映画「2001年宇宙の旅」で、後半、木星探査の途上ディスカバリー号は意思を持ったコンピュータの反逆に遭って乗組員を失い、かろうじて船長ボーマンだけが最後に木星(或いはその衛星?ちなみに原作では土星)に着いたか着かなかったのかそのあたりは定かではありませんが、(何せ、1968年当時世界中で流行ったサイケデリック?な強烈な色彩映像が延々と続く・・・)とにかく映画のラストでは一転してロココ調の部屋で年老いたボーマンがベッドで寝ていたり、新たな人類の誕生を思わせる胎児(俗にスターチャイルド?などと言ってますが、あえてそのような低俗な名前は付けないで欲しいものです)の神秘的なイメージ映像などが画面いっぱいに表れ、何か新しいものの出現を予感・予想、そして様々にオーバーラップし、さも観客に何かを問いかけるような意味合い・感じは、S・キューブリック一流のアートというか、イメージ映像だと思っています。(うまく言えないのですが・・・)
このあたりについてどのように思われているかご感想を頂ければと思います。
原作と違い、ストーリーはかなり脚色されたり、映像的にも誇大化されたりしているのはご承知の通りです。
まあ、映画は映画として別物として考えて、楽しめればいいわけですが・・・
A 回答 (7件)
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No.1
- 回答日時:
一部事実誤認があるようなので
>原作と違い、ストーリーはかなり脚色されたり、映像的にも誇大化されたりしているのはご承知の通りです。
原作はキューブリックが監督・脚本の映画「2001: A Space Odyssey」のほうで、映画の原作というなら、前哨(The Sentinel)を上げるべきでしょう。
前哨は、私自身も映画公開よりも前に読んでいたので、そういう視点で見てます。
・・・そう見ると、映画の評価もまるで変わるのではないかと思います。・・・
アーサー・C・クラークは映画に関わった関係で、映画を元に書き下ろしたいわゆる「書き下ろし」と言っても良いのでは?・・・実際には同時進行で書かれているので、純然たる書下ろしともいえない。
【参考サイト】
The Sentinel (short story) - Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Sentinel_(short …
2001: A Space Odyssey - Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/2001:_A_Space_Odyssey
Arthur C. Clarke - Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Arthur_C._Clarke#20 …
No.2
- 回答日時:
もし未読であればこちら↓をお薦めします。
「失われた宇宙の旅2001」A.C.クラーク 早川書房
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/1 …
映画の裏話、クラークとキューブリックのやり取りなどが解って
面白いと思います。
あとは続編(というかスピンオフというべきか...)の
「2010年」「2061年」「3001年」と続く分も。
No.3
- 回答日時:
何かを問いかけるような意味合い
ここが楽しめるようになるのは本当の映画好きでしょう。
個人的に言えば 哲学と捉え
モノリスは生命エネルギーの発信機として捉え
猿の進化から最後のシーンあたりでは未来、そして、輪廻転生に それをイメージあふれる映像で表現しましたが、
この映画は個々に答えを出すもので 私の感想も私個人のものですから
いろいろな意見が逆にいっぱい出てくるのを聞くのはまた違った映画の持つ良さと思います。
いっぱい書きたいことはありますが 深すぎますね。
科学のアーサーが科学から一つの真理に行き着くように感じました
仏教哲学は科学が証明していると言う言葉がありますが、因果、つまり原因と結果は科学のなかでは当たり前のように仏教用語を使われてますが 再生と言ったり 輪廻といったり 身近で言えば 昨日と今日と明日ということでしょうか? 映画も哲学つまり人間や生命を見せているので黒沢明は日本の文化の奥にある仏教まで調べたそうですよ。
つまり人間観、振る舞いや 生命感 2001年は1つの生命観
と 見れますし
アメリカの映画は生命観 宗教と言ってますが 如実に現実の見えない法則のような物 例えば 因果であったり きちんと入れてますね。
地球が1つの生命であり という ガイアは最近言われてきましたが
また それが 宇宙にまで広がってるのが2001年でしょうか
深く言えば 宇宙生命の中に、またしっかりと属している確固とした1つの生命の自分 その1体感と
と深すぎますね
論は尽きないでしょうね
ご回答ありがとうございました。
「輪廻転生」・・・私が感じたのはまさしくコレです!あと、仏教用語の因果は的を得ているかと。確かに映画の中にそれは感じられました。
科学から一つの真理に行き着くというのは、例えば宇宙の謎が「人間原理」に行く着くのと同じようなものかな?なんて思ったりもしました。
No.4
- 回答日時:
この映画では、一つの個体の進化とシンクロするように、猿人→人類→スターチャイルドという、知性体の進化を描いているのだと思っています。
HAL9000も単なるコンピュータから知性体への進化を成し遂げたのだと思います。
No.5
- 回答日時:
No.2です。
本・映画の内容に直接触れる表現を避けるためにボカした言い方しか出来ませんが:
>映画の原作はキューブリックの方だったのですね・・・
これもちょっと違います。キューブリックが映画の方向に
明確なものを持っていて、シナリオにクラークが起用された
形で、映画とストーリーは互いにこの2人によって修正され
ながら作られています。「前哨」を基本プロットにしたいと
言ったのはキューブリックのほうですが。
ご紹介した本にはこれら経緯の他、ディビッド・ボーマンは
何処に行って、何を見たのか、等々が解る、映画にも小説にも
採用されていなかった部分が書かれています。続編と合わせる
と多分疑問に思われてる半分以上は解決するのではないかと。
ちなみに「スターチャイルド」はクラークの英語本にも
「A CHILD OF THE STARS」と書かれてます
ので俗に付けられた訳でもありません。
>続編が延々と続くのは何だか興ざめ?ですね・・・
確かにそういうお気持ちも解ります。実際にもクラーク自身は
「楽園の泉」を最後に筆を折る、と一時期引退宣言をしたので、
続編の予定自体は無かったと思います。しかし事情が変わり
「私を変えたものがある。それはワードプロセッサーだ」等と
言い出して再開して書いた結果としてシリーズになりました。
むしろ「2001年」の謎解き部分が明らかになって行くので
個人的には歓迎です。(「3001年」の主人公なんてHALに
殺されたハズの「あの人」です。)
「人類進化に手を貸し、経過観察する人知を超えた何者か」に
ついては方向は違いますが同作者の「幼年期の終り」を読むのも
手だと思います。
No.6
- 回答日時:
ANo.4のご回答に近いですが、私もあの作品は「知性体の進化」がメインテーマだと思っています。
ストーリー上では、ディスカバリー号から閉め出されてしまったボウマン船長が、ヘルメットなしで真空中に出るという一か八かの決断の末に宇宙船に無事帰還でき、HALから宇宙船の制御を取り戻し、一人木星に向かうことになります。
しかし、あの時もしボウマンが帰還に失敗していたとしたら、コンピュータのHALが木星に向かい、新たな知性段階へと進化を導かれたことになったのでしょう。
そして、地球上の知性の進化を見守り導いてきたOver Lordにとっては、スターゲートを通り抜けてくるのがヒトであろうと、ヒトが作った知性であろうと、どちらでもウェルカムではなかったのではないかと思うのです。
私は映画を見た時にそんな事を考えていました。
今から見ると、キリスト教文明圏でそこまで含みのある映画を作ったというのは、なかなかすごいことではなかったか?と今更ながら思っています。
ANo.2さんお勧めの本は是非読まれるよう、私もお勧めします。
また、もし特撮など映像技術面に興味があれば、
「未来映画術『2001年宇宙の旅』」晶文社、P・ビゾニー著
http://sukarave.shop-pro.jp/?pid=11867500
もよろしいかと思います。
ご回答ありがとうございました。
>コンピュータのHALが木星に向かい、新たな知性段階へと進化を導かれたことになったのでしょう。
このあたりを想像すると確かに面白いですね。
あの映画は確か1968年製作ですよね。アポロの月着陸を翌年に控え、世界中の空を完成したばかりの747が飛びはじめ(当時アメリカではPan AmがNo.1の航空会社で、あの映画でもスペースシャトルにマークが堂々と入っていた)、コンコルドも英仏で開発・試験飛行が行われ、まさに夢の21世紀に向けて軒並み欧米の企業が急加速していたと記憶しています。しかし、その後、月や惑星の有人宇宙開発も当時ベトナム戦争や国家予算の大幅削減の為に途中で断念、航空機も結局、超音速から大量移送への道を選び747があいも変らず第一線で就航し、あのパンナムはすでに無く、実際の21世紀は空や陸に銀色の乗り物が飛び交うどころか、20世紀よりも地味かつ保守的?で、かつての人類の夢やチャレンジ精神は何処へやら?といった感じです。
「2001年宇宙の旅」・・・この映画を観る度にあの頃、21世紀に向けて目まぐるしい科学の発展とそれに伴う情熱や人類の夢の実現を素直に信じ、かつ、望んでいた自分たちが確かにいたのは疑いようは無かったのですが、実は、人間というものは太古の昔からそれ自体変ることなく常に想ったり考えたり努力することは一緒で(夢、欲望、葛藤)といった人間の根元的なものがある種あらゆるものの実現の為の原動力であって、仮にコンピュータにその座を奪われるような事態が起こった時、それは大変なことになる・・・なんて危惧もしました。まあ、現在世の中は表向き平和でグローバル規模の情報化・ネット社会にはなりましたが・・・そういった意味ではPCや携帯で気軽にコンピュータを使いこなしている我々が日常的にいるわけで(確かに凄い社会)、しかし、現実には日々訪れるきわめて人間的・平凡な暮らしがあるのは全然変っていないし、この先も基本的に人の心は同じで変りようはないな?と思うばかりです・・・
No.7
- 回答日時:
面白い映画でした。
初めて映画館で見たとき、最後の方はそれまで見た事もない展開で、それぞれの場面の意味は理解出来ませんでした。
ただ、SFの本は好きでしたから、人類もコンピュータも、知的進化を遂げると、肉体を失い、意識だけの存在として、ついには星雲(昔は銀河と区別していなかった気がします)に進化していくという事だろうと思っておりました。
今でも、魂が高みに上って行くにつれ、新たに宇宙が誕生するという同じ様な事が言われていることが不思議です。
それは、本当だと言う事を、すでに幼いときから、知っているような気がする事も不思議です。 (^_^)
SF中毒なのでしょうか・・(^_^;)
この回答への補足
この欄をお借りして・・・
今回は皆様、貴重なご意見をいろいろと有難うございました。
ポイントを付けるとせっかくの他の方のご回答まで消えてしまいますので、あえて付けないことにしました。また、次回質問の時も宜しくお願い致します。
ご回答ありがとうございました。
>人類もコンピュータも、知的進化を遂げると、肉体を失い、意識だけの存在として・・・
これ、とてもよく分かります。
そういえば人間原理に、宇宙全体は意識をもっていてやがて発見・認識させるために我々人類を誕生させたとか・・・
確かにあの映画は哲学的、宗教的(仏教・禅問答的?)でもあり、そして何より当の欧米等、西洋の思想・考え方といったものを強く感じます。いまだに様々な解釈で観る事の出来る、まさに21世紀へと謎を残した名(迷?)画だと思います。
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