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先日、池袋の水族館で(水族館だけど)
ミケリスを見ました。
白・茶・黒の模様がとてもきれいなリスでした。

ところで、ふとプレートの英語名をみると
「Prevost's Squirrel」(プレヴォーのリス)とありました。
学名も「Callosciurus prevostii」とのこと。

「Prevost」というと小説『マノン・レスコー』の作者
アベ・プレヴォーの名が思い浮かんだんですが、
関係があるのでしょうか・・・

ミケリスの学名の由来について、何かご存知であれば
ぜひ教えて頂けないでしょうか。

A 回答 (1件)

こんばんは。


ミケリスの学名、面白いのでネットで探索してみましたが、どんぴしゃりの答えは探せませんでした。でも、アベ・プレヴォーではなさそうです。以下に説明します。

生物の学名に人の名前を使うのを「献名」といって、命名者その人の名前ではなく、命名者が世話になった人(たとえば標本を採集した人など)、恩師、学問の世界の先達などに、経緯を表してその名前を学名に織り込むものです。歴史上の人物や故人でもかまいませんが、割合としては同時代の人のことがずっと多いと思います。

ミケリスの学名ですが、Callosciurus prevostii (Desmarest, 1822)と表されることが下記ページからわかりました(ページ右下)。
http://en.wikipedia.org/wiki/Prevost's_Squirrel

Desmarestが、ミケリスが学問の世界に未知の新種であることを発見してprevostiiと命名した人の名前で、新種記載の論文が出たのが 1822年です(その論文さえ見られれば、この学名は誰に敬意を表すためにつけた、という記述があるはずですが、その論文はネットにはないようです<あってもフランス語やラテン語だったら私は読めませんが>)。

それで、マノン・レスコーのアベ・プレヴォーですが、下記の辞書ページによれば生没年が1697-1763ということですので、ミケリスの新種記載の時にはすでに亡くなって半世紀ほど経っており、命名者が直接世話になる機会はなさそうで、ちょっと外れそうな感じです。
http://dictionary.www.infoseek.co.jp/?ii=2&lp=0& …

それで、1822年当時に動物学の世界に別のPrevostが居なかったかですが、鳥の学名に同様に名前を残した別人のPrevostが見つかりました。「鳥類学名辞典」(内田清一郎・島崎三郎, 1987 東大出版会)によると、アオムネマンゴーハチドリAnthracothorax prevostii (Lesson, 1832) 、ヘルメットモズEuryceros prevostii Lesson, 1831に献名された、Florentine Prevostという人がいるようです。パリ自然史博物館で働いた画家だそうで、生没年が不明ですが、献名された鳥の命名の年、1831年と1832年を見ると、ミケリスの命名された1822年に活躍していてもおかしくなさそうです。働いたのが自然史博物館であること、鳥にも同様に学名に名を残していること等から、哺乳類の学名に名を残すことも大いにありそうな人だと思います。

上記の理由から、直接の根拠がでてきませんが、ミケリスのPrevostは、マノン・レスコーの作者よりは、パリ自然史博物館で働いた画家の可能性のほうが高いと思います。
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この回答へのお礼

kumagerasuさん、丁寧な回答どうもありがとうございます。

動物学の方面にはまったく暗いのですが、とても興味深く拝読いたしました。「献名」には定まったルールがあるのではなく、命名者の思いが込めることができるのですね。

「Prevost」はフランス語圏に多い姓のようですし、献名は同じ時代の人に由来することが多いということなので、kumagerasuさんのおっしゃるとおりかもしれません。

お礼日時:2007/10/22 10:03

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