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数学にはさまざまな分野がありそれぞれに公理があるようですが、
それらの公理に矛盾が本当にないのでしょうか?
一見して公理に矛盾がなさそうでも、それらの公理を基にした証明や、さらにそれを基にした他の物理学や生物学などの学問に矛盾や問題が起きる可能性はないのか?また実際に起きたことはないのでしょうか?

私は数学に関してまったく無知であり、断片的な知識を元に質問していますので質問自体におかしい点があるかもしれませんが、わかりやすく解説お願いします。

A 回答 (3件)

> 数学にはさまざまな分野がありそれぞれに公理がある



というのは当たっているような当たっていないような。

 数学に新しい用語(概念)を持ち込む場合、二つの手があります。
 第一は、「定義」というやり方です。数学を使って構成できる対象(数学的対象)を取り上げて、それに新しい名前を付ける。例えば「<アルファベット>とは有限集合のことである」と定義すると、取り上げた対象は有限集合、その新しい名前が<アルファベット>ってことです。単なる名前の違いに過ぎないんですから、こうすることよって新たな矛盾が生じる恐れはありません。なので、数学を応用する目的で「分野(つまりは、新しい用語の束です)」を拵える場合には大抵この手を使います。
 第二は、用語を無定義で導入し、その用語に関する公理を並べることです。こちらは、公理によって用語の意味を定める訳です。(標準的公理系であるZF公理系は、「集合」という無定義用語に関する公理の集まりです。)このやり方をすると、(ZF公理系で定まっている)数学には全く含まれていないものを持ち込む事で、(ZF公理系で定まっている)数学を拡張することになります。だから、その結果を単に「数学」と呼ぶと誤解を招く。むしろ「(ZF公理系で定まる)数学を部分系として含む、別の形式的体系」と見るのが正確でしょう。「ZF公理系では使われていなかった新しい用語」に関する公理を追加するので、この追加が原因となってZF公理系に新たな矛盾が生じる、ということはありません。(追加した公理自体が矛盾を抱えているのであれば、追加して作った「形式的体系」が矛盾なのであって、(ZF公理系で定まる)数学それ自体の矛盾ではない。)→ http://oshiete1.goo.ne.jp/qa43691.html

(なお、数学を拡張する方法として、(ZF公理系で定まる)数学に既に含まれている用語(概念)に関する新しい公理を追加し「(ZF公理系で定まる)数学を部分系として含む、別の形式的体系」を構成するというやり方があります。もちろん、出来た形式的体系には新しい矛盾が発生しているかも知れません。ですが、これはご質問の趣旨とはちょっと違う話ですね。→ http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3290945.html

> それらの公理に矛盾が本当にないのでしょうか?

 ZF公理系の矛盾はまだ見つかっていないし、部分的には無矛盾性が示されています。たとえば自然数の算術に関しては超限帰納法(これは自然数の算術には含まれない)を用いて無矛盾性が証明されています。(しかしながら、ゲーデルの不完全性定理という限界が知られていて、すなわち、ある公理系で定まる数学の無矛盾性を、同じ数学それ自身を使って証明することはできない。)
 では、もし(ZF公理系で定まる)数学を色々いじくって理論を展開している内に矛盾が見つかったら、これまでのあらゆる数学の成果は全部誤りであり全部ゴミになってしまうのか?
 いや、そんな心配はありません。もし矛盾が見つかったら、そりゃ大発見です。矛盾の構造を詳しく調べて、ZF公理系に代わる新たな公理系が考案されることでしょう。このとき、その新しい公理系は、従来のほとんど全ての数学の理論がそのまま温存できるように設計されなくてはなりません。で、どうしても辻褄が合わない理論は手直しします。つまり、手直しを要するのはまさしく「数学を色々いじくっている内に矛盾に行き当たった」ということを起こした最先端の理論の部分だけということになるでしょう。
 そんなに旨く行くのか?行く筈です。なぜならZF公理系にしたって、過去の数学の蓄積を整理した結果として作られたのであって、決してZF公理系が与えられた後で数学が出来たのではないからです。

> 他の物理学や生物学などの学問に矛盾や問題が起きる可能性はないのか?

 物理学や生物学などの経験科学は「数学の応用によって作られている応用分野」なんかじゃありません。これらの学問においては事実こそが絶対であり、実験や観察で得られた知見こそが基本なのであって、理論はそれを説明し、実験結果を予測するために作られるものに過ぎません。そして、数学は「理論を記述するための道具」あるいは「理論を記述するための新しい道具を、必要に応じて作るための手段」と位置づけられます。→ http://oshiete1.goo.ne.jp/qa40454.html
数学的対象と、現実の対象とは(名前が似ていても)別物です。特に「それらが同一のものを指している」ということは絶対に証明不可能。例えば、理論から得られた予測が実際の現象と合わなかったとすると、その理論の対象は現実の対象とは別のものであった、ということが分かったことになります。(そういう理論を「机上の空論」と呼ぶ訳です。)
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa2438487.html
 また、これらの学問の理論はいつもいっぱい矛盾を抱えていて(例えば物理学なら、重力の理論と量子の理論を一緒にすると矛盾が生じます)、それこそが学問を進める原動力のひとつです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。
難しいですが、何とか納得できました。

お礼日時:2008/01/11 22:46

まず。

。。数学と物理や生物は,
互いに協調してるっぽいとこはかなりありますけども
基本は全く別個だと思ってください.
数学には「世界の観測」は関係ないのです.
もちろん,物理的な観測によって現象を捉えて
それから解の候補を構築して・・・なんてことはありです.

こういうある意味ストイックというか,
仮定したことと論理しか使わないということが原因となって
ほかに応用が利くというわけです.

>ゲーデルの不確定性原理
ゲーデルのは,日本語では「不完全性定理」(incompleteness theorem)
一方,量子論のは「不確定性原理」(uncertainty principle)ですので
これまた(少なくとも名前は)全く別個のものです.
ゲーデルのは「公理系の無矛盾性と完全性」に関するものですが,
量子論のは「異なる物理量の測定」のお話です.

さてさて・・・・
>数学にはさまざまな分野がありそれぞれに公理があるようですが、
これは,その通りともその通りでもないともいえます.
普通は「ZFC」と呼ばれるものを公理系として仮定して話を進めます.
その意味では「公理系は一個」でOK!というのもありかと思いますが,
もちろん実際はいろいろあります.
ただし「分野ごと」というわけではありませんよ.

>それらの公理に矛盾が本当にないのでしょうか?
「ゲーデルの不完全性定理」というのは,
第一,第二と二種類あるのですが,そのうちの
「第二不完全性定理」はぶちゃっけ
「自然数を含む公理系が無矛盾であれば、
自身の無矛盾性を証明できない。」
という禅問答のようなものです.
残念ながら無矛盾性は証明できないんですよ・・・.
曲者は「自然数を含む」という条件でこれさえなければ話は別です.
そして「証明そのものの定義」をいじったりすると
また話は別だったりします.
さらに「公理系」の外側から無矛盾を示すというのも
ありですが,それはその公理系の内部での証明ではありません.

>また実際に起きたことはないのでしょうか?
あったんですよ.20世紀の最初あたりに.
「ラッセルのパラドクス」というのを調べてみてください.
だから,いろいろと複雑な公理系を考えることになったのです.
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。

お礼日時:2008/01/11 22:35

こんばんは。


一応、数学理論を応用して、物理学分野で活用している人間の一人として質問に答えてみたいと思います。

「物理学」と「数学」は、自然科学の中でもお互いに車の両輪の関係にあります。生物学や化学は、あまり数学とは関係が無かったのですが、分子・さらに原子レベルでの解析が盛んになったため、現在は物理学応用が続いています。

物理学と数学の両輪関係が始まるのは、たぶん、ガリレオの頃でしょう。数学の公理系が証明されて、物理学への展開を行う方が圧倒的に多く、物理学分野から数学への応用というのは、非常に少ないというのが事実です。

実際に、応用数学と呼ばれる分野が、もしかすると物理学なのかも知れません。矛盾の公理系と呼ばれるものは、とりあえず存在しません。これは、公理系を一般化すると、公理系そのものの規則を緩めることになるので、研究が盛んに行われたためです。

つまり、限定的な系だと矛盾が生じるけれど、広域的な系ならば矛盾が生じないという性質であると理解していただければ幸いです。

この辺りの精密な議論は、ゲーデルの不確定性原理(量子力学における不確定性原理の発見とほぼ同時期であることに注目してください)と、括弧内に示した量子力学の不確定性原理によって明らかにできると思います。

現在、不確定性原理における拡張という研究が行われ、観測の問題と呼ばれるものについても研究が行われています。これは、測定の系における問題であり、将来解決されるかも知れません。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。

お礼日時:2008/01/11 22:30

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