【お題】王手、そして

土屋道彦という人の書いた「おかしな日本語、正しい日本語」という本を読んでいたら、
「『すべてを申し上げて、罪に服したいと思います』はおかしい。服するとは、納得して従うことである。納得して罪に従うなどというのはおかしなことである。恐らく『刑に服する』の間違いであろう。」
というお話が出ていました。

辞書で【罪】を引きますと

(1)法律的・道徳的・宗教的な規範に反する行為。「―を犯す」
(2)(1)に対して負うべき責任。また、それに対して科される制裁。刑罰。「―に服する」

と出ていて「罪に服する」の用例までキッチリ出ています。
それでも土屋先生の仰るように、『すべてを申し上げて、罪に服したいと思います』はおかしいのでしょうか?
教えてください。

Goo辞書↓
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%BA%E1 …

A 回答 (8件)

ちょっと古い辞書ですが、角川国語辞典新版(1969年12月1日初版発行/1989年1月20日370版発行)にも、「罪に服する」という用例がありました。


(5)「処罰」のところに「―に服する」とあります。

ちなみに旺文社古語辞典改定新版によれば、「つみ」【罪】の参考のところに、

「罪」は古く、罪を犯した結果としての「罰」をも意味し、動詞「罪す」「罪なふ」などいずれも罰することを意味した。「つみ」は和語であり、「ばつ」は漢語で、中世以降の語である。また、中世以後、「咎(とが)」が多用されるようになる。

とあります。
もとより「罰」という意味があったのですね。
ということは、「納得して罪に従う」ことに問題があるのかどうかは、検討する必要があるかもしれませんね。

ちなみに「服す」ですが、

古語辞典では、
付き従う。心服する
となっていて、納得して従うことのようです。

国語辞典では
(1)従う。「上司に―・する」「忠告に―・する」
(2)従事する。「役務に―・する」
となっています。

日本国語大辞典という辞書をご存知ですか?
図書館じゃないと、なかなか個人で持っていることはすくないですが、ここに載っていればその用法はあると思ってよいと思います。
が、残念ながら今日は月曜日ですので、機会があれば日本国語大辞典を調べてみてくださいね。
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この回答へのお礼

>日本国語大辞典という辞書をご存知ですか?

ハイ、よく知っております。

>図書館じゃないと、なかなか個人で持っていることはすくないですが、ここに載っていればその用法はあると思ってよいと思います。

私は小さい字引に載っていれば、それで十分なのではないかと思っています。
日本国語大辞典は一番大きい辞典です。用例も沢山載っています。小さい字引には載っていない用例を調べるのであれば、この大辞典が適当です。
今回の「罪に服する」の用例は小さい辞書に載っていますので、それで十分だということです。
日本国語大辞典は大きいだけに、いろんなことが沢山載っています。そのため、書き過ぎてチョッとどうかと思われるところもあって、識者の間では問題視されているようです。
ですから、一概に大きい辞書が権威があって間違いがないものであるとはいえないようです。

>機会があれば日本国語大辞典を調べてみてくださいね。
そういうわけで、今回は日本国語大辞典を調べません。すみません。

沢山辞書を調べていただきありがとうございました。

お礼日時:2008/04/01 09:39

> ところが今の若い人は、ドストエフスキーや太宰や法律書も読んだ


> ことがない人が多いようですから、罪も刑も一緒になっているので
> はないだろうかということです。

おっしゃりたい意味は解らなくもありませんが‥
「若い人」に限らず、何百万人もいる人々を “今の”で十把一絡げに括ることは困難です。また、仮にある人が「罪と刑」を明確に使い分けていたとしても、理由を尋ねられれば「さぁ、何となく‥」と答える場合もあるでしょう。つまり、結果オーライである可能性も無きにしも非ずです。
したがって、その問いに関しては、正直答えようがありません ( ^^;
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失礼しました。


そういう回答を求めていたのではないのですね。
さすがに恥ずかしいので、もう一度だけ回答させてください。

1冊の本にこだわる必要はないと思います。
本だからと言って正しいわけではなく、また、研究者によっても見解が異なることもよくあります。
大学だと、教える側も研究者です。ですからもしかすると、テキストを訂正して講義を進めるのを見ている人も、少なくないかもしれませんね。

土屋道彦という方の見解が「この使い方が間違いであるとしている」ということでよろしいかと。

用法があるないについてのみであれば、大きな辞書に載っていれば、使われているという認識でよいと思いまして、一番大きなものを挙げました。(使われているというだけで、その用法が広く知られていることを示しているわけではない)
これがいらなかったんですね。すいません。

他の方のおっしゃるとおり、あまり聞かない用例ということでよいのではないでしょうか。
どの辞書でも1番目には出てこないようですし(全ての辞書を調べたわけではありませんが)、手持ちでは5番目です。
この辞書は細かすぎる気がしますが、細かい中で5番目ということは、本当に使わない意味なんでしょうね。
もっと大きな辞書では、何番目なんでしょう。
とすると、「おかしな日本語、正しい日本語」以外の見解を探すのは、非常に難しいかもしれませんね。元国文科として、ちょっと興味を持ってしまいました。
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この回答へのお礼

二度もご回答ありがとうございます。

お礼日時:2008/04/01 18:52

こんにちは。



> 今の世の中では 罪=罰 と考えている人が多いんじゃないかな、
> と思ったのですが。

むしろ逆のような気がしますね。
大昔の日本では罪と刑の区別が曖昧だったと思われ、奈良時代に唐の五刑に倣った刑罰制度が導入された時、我が国の律令ではわざわざ刑を罪に読み替えて「五罪」(笞罪・杖罪・徒罪・流罪・死罪)としています。また、江戸時代になっても「死罪」(斬首)、「火罪」(火あぶり)という刑名が使用されており、概念上はともかく言葉の上で両者はやはり完全分離されてはいなかったようです。
日本で罪(犯罪行為)と刑(刑罰)が法律用語として明確に区別されるようになったのは、恐らく近代法が導入された明治以降だろうと思われます。

以上から「罪に服する」は、ある意味伝統的な日本語表現と言えるでしょう。ちなみに鎌倉時代の『御成敗式目』の中には、「その罪に処せらるべし」などという表現もあります。
ただ、罪と刑が概念的にも用語的にも完全分離した現代において、「変だ!」と思う人が多いのはもっともなことで、「死語予備軍」なのかなとも思います ( ^^
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この回答へのお礼

>むしろ逆のような気がしますね。
私が言っている「今の世の中」とは、明治以降という意味ではなくて、もっと近い「平成の時代」です。
つまり、明治になって罪と刑の概念が分離して解釈されるようになった、ところが今の若い人は、ドストエフスキーや太宰や法律書も読んだことがない人が多いようですから、罪も刑も一緒になっているのではないだろうかということです。
ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2008/04/01 09:12

たしかに「罪に服する」とはまず言いません。


しかし土屋道彦の理論は正しくありません。
「罪を犯したものは刑を受けるべきである」なのだから、
正しい流れに従うと言う脈絡で
「罪(とうぜん刑とセットになっている)に服する」すなわち
行動として刑に服する、と考える事はできます。
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この回答へのお礼

>たしかに「罪に服する」とはまず言いません。
・・・ところが、グーグル検索をしましたら
「罪に服す」61万件、「刑に服す」21万件でした。
今の世の中では 罪=罰 と考えている人が多いんじゃないかな、と思ったのですが。
ありがとうございました。

お礼日時:2008/03/31 07:36

「つみ」という言葉は漢語の「罪」が入る前からの大和言葉であり、清いものを汚すこと、他人が困惑するようなこと、また「つみ」の結果としての穢れ、共同体からの非難などを指しました。

病気や怪我も立派に「つみ」のひとつでしょう。

そういう古い意味を基準にすると、そもそも漢語の「罪」と同一視すること自体が「正しくない」ことになりますね。漢字の「罪」はもともと「非(まちがい)」の上に網をかけた象形文字ですから。

だいたい「言語表現が『正しい』」とか『おかしい』」という言い方も曖昧ですね。東京方言或は「標準語」を基準にすれば、例えば私の住む薩摩地方の話し言葉はすべて「おかしい」表現です。例えば天照大神を「おひいどん(御昼殿)」と言ったりします。東京生まれの私には陳奮漢なことばかりです。

言葉の表現が「正しい」とか「間違いである」という場合は、より詳しく、「公の席ではこう表現すべきである」とか「野卑な表現である」「稚拙な言い方である」「多くの人にとって意味が通じない」「学校文法に合わない」又は「誤解され得る」など具体的に指摘するべきでしょう。

「すべてを申し上げて、罪に服したいと思います」について、私は、「非常に古風な表現であり、話し手の誠実さを感じさせる」表現だと思います。
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この回答へのお礼

奥の深いお話しありがとうございました。

お礼日時:2008/03/31 07:18

言語は生き物ですから、時代の変転とともにおそらく後者の意味が付加されることがあります。


「罪」をつかった熟語からしても本来両方の意味があったようです。
(1)だけにこだわると、(2)の用例では論理的に成り立たないのは確かですが、断罪、斬罪等、(2)の範疇です。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2008/03/31 07:18

確かに辞書を引くと1と2のふたつの意味、使い方がでますね。


どちらも正しい日本語ということですね。
だから、土屋さんが「おかしな日本語」と断定したのは
間違いです。
「『罪に服する』は間違ってはいないけれど、実際にはあまり用いられない意味、使い方」という表現が正しいと思います。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2008/03/31 07:16

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