No.3
- 回答日時:
#2 の回答でいいのですが,別の書き方をしてみます.
そもそも,平衡定数を濃度や圧力で記述するのは正しくありません.
本来は,濃度ではなく活量,圧力ではなくフガシティで記述するのです.活量やフガシティは,濃度や圧力を,熱力学関数を記述するために拡張というか修正したような概念で,そもそも単位のない無次元量です.
しかし,低濃度あるいは低圧力下では,これらはmol/L で測った濃度,atm で測った圧力と数値が一致するように定義されています.したがって,熱力学平衡定数の近似値として,濃度平衡定数や圧平衡定数を使うことが可能になります.これらは熱力学平衡定数ではありませんが,上記のように単位を取れば,その近似値になりますので,これを使って計算することに意味が出てきます.熱力学の式に出てくる平衡定数は無次元数ですが,そこに実測値を入れるときには上記のような単位系で取った濃度平衡定数や圧平衡定数を使ってよいということになるのです.
mol/L で測った濃度と数値が一致するようになっている,という,このことの本質は,標準状態の定義そのものの問題になるわけですが,そのあたりは #2 の回答もあわせて熟考するべきでしょう.
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
質問者さんがどの程度熱力学をご承知か存じませんが、もともと平衡定数は反応のギブスの自由エネルギー変化をΔG°と書いたとき、
-ΔG°=RTlnK(lnは自然対数)...(1)
で定義されています。対数関数ですから本来はKは無次元の数が入るべきで、モル分率xiをつかいます。
(1)には原系と生成系の化学ポテンシャルが等しい、ということが含まれ、原系、生成系の化学ポテンシャルの表示でi番目の成分について
μi=μi°+RT ln(xi)(xi;iのモル分率)...(2)
と書けることに由来しています。
これを
μi=μi°+RT ln(Pi)
と書いたりもしますが、この場合のμ°の中に-RTlnP0(P0は基準となる圧。たとえば1気圧=101.3 kPa)が隠れています。
分圧で組成を入れると質問者さんのような例では平衡定数に圧力の単位が残ります。すなわちモル分率の平衡定数にP(全圧)がかかった数字になります。よって圧平衡定数をKp、モル分率による平衡定数をKとしますと
lnKp=lnKP=lnK+lnP分とずれが生じます。しかし化学ポテンシャルの数値などを問題にしない場合は圧平衡定数が使えます。
aをN2O4、bをNO2、それぞれの分圧をPa、Pb、モル分率をxa, xbとしますと、xa=Pa/P, xb=Pb/Pとなります。
Kp=Pb^2/Pa=P(Pb/P)^2/(Pa/P)=Pxb^2/xa=KP...(3)
となります。
たとえばある温度での圧平衡定数Kpをあたえ、aとbの分圧を決めるという問題の場合、
Pb^2/Pa=Pb^2/(P-Pb)=Kp...(4)
とし、
Pb={-Kp+√(Kp^2+4KpP)}/2...(5)
となります。
これをモル分率の計算でやれば、
xb^2/xa=xb^2/(1-xb)=K...(6)
より、
xb={-K+√(K^2+4K)}/2...(7)
となります。(7)の両辺に全圧Pをかけてやると
Pxb=Pb=P{-K+√(K^2+4K)}/2={-KP+√{P^2(K^2+4K)}}/2={-KP+√((KP)^2+4(KP)P)}/2={-Kp+√(Kp^2+4KpP)}/2...(8)
となります。これは(5)と矛盾しません。
No.1
- 回答日時:
計算は単位も含めた計算です。
HAc+EtOH→Et-Ac+H2O
それぞれの濃度を(mol/l)で表示した場合、
K=[HAc](mol/l)*[EtOH](mol/l)/[Et-Ac](mol/l)*[H2O](mol/l)
単位を計算すると、約分できて、
(mol/l)^2/(mol/l)^2=(1)
になり、単位はなくなる。(1)なんて単位は書かない。
N2O4→2NO2
それぞれの分圧を(kPa)で表示した場合、
Kp=pN2O4(kPa)/(pNO2(kPa))^2
単位を計算すると、約分できて、
(kPa)/(kPa)^2=(kPa)^(-1)=1/(kPa)
ということだね。
大抵の計算、特に科学技術の計算は、数値だけではなく、単位も含めた計算だということを、忘れては駄目だね。
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