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No.1
- 回答日時:
>ホールは重いものと軽いものがあるのはホールは
>角運動量とスピンの違いにより6重縮退しているからですよね?
そうではなくて、スピン軌道角運動量相互作用によりk=0の近傍以外は
縮退が部分的に解けているということです。(k=0では縮退したまま)
いっぽう伝導帯は、スピン角運動量相互作用では縮退がとけないので
Siであれば6つの状態が全kにわたって縮退したままなので、バンド図
としては1つに見えるのです。つまり伝導帯のほうが強く縮退している
ということです。
縮退していることはサイクロトロン共鳴でも確認できますし、歪みを
加えて結晶の対称性を下げれば縮退を部分的に解くことが出来ます。
>スピンは分かるのですが、角運動量が違うというのはどういうことなのでしょうか?
>それとコンダクションバンドの電子にこういった縮重がないのはなぜなのでしょうか?
これは、tight binding modelを考えれば簡単に理解できると思います。
通常半導体のバンド理論の学習は、まず完全な周期ポテンシャルを仮定
して、そこから具体的なバンド構造を計算するという流れが多いかと
思います。tight binding modelはそれと対極的に、孤立したSi等の
原子が順次結合して行き、孤立原子の軌道がどんどん変化し、最終的に
バンドを作るという描像を行います。このmodelでは、伝導帯も価電子帯
も、どちらもSi原子のsおよびp軌道に由来するものとして導かれます。
いわゆるsp混成軌道というやつですが、価電子帯はp軌道、伝導帯は
s軌道の性質を色濃く持っています。水素原子軌道を習われたかどうか
知りませんが、s軌道は電子の軌道角運動量が0の軌道、p軌道は有りの
軌道です。したがって、p軌道の性質を引き継いだ価電子帯は軌道
角運動量が有りでスピンと強く相互作用し、s軌道の性質を引き継いだ
伝導帯は軌道角運動量とスピンとの相互作用が非常に弱くなるのです。
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