以前別件で質問をさせて頂いた際に、ある方から頂戴したアドバイスを読んでいて、実は自分は空燃比について良く理解できていないことに気付きました。詳しい方おられましたら、宜しくお願い致します。
理論空燃比14.7というのは、『爆発燃焼に寄与する燃料と空気が互いに過不足無く供給されている状態』と理解しています。この前提に立つと『理論空燃比から少しでもずれれば、多少なりとも燃料または空気の過不足が起きる』と言い換えることができるはずです。空燃比が概ね12~17程度の範囲内にあれば、爆発燃焼自体は行われるそうですから、このレンジ内で考察してみます。たとえば空燃比13と濃い目の状態ならば爆発燃焼が完了した後に、燃料過多(空気不足)により生ガスの一部がそっくり燃え残っていて、空燃比16と薄めの状態なら空気過多(燃料不足)によって空気の一部が新鮮なまま残っている、という解釈でよろしいでしょうか?もしそうならば、分からないことがあります。エンジンが最も高出力が出せる時の空燃比を出力空燃比といい、最も燃費が良くなるときの空燃比を経済空燃比といって、それぞれ理論空燃比から多少外れた空燃比率だといいます。ということは、そうした状態のときは、多少なりとも燃料または空気の一部が爆発燃焼に寄与せずに余っているのではないでしょうか?爆発燃焼に寄与していないガソリンや空気というのは、まったく仕事をしていないのだから、それ自体存在しなくても同じだと思います。つまり、最初から燃え残ることが分かり切っているガソリンまたは空気を余分に投入したときに、最大の出力が出せるとか、最高の燃費に到達する、というのことが理解できないのです。 宜しくお願いします。
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
この場合、理論と実際を分けて考えてみる必要があるでしょうね。
理論空燃比14.7は、あくまで「理論」であり、(これも、前提となるガソリンが、雑多な炭化水素の集合体なので、炭素と水素の比率が正確にいくらだとは言えないので、ちょっと怪しいのですが)ガソリンに含まれる炭素と水素が空気中の酸素と過不足なく反応する量で、この場合、実際の反応で生成される窒素酸化物は考慮されません。(なので、理論空燃比で運転して出てくる排気ガスを三元触媒に通せば、燃え残ったHCやCOは酸化され、NOxは還元できて出てくるのは、CO2とH2OそれにN2だけになるわけです)
内燃機関がカルノーサイクル(理論サイクル)のように、動いてくれるのであれば理論空燃比で運転すれば最高の燃費で最大の出力が得られるはずですが、実際には、シリンダ内の混合気は、部分的に空燃比がばらついていますし、燃焼にも時間がかかります。
理論上は考慮していなかった窒素酸化物ができたりします(窒素酸化物の生成は吸熱反応なので、燃焼ではない)
それに、ガソリンエンジンの場合、スロットルを絞る事で出力をコントロールしているので、シリンダ内の圧縮圧力も変わってきます。
で、空燃比を変えて実際に運転してみたら、最高の燃費が出る空燃比と、最大の出力が出る空燃比がそれぞれ違う位置にある事が判った訳で
す。
簡単に考えれば、投入した燃料を全部使い切るためには空気は少し多めにしたほうがいい(つまり、最高の燃費)
吸入した空気中の酸素を全部使い切るためには、燃料を少し多め(いくらかは反応しきれなくて残ってしまうけど)にすれば、パワーが出る(出力空燃比)
分かりやすいご説明を頂き、誠にありがとうございます。
残念ながら後半部分がキャパオーバーで切れてしまっているようです。
全文を精読したいと思いますので、宜しければ後半部分を再度ご記入いただけませんでしょうか?
No.8
- 回答日時:
No7です。
(No7の投稿は、あれで一応、終わってたんですが・・・)では、つづきにもう少し補足説明を、
どちらの空燃比の場合でも、実際の燃焼では必ず(といっていい)未燃焼ガスができてしまいます。その原因はいくつかあるのですが、その一つ、混合気がプラグで点火され、燃焼がシリンダ内部に伝播して行きますが、シリンダ壁やピストン上部に到達したときにシリンダ壁などは温度が低いために途中で火が消えてしまうと言う現象が起き、未燃焼のガスが残ってしまうのです。
燃焼反応が起きるためには、反応するガスと、その反応を起こすための熱源が必要ですからね。そして、燃焼反応は、頭の中で起きているのではなく、実際のエンジンのシリンダ内で起きているので、理論通りには行かないのです。
そんな中で、理論空燃比は、エンジン技術者が、燃焼を改善して未燃焼ガスを無くし、完全燃焼に近づけようとする際の目標であるとも言えるので、教科書にも「金科玉条」のごとく、書かれているのだと思います。
No.6
- 回答日時:
理論空燃比とは、その字のごとく「理論上」の空燃比であり、机上の計算で得られた数値でしかないのでは?
1グラムのガソリンの成分を、全て反応させてしまう量の酸素を含んだ空気の重さが、14.7グラム・・・というだけのことでしょう。
実際は、温度条件や負荷等により、理論上の空燃比では良好な燃焼が得られない・・・だから結果的に 13~16位の幅ができてしまうんじゃないでしょうか。
ご回答ありがとうございます。
以下に、現時点で私の理解するところを書き添えさせていただきました。宜しくご確認下さいませ。
>1グラムのガソリンの成分を、全て反応させてしまう量の酸素を含んだ空気の重さが、14.7グラム・・・というだけのことでしょう。
この件につきましては、当初私が最も知りたかった部分の一つであり、既に他の方々からご回答を頂戴したわけですが、それによりますと、質量比1:14.7からずれている状態においても、概ね12~17の範囲ならば爆発燃焼は起き得るのであって、なおかつ『ガソリンの一部が燃え残るようなものではなく、余りは出ない』とご教示いただきました。つまり、必ずしも空気の質量が14.7gでなくとも「1グラムのガソリンの成分を、全て反応させてしまう」ことは可能であると理解しております。
>温度条件や負荷等により、理論上の空燃比では良好な燃焼が得られない
高校時代に習ったようにボイル・シャルルの法則に従えば、温度条件によって変わるのは体積であって、質量は一定です。つまり、質量比で定義されている理論空燃比が温度条件で変わるとは思えないのです。また、負荷変動に関しては、別の方からのご教示により、加速負荷が掛かっている状態では出力空燃比、等速度走行に落ち着いた時点で経済空燃比の方向へとシフトさせる旨、このたび知った次第です。即ちそれが「負荷変動いかんにより理論上の空燃比では良好な燃焼が得られない」という意味だと理解しております。
No.5
- 回答日時:
まず、理論空燃比の14.7が、なぜ重要視されているのかというと、それは、排気ガス対策のためです。
ガソリンエンジンの場合、排気ガスの後処理のため三元触媒を使いますが、この三元触媒が最も効率よく作用する状態というのが、理論空燃比で燃焼した燃焼ガスなのです。
極端な話が、排気ガス中の酸素濃度をO2センサーで、監視しながら三元触媒が効率よく作用するように燃料供給量をコントロールしてたら、たまたま、空燃比が14.7になってしまったと言う事でしょうか。
現在のガソリン車では、燃費や、出力よりも、排気ガスがクリーンである事が求められていますから、可能な限り、空燃比14.7つまり、理論空燃比で運転しようとするわけです。
ご回答有難うございます。
十分理解できる部分もございましたが、未だによく分からないところもございます。以下の部分に関して、補足頂ければ幸甚に存じます。
>理論空燃比の14.7が、なぜ重要視されているのかというと、それは、排気ガス対策のためです。
私が知りたいことは、この14.7という数字が「何の目的のために重要視されているか」ではなく、その数値のときに「何が起きることで重要視されていったか」ということです。目的に関しては、「排気ガス対策のため」ということで、とりあえずは良しとしましょう。では、その排気ガス対策の観点からいって、14.7では何が起きているのでしょうか?燃料がリッチな状態での不完全燃焼では黒煙とCO,リーンな状態での高温燃焼ではCO2とNOXの発生が増えるというシーソー現象は有名ですが、14.7というのは、それらの発生量のクロスオーバポイント(最良の妥協点)ということでよろしいでしょうか?
>排気ガス中の酸素濃度をO2センサーで、監視しながら三元触媒が効率よく作用するように燃料供給量をコントロールしてたら、たまたま、空燃比が14.7になってしまったと言う事でしょうか。
父が工業高等学校時代に使っていたという昭和30年代初頭の古い教科書にも既に「理論空燃比」という用語は14.7という数値とともに「試験に出るぞ」的な太字で記述されています。東京オリンピックよりも前、デジタル時計ですら夢物語の時代、ゼロ戦設計のエンジニアの生き残りがYS11を設計していたような時代です。日野がルノー、いすゞがヒルマンのOEM生産、日産がようやくブルーバードの名称でオースチンのリメイク版を開発したような時代です。O2センサーとかECUなんて、到底存在し得ないはずなのに、既に誰かが14.7という数値に到達して、それを特別視していたわけであり、つい最近になって最新鋭の燃料噴射システムを使って実験していたら「たまたま」そうなった、といった類のものではないように思うのです。
No.4
- 回答日時:
平たく言えば、実際の燃焼では、空気とガソリンの濃度が均一では無いし、全てのガソリンが水と、二酸化炭素へ完全燃焼する訳では無いと言う事です。
ハイパワーを狙うと、燃料の気化冷却によるデトネーション防止ってのも有りますからね。(私の車は全開でブーストを掛けると、ルームミラーで解るくらい、盛大に煙を出す、地球に優しくない車です。)
No.3
- 回答日時:
こんにちは。
再度の登場です。まるっきり下の方とかぶった内容になってしまいますが・・・。
空燃比が濃くても燃料は燃焼します。余りません。
ただ酸素が少ないため、CO2になるはずのものがCO(一酸化炭素)
などになって出てきたりします。いわゆる不完全燃焼ですね。
ただ、爆発する物が多いわけですからそのぶん出力が得られるのです。
ただし、それも限界があるので空燃比の範囲があるのです。
酸素が多い場合ですが、まるっきり酸素が余るわけではありません。
NOx(窒素酸化物)になって出てくる部分があります。窒素と酸素が結びつくわけです。
さらに酸素が余ると無駄というわけではありません。その状態(経済空燃比)のほうが得られる出力と燃料消費量の割合が効率がいいからです。
なぜそうなのかまで突き止めていくと、燃焼学などの工学的な分野になってきますので・・・。私にはそこまで説明できません。
あと、お詫びですが最近はNOxの発生量を考え、必ずしも経済空燃比になるよう重視しているわけではないようです。空燃比が16程度の時に、普通のエンジンではNOx発生量が最大になりますので。
理論空燃費に近づける制御がとられることのほうが多いそうです。
失礼しました。
ご回答ありがとうございます。
ようやく、重要な部分が何となく理解できてきました。
要旨を整理致しますと:
1)空燃比が爆発燃焼可能なレンジ(概ね12~17)内にあるならば、必ずしも理論空燃比でなくとも生ガスや空気は余ることなく燃焼に寄与することができる。
2)ただし理論空燃比よりも濃い状態では不完全燃焼気味となってCOの発生量が増え、逆に薄い状態では完全燃焼となってCO2やNOXの発生量が増える。
ということになりますでしょうか。
では、原点に帰って、理論空燃比の14.7というのは、一体何なのでしょうか?何故、この中途半端な数字が金科玉条として扱われるのでしょうか?14.7の条件下では、どんな特別なことが起きているのでしょうか?燃料と空気が互いに『過不足』無く供給されている状態?否、そうではなくて、概ね12~17の範囲にあれば、燃料や空気が過不足に陥るということはなく、一応全部消費されることは、すでにご説明いただきました。では、COもCO2もNOXも全く発生しない空燃比?否、COおよび黒煙とCO2およびNOXの発生量は互いにシーソーの関係にあって、これらがゼロになるポイントなど存在しないのは周知の事実です。では、最も出力の出る空燃比?否、それは出力空燃比だったはずです。では、もっとも燃料消費率の低い空燃比?否、それは経済空燃比といったはずです。では、空燃比14.7が特別な意味を持つのは何故なのでしょうか?
No.1
- 回答日時:
濃くても生ガスは出ません。
出るような場合は燃焼できる範囲を超えています。
濃い場合は、一酸化炭素が出ます。
ガソリンとは炭化水素。
炭素と水素です。
酸素と結合し、水と二酸化炭素になります。
空気(酸素)が足りなければ、二酸化炭素ではなく炭素が一つの一酸化炭素になります。
これは、ガスレンジなどの不完全燃焼でも同じです。
空気不足になると一酸化炭素が出ます。
一酸化炭素は人体に有害なガスなので、締め切った室内でのストーブや換気せずに湯沸かし器を使った場合などに、事故が起きます。
混合比が薄い場合。
酸素が余ります。
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