマッチだったなあ、と投稿してから悔やみました。

お礼日時:2007/09/10 12:37

個人的な感覚ですけど、基本的には「愚かなことをする」のほうの意味で、ただ「敢えて火中の栗を拾う」と表現した場合は「危険に挑む」の意味になるという印象です。



後者の「敢えて」が省略された形が、後者の意味で広く使われているのかもしれませんが、やはりちょっと違和感がありますね。
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この回答へのお礼

確かに「敢えて」をつけてくれるとわかりやすいですね。

「沈黙は金、雄弁は銀」みたいに本来の意味が完全にひっくり返った諺ですと、出所にこだわることは、言葉の用法より、言葉の雑学といった領分になってしまいますが、「火中の栗」はまだそこまでいってないようですね。

お礼日時:2007/09/10 12:38

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