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信用創造について、まずこれは
「信用が無限級数的に増幅されて、ある程度の水準で収束する」
という理解でよいでしょうか。

そして本題ですが、収束点に到達するのは何時ごろになるのでしょう?
条件が何も変わらなければ、かかる時間は無限大ということなのでしょうか?
よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

 ●現代の銀行はいくらでも貸出しできる●


 信用創造メカニズム(トランスミッション・メカニズム)を簡単にまとめてみよう。
 銀行は企業や一般市民などから預金を受け入れ、その資金を誰かに貸し出す。その過程で信用創造は発生する。そのプロセスは次の通り。
 A銀行は、X社から預金1000万円を預かる。
 A銀行は、1000万円のうち900万円をY社に貸し出す。
 Y社は、Z社に対して、900万円の支払いをする。
 Z社は、900万円をB銀行に預ける。
 この結果、預金の総額は1900万円となる。もともと1000万円しかなかった貨幣が1900万円になったのは、Y社が900万円の債務を負い返済を約束することで900万円分の信用貨幣が発生したことになるからだ。この900万円の信用貨幣(預金)は返済によって消滅するまでは通貨(支払手段)としても機能する。このことはマネーサプライ(現金+預金)の増加を意味する。
 さらに、この後B銀行が貸出を行うことで、この仕組みが順次繰り返され、貨幣は増加していく。このように、貸出と預金を行う銀行業務により、経済に存在する貨幣は増加する。(『ウィキペディア(Wikipedia)』から)

 これは1つのモデルとしては理解できるが、実際は違う。A銀行はX社から預金1000万円を預からなくても、900万円をY社に貸し出すことができる。A銀行がX社から預金1000万円を預かることによる日銀当預への準備金は1000万円の1.3%を翌月の15日までに入金することだ。それも、1000万円が1か月ずうっと預金されていた場合のことで、X社が半月後に1000万円を引き出した場合は1.3%の半分、1000X0.013X0.5=13 つまり13万円でしかない。銀行が預金を受け入れて、それに対する日銀への準備金とはこの程度でしかない。従って銀行は何時でも、いくらでも貸し出すことができる。現代では、貸出総額は銀行の預金高ではなくて、企業や住宅ローンなどの需要に左右される。
 セイの法則というのがあって、これは「供給はそれ自身の需要を創造する」と要約される経済学の法則だ。これは「消費量は生産量に影響される」と言い替えられる。これに対してジョン・メイナード・ケインズによる有効需要の原理がある。これは「消費量は総需要に影響される」と表現される。
 信用創造メカニズムとは、セイの法則の考え方で、現実は、ケインズの考え方である「総需要に影響される」ということになっている。銀行がいくら預金を集めても、企業に借り入れ意欲がなければ銀行貸出は増えない。「銀行貸出」と表現するから銀行側の事情ばかりを問題にするが、「企業借り入れ」と表現すればこのことは理解できるだろう。
 日銀は2001年3月19日から2006年3月9日まで量的緩和政策と呼ばれる金融政策を行っていた。これは、銀行に十分は資金を提供することによって、銀行貸出が増え景気が上向きになるだろうとの期待による政策だった。しかし、結果はそうならなかった。日銀は買いオペを積極的に進め、ベースマネーは十分に増えたが、マネー・サプライは思い通りには増えなかった。インタゲ派が期待したのは、日銀の買いオペによりベースマネーが増え、たとえ貨幣乗数が低下しても、信用創造メカニズムにより銀行貸出が増加し、貨幣数量説通りに景気が上向くだろうとの期待だった。しかし実際は、銀行側の資金が足りなかったのではなく、企業側の借入意欲が足りなかったわけだ。銀行の準備率に関しては
<<準備預金制度における準備率>> http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/junbi.htm を参照のこと。

 このようなわけで、実際は「信用が無限級数的に増幅されたり、ある程度の水準で収束する」というものではありません。
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この回答へのお礼

なるほど! 企業側の動静の影響が大きいのですね。
紹介してくださったHPをよく読んでみることにします。
蒙を啓かれた思いです! ありがとうございました。

お礼日時:2007/11/07 22:04

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