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ベッセル関数についてどのような関数なのか高校生でもわかるような範囲でお願いします。
検索かけてWikipediaみてもわかりません。他で検索してもさっぱりイメージがわきません。
よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

高校生に分かるようにと言うことなので、この関数がどういうものであるかと言うことよりも、この関数がどういう時に現れて来るかを説明するべきでしょう。

どこでどう使われいるかが分かれば、それが動機付けとなってその定義や関数の性質を自ら体得して行くと思います。

一番見易い所では、cos(z sin x)や、cos(z cos x)や、sin(z sin x)等のように、三角関数の中に三角関数が現れたとき、それを三角関数だけで表した時に出てくる関数です。例えば、n位のベッセル関数をJ_n(z)で表すと、

cos(z・sin x) = J_0(z) + 2J_2(z)cos 2x + 2J_4(z)・cos 4x + 2 J_6(z) cos 6x + ...

なんて言う奇麗な和で表されます。例えば、この両辺をxに関して一周期、すなわち0から2πまで積分すると、右辺の第一項以外は全てゼロになりますから、J_0(z) が三角関数の三角関数の積分で表されます。このように、三角関数の中に三角関数が現れてきたら、ベッセル関数ありきとなります。

また、音や光や量子力学の波動方程式を、極座標を使って解く時の、動径方向rの微分方程式の解を書き下す時に、多くの問題ではベッセル関数が解になって居ります。ですから、波動方程式を理解するためには無くてはならない関数です。

もう一つは、太陽の周りを回る惑星や彗星や、地球の周りを回る人工衛星の軌道を2体問題として解いた時、太陽から惑星までの距離や角度を時間tの関数として表す時に、必ずケプラー方程式と呼ばれる、

u-e・sin(u)=n・t

という方程式を解いて、u を時間tの関数で表さなくてはなりません。ここで、uは離心近点角とよばれる角度、eは楕円運動の離心率、nは平均運動と呼ばれる角速度と同じ次元を持った量のことです。このケプラー方程式の解は、ベッセル関数を使って、

u(t) = n・t + (2/1) J_1(e) sin(n・t) + (2/2) J_2(2e) sin(2n・t) + (2/3) J_3(3e) sin(3n・t) + ...

と表されます。実際、人工衛星の時々刻々の軌道を計算する時には、この解を使って計算するのです。ですから、宇宙工学ではベッセル関数は大変重要な関数なのです。実は、歴史的には、ベッセル関数はこのケプラー方程式を解くために、ベッセルは初めて導入した関数なのです。ところが、後にこの関数が先程述べた波動方程式と呼ばれる2階の線形微分方程式の解として中心的な役割を演じていることが判るようになり、今では微分方程式論と結びつける立場から、ベッセル関数を論じることが主流になってしまいました。もちろん、この方が物理系の特殊性によらず、一般化好みの数学者の性にピッタリしているからです。

蛇足ですが、物理学の学生は大学一年の時に、ニュートン方程式の2体問題の解として惑星の運動を習い、惑星と太陽の距離を、惑星の角度で表す公式を導かされます。その公式は簡単な三角関数で表されます。学生も先生もこの簡単な公式を導いて、2体問題が解けた気になっております。ところが、よく考えてみると、その距離や角度を時間の関数として表さないと、ニュートンの方程式は解けたことにはなっていませんね。しかし、これを物理学の授業で教わることは滅多にありません。その理由は、ほとんどの場合、大学の物理の先生はその解き方を知らないか、また、知っていても、大学一年生にベッセル関数をまだ教えていないので、教えようが無いのです。実際、大学の先生がこの問題を解こうとした時に、必ずケプラー方程式を解かなくてはならないのですが、もし、その先生がケプラー方程式を参考書無しに自力で解けたとすれば、その先生はベッセルと同じ程度の能力の在る方となり、世が世なら、ベッセルの代わりに、その先生の名前のついた関数になっていたかも知れないからです。私の経験でも、物理学科の先生で、ニュートン方程式の天体の2体問題にベッセル関数が出てくることを知らない方が、殆どでした。

ベッセル万歳!

この回答への補足

回答ありがとうございます。三角関数のなかに三角関数というのはどういった意味になるんでしょうか?
ケプラー方程式を勉強すると理解しやすいですか?

補足日時:2009/04/23 07:53
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#1です。



>三角関数のなかに三角関数というのはどういった意味になるんでしょうか?ケプラー方程式を勉強すると理解しやすいですか?

発想の的が外れているように思います。知られた簡単な関数だけを使って表現できるような現象は、この自然界では例外中の例外属します。一寸でも、現実に近づけようとすると、ある関数の関数になったり、ある関数の関数の関数になったりする場合の方が圧倒的に多いのです。それどころか、ほとんどの現象では、無限の関数の組み合わせでしか表せないのが現実なのです。

私達は学校で、単純な関数だけで表せるような極端に簡単な現象だけに限って数学的な表現を教わっているので、現実の世界の数学的記述に慣れていない方には、関数の関数が現れて来るとびっくりするのだと思います。この現実の世界を数学を使って分析しようとすると、三角関数の三角関数や、指数関数の三角関数や、三角関数の多項式の対数関数などと言う、関数の関数なんて例はいくらでも出てきます。こんな関数の有限この組み合わせだけで理解できるような現象に巡り会えたら、運が良い方です。

例えば、一見途轍もなく難しい現象を扱っていた場合に、運が良くその数学的な表現の中に三角関数の三角関数が出てきたら、「あっ、この数式を適切に処理するにはベッセル関数を使うと良さそうだな」と見当をつけて、いろいろ式をいじくって行くと、上手に問題が解けたりすることがあるのです。もしそんな例に巡り会えたら、ベッセル関数の表現を使って論文が書けたりすることもあります。

三角関数の三角関数はケプラー方程式の議論には現れて来ない筈です。
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この回答へのお礼

広いですね、数学の楽しさを感じます。
回答ありがとうございました!

お礼日時:2009/04/23 10:02

第1回答者のCyototuさんがかなり詳しく専門的に説明されておられるので私は卑近な例として、



バケツに水を8分目程度入れ、バケツの側面を軽く叩きます。すると、ご存知のように水平だった水面に波状の同心円のパターンが現れます。この水表面の定在波は半径方向にベッセル関数の形が現れています。

大きな太鼓の膜を高速度撮影でもできれば、ベッセル関数の形が見えると思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。現象のイメージはなんとなくつきました!
理解できるよう頑張ります。

お礼日時:2009/04/23 08:15

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