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透過電子顕微鏡は100KeV程度に加速した電子線を用いるのは何故なんでしょうか?

A 回答 (2件)

>透過電子顕微鏡は100KeV程度に加速した電子線を用いるのは何故なんでしょうか?


端的に言えば、原子レベルの構造(nmオーダー)のものを見たいからすす。

一般に顕微鏡の最小の分解能δは、
δ=0.61λ/NA
で決まります。λは観測に使う波の波長、NAは開口数(つまりレンズの大きさ)です。
分解能δを小さくしたかったら(小さいものを見たかったら)、波長を小さくする(λを小さくする)か、レンズを大きくする(NAを大きくする)か、しかありません。

光学顕微鏡では、λは可視光なので400nmくらい、開口数はでっかいレンズを作れば0.8くらいにはできるので、分解能は0.5μmくらいです。つまりこれより小さなものは見えません。紫外線を使えばもうちょっと分解能あげられますがそれでも、0.2μmくらいが限界です。細菌は見えますがウイルスはほぼ見えません。個々の分子や原子は全く見えません。

で、電子顕微鏡の場合は、電子線を波として使うことで(ドブロイ波)、すごい小さなλを実現できます。一方で、電子顕微鏡ではレンズはつまり電磁石で作るので大きくできないので実用上の開口数NAは0.02くらいです。

で、100keVの電子線を使えば、ドブロイ波長λは0.0086nmなんで、分解能δは0.26nmになります。原子1個がだいたい0.1nm~1nmくらいですから、これくらいの分解能があれば、個々の原子が観測可能になるわけです。
もし、1MeVの電子線を使えば、分解能は0.08nmになります。これくらいあれば、最も小さい水素原子もなんとなく見えてきます。
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この回答へのお礼

大変参考になりました!!

ありがとうございます!!

お礼日時:2009/08/29 19:53

透過型は電子線のエネルギーが大きいほど透過しやすいわけですから,エネルギーは大きければ大きいほどよいと思います。

一方で1MeV程度の巨大な超高圧型もあるようですので,単に通常の研究室におさまる程度の大きさで(経費もほどほどで)得られる最大限の加速電圧が100kV程度ということなのではないでしょうか? 
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この回答へのお礼

そんなものもあるんですね!

回答ありがとうございます!

大変参考になりました!!

お礼日時:2009/08/29 19:53

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