No.2ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
脳は何パーセントしか稼動していない、昔から良く例えで使われますよね。この頃に比べますと、現在では脳のことが色々と解明されてきました。ですが、残念ながらこれを概算で求めるデータを揃えることさえまだできないのが現状であるというのを予めご了承下さい。
人間の脳の「記憶保持能力(厳密には情報処理能力)」は、その細胞数から換算しまして「227TB」ほどになります。このうち、本能行動や自律神経系を司る100TBは学習機能を持っていませんが、ここには予め定められた遺伝情報が書き込まれていますので、生後学習を行う必要がありません。ですから、これでまず227TBの半分弱は誰でも必ず使っていることになり、ここまでで「使用率50%」はほぼ確実です。
では、問題なのは生後学習を行わなければ使うことのできない残りの50%です。
高等動物の脳内で学習機能を持つ中枢といいますのは「大脳皮質」「大脳辺縁系」「小脳」などが知られています。このうち、我々が勉強や訓練などで意図的に使っているのは専ら「大脳皮質(学習記憶)」と「小脳(運動記憶)」であり、その大雑把な内訳は、
「大脳:16TB」
「小脳:100TB」
となります。
但し、大脳皮質にも感覚野や言語野、運動野など、遺伝的に定められた機能がありますので、必ずしもこの全てが記憶容量ということではなく、見る、喋る、歩くといったときには必ずや使われなければならない機能も含まれています。
ここから先は計算に使えるデータというものが何もないのですが、人工知能の研究では、ロボットに一般常識を身に付けさせるならば最低でも「1TB」は必要という「目安」があります。では、我々の大脳には、この「1TBの一般常識」に加え、以下のようなものが収納されます。
「一般常識(日常生活用)」
「言語記憶(日常会話用)」
「一般認識(歴史や英語の授業)」
「個人記憶(体験・エピソード)」
「論理記憶(上記の記憶を正しく整理する手続き)」
全く根拠はないのですが、それぞれがみな1TB程度としますならば、我々の大脳は高校を卒業するまでにその三分の一程度が埋まってしまうことになります。
では、ご質問は、脳はどのくらい使われているかということですが、逆に言いますならば、我々の脳には死ぬまでには到底使い切れないくらいの圧倒的な余裕がある、というのが私の見込みです。
我々は生涯に渡り毎日のように色々なことを学習します。ですが、この記憶容量を使い切ってしまったために新しいことが覚えられなくなったというひとの話はまだ聞いたことがないです。これが多いか少ないかに判断の術はありませんが、私は大脳の「使用率」というのはこの程度ではないかと考えます。
それぞれが1TBではちょっと少な過ぎるように思われるかも知れません。ですが、まず我々は成人するまでにはみなこのようなことは学習します。そして、ここから先は新しい体験をしましても、過去の記憶情報を様々なパーツとして流用できますので、赤ちゃんが言葉を学習するときのように一から十まで覚える必要はないわけです。また、上記の中にもデータの重複するものがたくさんあり、例えば歴史の授業にしましても、我々は「既存の言語記憶」を使ってそれを理解していますので、教科書の文章を頭の中に丸暗記しているわけではありません。また、個人の思い出といったものもビデオ・テープのように頭から録画されているわけではなく、多くの部分が一般常識や論理的な解釈によって整理されていますし、実際の記憶回路接続にも「共有配線」というものがあるはすです。で、このように考えませんと、逆に大脳の16TBはすぐにパンクしてしまいます。
さて、これまで「使用率」という言い回しを使いましたが、これは「稼働率」とはどう違うのでしょうか。
「大脳の使用率」といいますのは、どれだけたくさんの学習をしているかです。そして、多くのことを知っているひとは頭が良いですし、色々な問題に対処することができます。ですが、幾ら大量の記憶情報を持っていたとしましても、それが一度に100%稼動することがあるでしょうか。あり得ませんよね。ですから、記憶というのはいざというときに役に立てば良いのですから、重要なのは脳の稼働率ではなく使用率ということになります。
このように、学習記憶といいますのは再生できてナンボです。ならば、多くの体験を重ね、それを必要に応じて適切に再生するというのが脳の正しい使い方ということになります。では、最近ではこの大脳の学習記憶をより効率良く活かすために、意外にも「小脳」の機能が深く係わっていることが分かってきました。そして、ここには100TBの記憶容量があります。
これまで「小脳」には「運動学習」を行う機能があることが知られていました。
小脳といいますのは大脳皮質・運動野と末梢運動系の途中に位置し、この「運動記憶」といいますのは大脳皮質の運動命令を補佐するためにあります。
歩く、座るに始まり、小脳の運動学習は自転車に乗る、キャッチ・ボールをする、キーボードのブラインド・タッチから楽器の演奏など、それはあらゆる「熟練運動」を実現するものです。ですから、この小脳が「運動の手順」を学習しているのであれば、大脳は「自転車に乗れ!」と命令するだけで、あとの細かいことは小脳がやってくれるわけですから、大脳の仕事は大幅に軽減されるわけです。
そして近年では、小脳は運動の手順だけではなく、「計算の手順」や「作業の手順」といったものも学習されるのではないかということが分かってきました。要は、九九や足し算などの単純計算は小脳にそのやり方が学習されるというわけです。
これをどのように解釈するかといいますと、つまり、大脳では考える作業を行うのに対しまして、小脳では考えなくともできる作業を訓練によってどんどん取得することができるということです。これにより、大脳は単純なルーチン・ワークから開放されます。これが、私が大脳の働きを低く見積もる理由です。
日常生活に必要な運動記憶からゴルフやテニスの技術、果ては様々な作業や思考の手順、果たして、生まれてからこのかた、小脳にはどれだけの記憶情報が獲得されているのかは想像ができません。しかも、それは訓練を積めば積むほど上達します。このように考えますと、大脳が16TBであるのに対しまして、小脳が100TBの記憶能力を持つというのはたいへん興味深い事実です。
ひとりの人間から見れば、その可能性はほぼ無限大であり、如何なる努力家であろうとも、生きているうちにその機能を全て使い切るというのはまず不可能と考えます。逆に言いますならば、我々の脳にはそれだけの余裕があるということです。あなたは脳の何パーセントを使っていますか、これは、それではもったいないですよという意味では、今も昔も同じですね。
結局、何パーセントというご質問に答えられなくて申し訳ないのですが、はっきり言って計算は無理です。言い訳をするわけではないのですが、コンピュータでは1TBと扱えても脳内ではそれが何TBに当たるかの計算方法もありませんので、実はこの辺りで既にお手上げなんです、ゴメンなさい。

No.1
- 回答日時:
ほぼ100%使われています。
ただし、いつも100%使われていたら発熱だけで死にますので、必要なときに必要な部分だけちょっぴり使われます。
集中力の高い人が課題に集中している場合、脳のほぼ全体が活性化され非常に効率の良い結果が得られます。
しかし、非常に消耗が激しいので、稼働時だけでなく休憩時にもブドウ糖と酸素を大量に補給する必要があります。
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